参院選控え、見せ場少なかった党首討論

本日の党首討論をテレビで見ていたので、所感をつづります。メモは取りましたが、録画録音はしていないので、各党首の発言は一言一句正確ではないことを含み置きください。

立憲民主党枝野代表

予想通り、老後に2000万円の金融資産が必要との試算を示した金融庁の報告書を巡って、政府批判を展開しました。麻生金融相が報告書を受け取らないとしたことに対し、「問題の本質を正面から受け止めていない」という指摘には説得力がありましたが、全体的には迫力に欠け、安倍首相を攻めあぐねた印象を受けました。

国民民主党の対案路線を意識したのか、世帯ごとの社会保障負担の合計に上限を設ける総合合算制度や、医療介護従事者の待遇改善を提案しましたが、上限をいくらに設定するのか、賃金をどのようにどの程度上げるのかという、具体的な数字が語られず、聞いていても今ひとつイメージが湧きませんでした。

終盤には、首相の挑発に乗るかたちで、安倍政権下での実質経済成長率の低さをあげつらう場面もあり、対決か対案かで揺れる党の方針を露呈したように見えました。

野党第1党として、衆院解散の有無に触れなかったのも、少し残念です。内閣不信任決議案の提出などを検討するのなら、党首討論で、直接「安倍内閣を信任することはできない。総辞職して衆院を解散しろ」と追及してもよかったのではないでしょうか。結果的に、後述の片山氏に見せ場を持っていかれました。

国民民主党玉木代表

15分弱の持ち時間で、質問3問、首相の答弁はわずか2回と、随分長距離のキャッチボールとなりましたが、パフォーマンスとしては上々でした。本日の党首討論で、私がいちばん面白かったのは、玉木氏が金融庁の報告書に自ら付箋をつけて首相に手渡した場面です。首相に「すでに読んでいる」と返された後、麻生氏に渡そうとしたのも、笑ってしまいました。

後半は、首相による長時間の答弁を警戒したのか、「政権の隠ぺい体質が将来への不安を増長し、消費を冷え込ませている」などと延々と持論を展開。やや不安を煽る嫌いはありましたが、「報告書持参」も含め、低支持率にあえぐ中、なんとか視聴者にインパクトを残そうという気迫は感じました。

共産党志位委員長

意外だったのは、志位氏による政権批判のトーンがそれほど強くなかったことです。枝野氏同様、「具体的に提案をしたい」と持ち出し、年金保険料負担が頭打ちとなる所得の基準を年収1000万円から2000万円に引き上げ、かつ高所得者への年金給付を抑制すれば、1兆円の財源が生まれるという提案をしました。ただ、2~3分で口頭だけで説明するにはややこしく、テレビで見ていてもあんまり頭に入って来ませんでした。首相からも「きちんと検証しなくてはいけない」とかわされ、相手にされませんでした。

参院選に向けて野党共闘を進める中、独自色を出し、かつ単なる批判勢力ではないということをアピールしたかったのかもしれませんが、議題が年金一辺倒になることが予想されたわけなので、防衛省の問題を追及して独自色を出した方がよかったのではないかという気がします。

日本維新の会片山共同代表

いつものことながら、独自の存在感を放ったのが片山氏。正面から「解散するのか」と聞き、首相に否定されても、「頭の片隅にはあるでしょ」と粘りました。衆参同日選挙の可能性が話題となっている中で、わずかな持ち時間で見せ場を作ったと思います。

金融庁の報告書にも触れましたが、ほとんど議論は深まらず時間切れに。ただ、5分弱の持ち時間ですから、これは織り込み済みでしょう。最後には、参院選での共闘と距離を置く立場から「野党も年金について批判ばかりではなく、提案をしなくてはいけない」と、他の野党を批判しましたが、本日の党首討論で年金に関する提案を述べなかったのは片山氏だけだったので、当然、野党側の席からこの日一番の野次が起きました。

安倍首相

金融庁の報告書で守勢に立たされましたが、野党側、特に枝野氏と志位氏が批判一辺倒ではなく、自らの提案を主張するのに時間を割いたこともあり、割と余裕があったように見えました。

報告書の中身については、相当準備をして臨んだのでしょうが、報告書を受け取らない理由が「年金生活者の生活実態は様々で、ミスリードになりかねないから」というのは、やはり納得ができません。

総論

全体としては、野党が攻めあぐね、見せ場の少ない党首討論だったという印象です。枝野氏は「都合の悪いことをなかったことにするのが問題だ」、玉木氏は「諮問しておいて受け取らないのではやっていられない」などと、当然、政府の姿勢を問題視しましたが、首相は論点をずらして、議論がかみ合わなかったので、片山氏のように「なぜ受け取らないのか」とシンプルに聞き続ける方が、首相は嫌だったかもしれません。

参院選前ということもあり、政権批判の受け皿になりつつ幅広く支持を広げたい立憲民主党、とにかく有権者に知ってもらいたくて必死な国民民主党、共闘による埋没を懸念する共産党、第3極を再び目指す日本維新の会、という各党の思惑が透けて見える党首討論となりました。

#COMEMO #NIKKEI

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春夏秋冬朝昼晩。フリーライター初心者です。

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小川かっぱ

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