説1

データ分析を学べばマーケターの年収上げられる説

本noteでお伝えしたいことを要約すると、

データ分析を漠然と学ぶだけでは、市場価値や年収を上げるのは難しい、しかし、分析を活かして自分はどんなマーケターになるのか?ビジョンを明確にして学ぶことが出来れば、それは叶うという考えです。言わば「(自身がなるべき像を明確にして)データ分析を学べば年収上げられる説」です。

※タイトルをキャッチーにするため、年収を上げられる説としましたが、マーケターがデータ分析を学ぶことはそれだけでなく、市場価値の向上やAIや機械学習の理解など新たな発見や気づきなど、余りある恩恵があるはずです。

私はデータ分析の書籍を出版してから、様々なマーケターの方からデータ分析のスキルをプラスして自らの価値を上げたい、年収を上げたいといった相談を受ける様になりましたが、ほとんどの方は明確なビジョンを描けないので、本気で学ぶ状態にならず何も身につきません。

重要なのは学ぶための強い動機の作り方ですが、それが皆できないのです。

筆者の経験と推薦図書の内容から、その方法を紹介します。


●自己紹介●フリーターからジョブチェンジ、データ分析を学んで書籍を出版しコンサルタントに

私は事業会社を支援するマーケターとして仕事をしてきました。広告会社やデジタルマーケティングコンサル会社を経て今はPR会社のデジマ事業担当のコンサルタントとして活動しています。経営者やマーケティング担当の戦略策定におけるファシリテーターとして、並走するプロジェクト型支援を行っています。報酬は時間、または日数、人月といった稼働の積算が基本となり、単価は弁護士費用と同水準かそれより少し高いくらいです。

私はもともとはフリーターでした。当時憧れていた電通や博報堂といった大手代理店に入れるワケなどなく、20代で初めて正社員になったのはイベント業界の機材オペレーター見習いでした。そこからイベントディレクター、プロデューサー、総合代理店、デジタルマーケティングコンサルティング会社のアカウントマネージャー、PR会社のデジタルマーケティングコンサルタントとジョブチェンジしながらステップアップしてきました。なかでも、電通グループに在籍していた際に、数理モデルによってTVCMやインターネット広告の効果を横並びで定量化する分析法を知ったのがターニングポイントになりました。当時は高度かつ高価な分析サービスであり、広告マーケティング業界で、その手法が殆ど浸透していなかったため、それを学び広める存在になれば自らの市場価値を高められる気がしました。

それが、私がデータ分析を学ぶための強い動機となりました。昨年書籍を出し、以降コンサルティングのプロジェクトの引き合いも増えました。生涯、自らの仕事で何を成すべきか?道筋が見えてきました。

※当時よりも、サービス提供者や利用者は増えましたが、数理モデルによってTVCMやインターネット広告の効果を横並びで定量化する分析法は今もまだ、浸透していません。それらの普及やマーケティングに関わる方の全般的なデータ分析リテラシーの底上げによるマーケティング生産性向上を私のミッションにしようと考えています。


データ分析を学び、それを活かすには強い動機が必要

データ分析を学びたいと漠然と考えている程度で何も身につかないマーケターは多いです。そういう方は、専門書を読み漁りもせず、うわべのノウハウや事例が書かれたビジネス書やニュース記事を読んで、わかった気になっています。しかし、実際に手を動かして分析して基礎知識をつけないでそうした薄い知識の収集ばかり行っても、本質的な知見にならず、時間の無駄になってしまうと思います。

データジャーナリストの松本健太郎さんのnoteで「データサイエンスの仕事を分かったつもりになって、データサイエンティストに仕事を依頼してくる」人などについて言及されています。

マーケターは文系の方が多いので、数学やプログラミングなど、データ分析に必要な勉強に苦手意識を持つ方も多いです。かくいう筆者もその一人です。データ分析のスキルをつけるのは一筋縄ではいきません。学びから得た知識を仕事に活かし、市場価値や年収を上げるとなると、なおさら強い動機が必要です。それを作り、且つ長期に渡りモチベーションを維持するためにもっとも有効なことは、自分の理想像を明確に描くことです。

自分の理想像を明確に描くには?

そのためのオススメの書籍が「『いつでも転職できる』を武器にする」です。SNSで存在を知りました。読みやすく納得度が高い内容でした。キャリアプランについて漠然として描いていたものを明確に整理するのに役立ちました。


PwC、マーサー、アクセンチュアなどで26年以上、働き方や人事のコンサルティングをされている人事・戦略のコンサルタントの松本利明という方の書籍です。はじめに~目次~1章まで全文公開されています。

実は、私は「データサイエンティスト」という軸でのスキルは下の中くらいだと捉えています。上には上の方がいることを知っているのと、データサイエンティストの定義をきちんと把握しているためです。マーケターのおそらく9割以上は統計解析やデータマイニングの基礎の知識や分析経験がない方なので、マーケティングの現場では私はデータサイエンティスト扱いされ、分析活用でコンサルティングできることは多くあり、特に因果推論の分析のデザインについてはマーケターにほとんど浸透していないので、支援できる場面が多いため、コンサルティング報酬を得られています。

9割以上の根拠についてはのちに紹介する拙書の全文公開noteに記載があります。

それでも、データサイエンティストとしてのスキルは下の中なのです。

「データサイエンティスト」として下の中くらいの私が稼げる理由

ここに最大のヒントがあります。私は(データサイエンティストとしての)スキルは未熟ななんちゃってデータサイエンティスト風マーケターになります。しかし、自らの存在価値は見出せています。これまでの経験から、マス媒体で世の中を動かす大規模なコミュニケーションプランを実行する総合広告代理店の営業やプランナーとしての右脳的なスキル経験とITコンサル寄りの左脳的なスキル経験を両立しており、さらにマーケティング業界で知られていない因果推論や時系列データ解析によるマーケティング施策効果の最適化の分析を学び、学びを深め書籍を出し、データサイエンティストの方への依頼などのプロジェクトマネジメントのスキルも身につけました。いくつかの価値を掛け合わせたことで、唯一無二ともいえる自分の強みを作れています。

総合広告代理店とITコンサルの経験から、両方の思考と行動特性を持ち、独学から書籍を出版。コミュニケーション力とファシリテーション力による課題解決のスキルが最大の武器。(でも実は元フリーター)

以上が私の強みだと思います。書籍を読み整理した結果、この強みがあるから稼げているのだと気づきました。また、「(でも実は元フリーター)」という、一般的にはネガティブと捉えられるであろう経歴でさえ、ジョブチェンジしながらデータ分析を独学し、書籍を出してコンサルタントになったファクトとマッチさせることで、順応力や成長力の説明材料になります。(※普段は元フリーターだとはわざわざ公言はしていませんが)

この書籍は、スキルや価値を掛け合わせて、自分のオリジナリティを打ち出すことで市場価値を上げる方法を示してくれています。皆さんが今から必死にデータ分析を学んでも、ゴリゴリの統計家やエンジニアのスキルには遠く及ばないでしょう。私もそうです。データサイエンティストとしてのスキルの優劣という縦軸の競争で上に行けるわけがないのです。

しかし、


自分の価値を掛け合わせ、横軸で考えて独自のキャラを作ることで市場価値を上げる。


この可能性は多いにあるのです。例えば、

・多変量解析を使いこなし、定量、定性双方のデータからペルソナとジャーニーを描けるデータドリブンなUXデザイナー

・顧客アンケートのローデータからクラスター分析などを行い有効な示唆に変える、ペルソナ仮説のためのデータサイエンスを付加価値として提供できるインターネット広告代理店の営業マン

・時系列データ解析を自ら行い広告の介入効果を推定し、定量的に把握する企業のマーケティング担当者または総合代理店のメディアプランナー

などです。例にあげたこれらのペルソナは実際にマーケターとして希少性の高い人です。

データサイエンティストとしては見習いレベルでも、データ分析のスキルと自らの強みと価値といくつか掛け合わせることで、横軸にスライドさせて希少性の高い独自のキャラを作ることができれば、縦軸の不毛な戦いを避け、市場価値や年収アップにつなげられるはずです。横軸にスライドし独自のキャラを作り市場価値を高めることが重要です。

そうした視点で自分の理想像を整理して描くことが出来れば、あとは簡単です。それに沿う形で必要なデータ分析のスキルを見定め学びに取り組むのみです。

マーケターに必要なデータ分析リテラシーを養うために

紹介するのは、拙書「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」です。

一章まで全文公開しています。

クラスター分析や数量化2類といった、マーケティングリサーチに使える多変量解析や、マーケティング施策の効果を定量的に把握する分析を演習で学べます。50万部を超える大ヒット書籍「統計学が最強の学問である」シリーズ著者の西内 啓氏より

「これからのマーケターは、グラフの見た目よりも『因果推論』に注意すべきである」という推薦コメントを頂きました。マーケティングの現場では、分析リテラシー不足だけでなく、意思決定のために必要な因果推論の分析デザインが浸透しておらず、間違えた効果把握による意思決定が横行しています。その状況を変えていくために、因果推論の基礎知識について書籍内で言及しています。

マーケティング施策の効果の定量化と予算配分を行う手法となるマーケティングミックスモデリングをExcelで高度な分析として実行するために独自にプログラムしたツールを付録としました。このプログラムと演習の開発に2年以上かかりました。高度な分析手法をExcelで学べる環境を作ったのです。

理想像を描き、データ分析を自らのキャリアに活かすと固く決意できたとしても、数式やプログラムコードが沢山書かれている様な専門書から学ぶのはハードルが高いと思います。そこで本書はマーケターの方が誰でも学べる様にExcelで手を動かし、データ分析を感覚的に理解しながら知識を身につけられる構成にしました。データ分析を自らのスキルアップや年収アップに活かしたい、そういう考えがある方はまずは「『いつでも転職できる』を武器にする」を読み、自分ならではの市場価値の作り方を整理してみることを推奨します。その上で拙書「Excelでできるデータ・ドリブンマーケティング」の演習にチャレンジしてみてください。分析の基礎リテラシーがつき、マーケティングのデータ活用事例やニュースから得られる学びや気づきが圧倒的に増えるはずです。

これからのマーケターに求められる本質的な戦略論について言及する次回作(ビジネス書)を執筆中です。そのヒントにするため、マーケティングサイエンスや雑感など、拙書の宣伝を兼ねて発信させて頂いております。宜しければフォロー頂きたく。

【note】
https://note.mu/ogataka

【Twitter】
https://twitter.com/dancehakase


※タイトル画像については私も大好きな超人気番組、水曜日のダウンダウンのタイトルコールを加工した方の動画素材を使用させて頂きました。https://www.youtube.com/watch?v=NlFjgVgI9O4


以上、ここまでお読み頂きありがとうございました。


追加情報(2023年12月23日更新)

マーケティング・アナリストとして、どんな価値を提供しているのか?紹介しております。



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