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【基礎編】タンパク質のおはなし。 (最重要栄養素) #2

「からだのおはなし」に続き、今日は「タンパク質のおはなし」です。知れば知るほどタンパク質の働きに崇高ささえ感じるようになりました。今日はタンパク質の働きやプロテインの導入まで、実践している藤川徳美先生の栄養療法をもとにまとめました。

タンパク質とは。

20種類のアミノ酸がDNAの設計図情報をもとに合成されたもので、その数なんと約10万種類。DNAとタンパク質の内容はからだのおはなし第1話をご参照ください。

タンパク質のはたらき。

今日は少し詳しく、タンパク質のはたらきについて調べてみたいと思います。

◾️身体をつくるはたらき
骨や筋肉、皮膚、内臓など身体の材料にはタンパク質が使われています。例えばミオシンやアクチンというタンパク質は筋肉の繊維の材料。また、脊椎動物が骨によって身体を保っているように、細胞も形を保つために細胞骨格を持っていて、これもまたタンパク質でできています。

◾️代謝酵素としてのはたらき
物質を分解(異化)することでエネルギーを取り出したり、エネルギーを使って合成(同化)し必要な物質を作ったり、体内では絶えず代謝反応が起きています。その代謝を助ける酵素もタンパク質からできています。酵素がないと300年かかる化学反応が、酵素があればたった1秒でできてしまうそうです。

◾️運搬するはたらき
細胞分裂の際、染色体が移動するときにはモータータンパク質が活躍します。また、血中の酸素を運ぶヘモグロビンもタンパク質を材料としています。このように物質の運搬機能も持っています。ちなみにヘモグロビンは鉄とタンパク質の複合タンパク質で、タンパク質不足=鉄不足、ともいえるのです。

◾️情報伝達としてのはたらき
神経伝達物質や細胞増殖因子などの情報分子は情報伝達機能を担っています。記憶や感情、気分にかかわるノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン(3つまとめてモノアミン)などはそれぞれチロシン、フェニルアラニン、トリプトファンという必須アミノ酸からつくられています。近ごろはモノアミンの減少がうつ病の原因のひとつと考えられています。(アミノ酸はタンパク質を分解したもの)

◾️抗体としてのはたらき
抗体は免疫グロブリンというタンパク質。異物が体内に入るとその物質にある抗原と特異物に結合する抗体を作り、異物を排除するように働きます。

身体の構造を作ったり、さまざまな機能を果たしたり、タンパク質はすべての細胞活動を担っています。まさに超ハイテクなナノマシン。タンパク質が不足すると、古いアミノ酸が再利用され、お粗末なナノマシンが活動することに。また、タンパク質がDNAの設計図通りに作られなくなることが病気や老化の原因の一つと考えられているのです。

必要なタンパク質量について。

体内では1日に200〜300gのタンパク質が合成され、同じ量が分解され均衡を保っています。大部分は体内のDNAから作られていますが、それだけでは足りません。食事からの摂取推奨量は運動をしている人や妊婦さんで体重の2倍g。普通に生活している人で体重gと言われたり、ばっくり80gと言われたり様々です。部位により多少異なりますが、牛肉100gでタンパク質20g弱。体重50kgの人なら250〜300gのステーキを毎日食べると最低限の体重gはクリアできる計算ですが、なかなか難しそうです...。そこで登場するのがプロテイン。

=====タンパク質保有量=====
肉類(100gあたり)
牛バラ肉12.5g 牛ヒレ肉21.3g 豚バラ肉14.2g 豚ロース19.3g 鶏ムネ肉19.5g 鶏モモ肉16.2g 鶏ササミ23.0g
魚類(100gあたり)
サケ22.3g サバ20.7g アジ20.7g ブリ21.4g
その他
卵1個6g 納豆1パック7g 6pチーズ3.7g(1個)
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プロテインを飲もう。

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プロテイン=アスリートや筋肉をつけたい人のもの、というイメージでしたが、今や栄養を補う補助食品としてとても活躍してくれています。

◾️プロテインの種類
ざっくりと簡単にプロテインの種類についてまとめてみました。

ホエイプロテイン
牛乳から精製。乳脂肪分やカゼインを取り除いたもの。水溶性で吸収早い。
カゼインプロテイン
牛乳から精製。カゼインはチーズやヨーグルトを固める乳固形分が主成分。不溶性で固まりやすく、吸収ゆっくりで持続的に蓄えられる。
ソイプロテイン
大豆から精製。吸収がゆっくり。飲む際に水に溶けにくく少しダマになりやすい。

※実践している藤川理論では、体内で生成できない9種類の必須アミノ酸が全て含まれていて吸収の早いホエイプロテインが推奨されています。

◾️ホエイプロテインの製法
WPC
乳清をフィルターでろ過し、ろ過した液体を濃縮。乳糖が残るので胃腸の弱い人はゴロゴロする方もいます。乳糖にはビタミンやミネラルも入っています。タンパク質保有量約80%。お腹が弱くない方はビタミンなども摂れるのでこちらがおすすめです。

WPI
WPCからさらにタンパク質以外の成分除去したもの。乳糖の保有量が非常に低いためお腹にやさしい。タンパク質保有量約90%と高いので値段は若干高め。胃腸が弱い方はWPIがおすすめです。

WPH
微生物に含まれる酵素などを使いWPCをペプチド状態(アミノ酸が十数個から数十個つながった状態)に分離したもの。ホエイ含有率が約95%と高くなり、価格も高いものが多い。

◾️タンパク質摂取量について
食事から肉200g (タンパク質約40g)、プロテイン40g摂ると1日合計80gのタンパク質となります。糖質過剰は代謝に大量のビタミンが奪われてしまうため高タンパク、低糖質食事が前提です。
プロテイン量を計算する際、実際の質量とプロテイン量を混同してしまうことがあるので注意が必要。プロテイン20gに含まれるタンパク質量が80%の場合、摂取できるタンパク質量は16gとなります。

胃腸が弱い方は・・・
プロテインを飲むと、胃がムカムカしたり、胃痛、下痢などの症状が出る人もいます。藤川先生いわく消化酵素が十分働いておらず、重度のタンパク質不足といえる状況。調子が悪くなるから飲まない、ではなく、薄めてでも飲み続けることで胃腸が強くなります。実際わたしも飲み始めはWPIでもゴロゴロしたり便がゆるくなったりしていましたが、1ヶ月もすると気づけば症状は治まっていました。ただ、最初は味に慣れず、一度挫折しかけましたが3日もすると慣れました。慣れってすごいです!そして鉄やビタミンも摂ることで慢性胃腸炎やPMSが劇的に改善されたのです。

▼過去に試したプロテイン

ファインラボ ホエイプロテインピュアアイソレート プレーン(WPI)
整体の先生からおすすめいただいて初めて試したプロテイン。溶けやすく癖が少ないとのことですが初心者にはそれでも乳感が苦手でした。が、先の通り3日もすれば慣れて苦なく普通に飲めました。

nichie  ホエイプロテイン プレーン味 1kg(WPI)
ファインラボは1kg5000円程度と続けるには少し高いな...ということでWPIで1kg3000円代を発見。溶けやすさはファインラボと違和感なしでしたが、大豆由来の植物レシチンが添加されているせいかとても豆臭い。3日間飲み続けると気にならなくなり、今も愛飲しています。

ビーレジェンド プロテイン ナチュラル スプーン付き 1kg (WPC)
胃腸が強いため母が飲んでいるWPCのプロテイン。WPIに慣れていると、溶けにくくとても甘く感じました。糖質制限をしていることで余計に甘く感じるようになったと思います。ビーレジェンドのバナナ味は完全にバナナオレ、という感じで飲みやすかったです。

▼2020.5.7ホエイプロテイン4社比較レビュー追記
他にもいくつか試してみたのでプロテイン についての記事をまとめました。

さいごに。

なかなか普段の食事で推奨摂取量のタンパク質を摂るのは難しいと感じます。糖質を気持ち控えてても、主人のいないお昼ご飯なんてテキトーにお蕎麦とかチャーハンとかお茶漬けとか...何かと炭水化物になりがち。そんな時でも、プロテインがあればセーフ!と思えます。タンパク質が足りてくると、生理前の甘いもの欲がなくなったり、イライラがなくなったりと、まさに神栄養素、と実感しています。薬で症状を抑えるのではなくまずは質的栄養不足の改善から、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

コメントもお気軽にどうぞ^^

第3話はこちら。

<参考サイト>
NHK高校講座 基礎生物 第13回『DNAとタンパク質合成』
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/seibutsukiso/archive/resume013.html
グリコ「ホエイ、カゼイン、ソイってなに?プロテインの種類について」
http://cp.glico.jp/powerpro/protein-knowledge/entry08/
栄養成分早見表
https://www.mealtime.jp/mealtime_shop/pdf/look02.pdf
<参考文献>
伊藤明夫(2006)『はじめて出会う細胞の分子生物学』岩波書店


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