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あゝ 甲子園!野球に全く関係ない切なさ。謎のサンリオおじさん。



センバツ準決勝を観に行った。
コロナ以来初の甲子園は 
やっぱりため息が出るほど美しく。

50女として、浴びていい許容量 二年分くらいの
ありえない量の紫外線を浴び続けたが

球児の躍動
スタンドの応援 吹奏楽の華やかさ
お客さんの 歓声に代わる大きな拍手。

何もかも
素晴らしい空間だった。


満喫した・・・・。
紫外線も・・・・・。



帰路に着く。
電車は
混んでる言うても それほどでもなく
客同士の間にも 余裕があった。


私が立っている
1メートルほど後方から

よく通る おじさんの声が聞こえてきた。


「やっぱりさぁ 
 ベトナムには大差で勝ってほしかたよね。
 あれじゃさ、イングランドやフランスには
 かないっこねぇよな。
 ボクもさぁ、
 カタール応援行くんだけどさぁ。」


ああ。こないだやってた
サッカーか。

みなが野球気分の中(多分)
おじさんは
スポーツ全般に意識高いねんな。


カタール行くのか。
富裕層か。
東京弁やしな。

ドレ。どんなおじさんかな
おじさん てか 紳士。ジェントルマンやな。


さりげなく
振り返る。





やべぇおじさんや・・・・。



目に飛び込んできたのは
おじさんのTシャツの背中のロゴ。



Hello Kitty Japan 2020



キティちゃんJapan??
インデックスとかで
あったのかな?

キティちゃんに
一番遠いところに住んでますので
うとくて
すんません!!

白地にキティちゃんのTシャツ。




ズボンは


キキ&ララ スウェット。



グレーの生地に
一面のキキとララ。

キキとララの
成人メンズサイズ スウェットが
どこに売ってるのか
教えてほしい。逆に。

今調べたら
キキとララは
リトルツインスターズ いうそうな。



左手に
エコバッグ


マイメロディ。


エコバッグを多用されているようで

右手もエコバッグ。


ケロケロケロッピー。



足元にも
クロックス的なサンダルに
もちろん
キティ。

裸足で。



なるほど・・・・。



このおじさん
無類のサンリオファンでいらっしゃるのか。
全身で語ってはる。
一貫してるぜ・・・。




森安Japanに対する
起用について
熱く語る
Hello kitty Japanおじさん。



そしてここからが
全く
謎なのだが


どうも周りで
「ほぉ〜〜〜」と感心しきりで聞いてる
数人の若者たちは

完全に
この電車で
このおじさんと初めて出逢った模様。

会話を聞いてると そうなのだ。


なぜ
この
個性的すぎるファッションのおじさんの話を
そんなに
感心できるのか・・・・。



というのも

このおじさんの話が
圧倒的に
シラフでは聞いておれんやろと思てしまう
決めてがあった。


キティのTシャツとサンダルも
マイメロのエコバッグも
キキララのスウェットもまだいい。

私が
なぜ ひと目で
「やベェ おじさんや」と思ってもたのか。



おじさんの帽子・・・・・。




アカチャンマンの
帽子やった・・・・・。




おい!!!!!!!!!!!

そこは
なんで
サンリオではなく
やなせたかし先生なんや!!!!!!!


しかも
アカチャンマンの柄だけではない。



正真正銘 
赤ちゃんの帽子やったのだ。



わかります?
あの小さい小さい 赤ちゃんの帽子を


おじさん
白髪頭の上に
無理やり乗っけて、
ナイトキャップ風。


カントリーマァムや・・・・。
ステラおばさんや・・・・・。


やたら
クッキーを焼く
アメリカのグランマや・・・・。



赤ちゃん帽を被ったおじさんの
しかも
今!電車の中で!出逢ったおじさんの話。


よく感心して聞けるな。チミたち!!!!


若者たちの
「へぇ〜〜〜 そうなんすか!」
濁りの無いキラキラした目を見て

肩を揺さぶりたくなったぜ。

やはり
「カタール行き」と
「東京弁」にやられてるのか。


ところが。


聞くでもなしに
おじさんのよく通る
バリトンヴォイス。


話は
バラエティにとみ

「どこそこの球団のスカウトが…」

「甲子園歴史館が新しくなったけど…」


ふむふむ
へえええ


なるほど!


つい
聞いてしまうのだ。


若者たちの
キラキラマナコが
だんだんわかってきた。


おじさんは
話の達人なのだ。

ゆるぎない
自信を持ってて

それゆえに。
話に説得力を増す。
押し出しの強さ。


好きなものを
自由に着てる
そのイデタチにも

自分を信じる姿勢が
だんだん感じられて


あー
私も
おじさんのマジックに
やられてる。

赤ちゃん帽かて
ユニークで
ええやん…。

にごりきったマナコで見て
ごめんよ
おじさん…涙




そうこうしてるうちに
尼崎に電車が近づく。


ここで
梅田方面に出るか
難波方面に出るか

乗り換えなのだが


ふと
若者の一人が

「僕、吹田なんですよねぇ。
 この後 みんなで一杯行こう思ってるんっス」


するとサンリオおじさん

「あ〜〜〜吹田ね。
 ボク 吹田めっっちゃ知ってるのよ。

 吹田のほとんどのキャバクラ 
 制覇してるからねぇ」


ワッと
歓声が上がり

「わ〜一緒にいきましょうよ!」


「ん〜〜。そうだなww
 あいつ、そうそう
 シズエなんて めちゃくちゃだったよなwwww
 (キャバ嬢の名前か?
 にしてはクラシックではないか?偏見やけど)

 ま。今日は
 九条で野暮用があってサw
 また誘ってよ」


尼崎で降りて行った。


私も
尼崎で降り
阪神なんば線へ。


乗り換えた電車も同じやったらしく


九条で降りる
サンリオおじさんをお見かけした。


その後ろ姿は
心なしか
肩がガックリ落ちてるようにも見え
「孤独」が見えたような。

おじさんは
聴衆がいてこその
おじさんなのだ。

お一人でトボトボ歩くお姿は

翼の折れたエンジェルやん…。




いとしさと切なさと
哀愁の
バクダンやった。



いや、あくまでも
勝手な想像。

寂しさとは
無縁の
無敵のサンリオおじさんかもしれない。



おじさんが
吹田のキャバクラで
思う存分はっちゃけられるような日が
早く
戻りますよう。




#甲子園
#全く関係ない
#阪神なんば線
#サンリオ
#哀愁
#切ない






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