見出し画像

紅玉いづき「ミミズクと夜の王」


こんばんは。

今日は紅玉いづきさんの「ミミズクと夜の王」を読みました。
高校生のときに見つけて読んだライトノベル。
小説を読みたいと思ったときに、真っ先に思い浮かんだ本です。

人食い三部作として作られており、全部読んで全部感動したことを覚えています。萌えアニメ好きのオタク高校生をセンチメンタルにし、通学の車内で泣かせてしまう威力。
自分はどんな小説が好きなのか、今までわからないでいました。
なんとなく人が死んでばかりの話はあまり好きではないな。面白いとは思うけど、感動するものではないな。と思っていて、なんとなくミステリー系の話は好きじゃなかったんです。

じゃあ何がいいのか、と問われて、なんとなく石田衣良作品を答えていました。石田衣良先生の作品は好きなのは事実だったので、それでいいと思っていたのです。しかし、じゃあそれがなぜなのか、具体的に何が好きなのか、はわからない。言葉にできない。そんな状態で今まで生きてきました。

好きな小説を聞かれて、すぐに出てくる本はなかったです。ただ何となく、「紅玉いづきさんのあのシリーズめちゃくちゃ好きだったなぁ」ぐらい。
元々はライトノベルだし、あまりメジャーな書籍(パッと答えて伝わるかどうかの知名度という話)ではないこともあり、言葉に出すことはありませんでした。しかし、すでに初めて読んでから10年以上たった今も、その本の強烈な印象を覚えているのです。そんな本と出会えたことを心から嬉しく思います。

自分で小説を書こうとしたとき、自分に問うたのは「何がかきたいか。」
わかりませんでした。なんにも。なんとなく、自分の頭の中に広がる世界を、せりふ回しを、いろんな人に見てもらって、ほめてもらえたらそんなにうれしいことはない。そんな承認欲求しか僕にはなかったんです。

今回改めて読んで、この本は僕の好きが詰まっていることに気づいたのです。
悲運な少女の覚悟、強者たるものの覚悟、どんなに相手が強大で自分が弱小であっても貫く芯。
いつもへらへらと過ごしている自分が、どこかで手に入れたいと思っているそういう強い思いが、どんどんと僕の心を押してくる。そしてその芯を貫いた先のハッピーエンドに心から安堵する。

僕はハッピーエンドが見たいようです。そしてどちらかといえば、サスペンスよりは心の機微を表現したいのでしょう。
騎士道物語もたまらない。舞台は中世なのか、ファンタジーなのか。
はたして、現代で貫くべき芯とはなにか。

自分の書きたいものがほんの少し見えてきた気がしました。

そんなことを思いながらも、まだ3部作の1つ目を読んだばかり。
あと2つを。じっくり。高校生のときに読んだあのころと変わらぬ気持ちで。贅沢に。楽しみたいと思います。

本当に面白い小説ですので、みなさまもぜひ。
ではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?