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いろんな無駄が凝縮された休日を過ごした話。

無駄なものというのは、なるべく避けて生きていくべきだ。
無駄なものに時間やお金を割くのは賢い者の行いでは無いし、極論、それは人生を無駄にすることにつながる。

だから僕たちはいつも、無駄の無いように毎日を過ごしている。

かく言う僕もそんな人間の一人。
とにかく無駄なものは排除して生きていきたい。

そんなことを思いつつも、無駄なことばかりの休日を過ごしてしまった25歳男性の体験談を語ろう。


仕事終わり、ホテルに泊まってみる

さて、僕は金曜日は都内のオフィスに出社しなければならない。
面倒だと思いながら出社し、仕事に取り掛かっていると、まさかのトラブル発生。

昼を過ぎても、定時を過ぎてもその対処に追われ、なんとか落ち着いた時にはもうすでに22時。

今から帰ると家に着く頃には23:30くらいだろうか。

無駄が嫌いな僕は計算をしてみた。

土曜日、僕は再び都内に来る予定がある。
今帰っても、明日また都内に来るってことは、都内に出るまでの電車代が無駄ってことだ。

それに、電車に乗っている時間も非常に無駄だ。
なにより、疲れ過ぎて帰るのがダリィ。

そんなわけで、僕は近くのホテルを取ることにした。

朝食付きで4000円弱。
僕の往復交通費は2000円だから、実質2000円の損失だ。

そう考えれば安いものだ。


ホテルに着いた頃にはすでに23:00になっていた。

部屋の中は、うん、悪くない。

それほど広くはないが、運良くセミダブルにアップグレードされたのも良かった。

僕は風呂に入ったあと、プシュッとビールを開けてグラスに注ぐ。

ごくごく一般的なビジネスホテル利用者の夜の姿である。

そして、明日の予定を立ててみる。

朝食を7時ごろの食べて、
そのあとホテルで少し作業をして、
近所のカフェで本を読む。

そんな完璧な予定を立てているうちに眠気に襲われ、僕は眠りに着く。


計画を実行するって難しい。

僕は電話の音で目を覚ました。

僕の部屋の電話がけたたましく鳴っている。

受話器を取ると、相手はフロントだった。
眠い目を擦りながら話を聞くと、「延長はどうするか?」なんてことを聞いてくる。

何を言っているのかよく分からずに時計を見ると、時刻は11時過ぎ。

僕は察した。
盛大に寝坊をぶちかましたのだ。

結果、僕は楽しみにしていた朝食を食べられず、チェックアウトの延長料金を支払った。
圧倒的な無駄である。


上野を散策、のはずが?

僕はその足で上野に向かった。
カフェやらなんやらに行きたいと思ったのだ。

午前中を無駄にした以上、午後からは充実させなければならない。
それは、無駄にしてしまった貴重な時間への罪滅ぼしである。

僕は上野を散策する。
いくつもの通りを抜け、いくつものカフェを見て回った。

だが、どれも客でいっぱいなのである。
そこに入ろうものならば、席はあくまで数十分を無駄にすることうけあいだ。

僕は、ふと思う。
上野から少し離れたところに、「清澄白河」というおしゃれカフェの聖地がある。

ここまで来て変なカフェに行って無駄な時間を過ごすより、おしゃれカフェに行った方が良いじゃないか!
さらにいえば、せっかくの休日である。
電車で向かうよりも、自転車で風に吹かれた方が良いじゃないか!

そんな、圧倒的に無駄ではない時間の過ごし方を編み出した僕は、レンタサイクルを借りて、上野を爆走した。


しかし、世界は残酷だった。

そして汗だくになって清澄白河についた僕は思い知った。
鳥籠に囚われていた屈辱を。

そうだ、上野のカフェが客でいっぱいなら、清澄白河のカフェはもっといっぱいなのだ。

いくつものカフェを見て回ったが、そこに僕が入り込める隙間など微塵も無かった。

僕はそのまま清澄白河を何周もして、汗だくになった後、結局東京駅に向かい、電車で帰路に着くのだった。


無駄な時間の中にこそ、学びがあった(たぶん)

さて、非常に無駄な時間であったことは確かであるが、冒険心と好奇心に満ち溢れた1日であった。

決してこれは良い過ごし方とは言えないが、学びは多くあった。

・休日の都会は人でいっぱいである
・清澄白河のカフェはやはり人気である
・初夏にチャリに乗ると汗をかく
・ホテルに泊まった翌日はちゃんと起きた方が良い
・ビジネスホテルでの深酒はリスキーである
・ホテルの延長料金はめっちゃ無駄

こんなこと、実際に無駄なことに挑戦しなければ学ぶことすらできないのだ。

ぜひ、皆様におかれましても、圧倒的に無駄な要素を詰め込んだ休日を過ごしてみてはいかがだろうか?

なお、その日の夜に感じる虚無感と罪悪感については、当方は一切の責任を負いません。

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