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ポルノ問題における法と経済学?

ネットフリックスで公開された映画「カムガール」を視聴しました。
https://www.netflix.com/title/80177400

実在する「CAM4」のような、誰でも手軽にアカウントを作って始められるポルノ動画中継のプラットフォームを使って、人気配信者を目指す主人公が、謎の存在に自分のアカウントとアイデンティティーを乗っ取られていくというサイコスリラー作品です。

数年前にAV問題が取りざたされるようになった時、CAM4についても色々と調べてみたのですが、基本的には被写体が自分自身で配信をするというスタイルのため、強要や搾取の問題は起きにくい構造にはなっているかと思います。(トップ画像は「CAM4のオフィシャルロゴ)

しかし、見ていると、どうもマネージャーだかヒモだかが傍にいて、あれやれこれやれと管理・指示をしているとおぼしきアカウントもありました。

ユーチューバーと同じで、諸々の演出に手間がかかってくれば、スタッフも増え、製作費も増え、そうなればポルノスタジオと同じように、制作側と被写体側との利益相反が起きる状況というのも色々と増えてくる可能性はありそうです。

さて、このCAM4をあちこち眺めて気が付いたことの一つが、日本からの配信が圧倒的に少ないという事実です。

その理由を色々と考えたのですが、一つは英語力の問題(配信者と視聴者が世界中にいるCAM4では英語が共通語)、もう一つは刑法174条あるいは175条の問題かと思われます。性器をモザイクなしに中継したら犯罪になってしまう日本法の運用上、自分一人で気軽に配信することができないという壁があるわけです。

一方、海外では、CAM4のようなプラットフォームが一般化してきたことで、商業的なポルノスタジオの経営が難しくなってきたという話もあるようです。

つまり、猥褻罪によって被写体本人が一人でポルノ配信する途を閉ざすことで、結果として、日本のポルノ業者が手厚く保護されているという歪な状況が生じているわけで、「法と経済学」的な問題というものがここにもありそうだなと思うところです。

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