見出し画像

即戦力先発は存在するのか

秋といえばドラフトですね。気が付けば直前に迫っています。そして「〇〇は即戦力」だったり「先発不足のチームはねらい目」といったような言葉がこの時期のスポーツサイトを踊ります。
ロッテのように終盤、ブルペンデーを頻繁に行っていたチームのファンとしてはそういう言葉を鵜呑みにしてあの選手もこの選手も欲しい。1位で5人くらい指名したい気分になります。
ところで、即戦力とはどのレベルを指すのでしょうか。一度冷静に立ち返ってみます。
今回は文字通りの"即"戦力=1年目から活躍できる先発に絞ってみていきます。
過去のデータを見るとそのハードルが非常に高いことがわかります。
プロ野球データFreakにルーキーのみの成績がまとまっているため参照していきます。

https://baseball-data.com//stats/pitcher-all/ip3-6.htmlより引用  ルーキー - 全球団投球回ランキング2023年

まずは、2023年のデータを見てみます。
最長イニングは荘司の109.2イニングでした。ここには書かれていませんが19試合はすべて先発でした。平均して5.7回を投げており防御率3.36は即戦力としてはある程度貢献したといえる数字でしょう。
次に来るのが60.1イニングの吉村。4.33の防御率からは少し物足りなさを感じてしまいます。
では、2023年が特に不作だったのでしょうか。もう少しさかのぼってみることにします。

同上 2022年

2022年、ルーキーの最多イニングは81.2回の隅田。16の登板試合のうち2試合は救援でした。平均すると5イニングほど。防御率3.75は及第点といえるでしょう。1勝10敗が目につきますが、勝敗は完全な運であり実力を反映するものではないという意見もあります。ここでは深入りはせずに勝敗は参考程度にとどめておきます。
続く赤星は78イニングを投げていますが31の登板試合のうち18試合が救援だったことから即戦力先発としては適用外とします。

直近2年間を見てきて即戦力先発として1年間ローテを守るハードルの高さが浮き彫りになりました。そして平均5回以上、80イニング、防御率3.99以下が何となくの基準になるような気がします。
ここからは駆け足に数年まとめてこれをクリアした選手を抽出してみます。

2021年
伊藤大海 23試合 防御率2.90 10勝9敗 146回  平均6.3回
伊藤将司 23試合 防御率2.44 10勝7敗 140.1回  平均6回
早川隆久 24試合 防御率3.86 9勝7敗   137.2回  平均5.7回

2020年
森下暢仁 18試合 防御率1.91 10勝3敗 122.2回 平均6.7回

2019年
上茶谷大河 25試合 防御率3.96 7勝6敗 134回  平均5.3回
髙橋優貴     18試合 防御率3.19 5勝7敗 93回    平均5.1回

2018年
東克樹 試合 防御率2.45 11勝5敗 154回  平均6.4回

2021年は、豊作年と言われており3人が基準をクリアしています。ですがほかの年でも2人いればよい方で1人が基本です。
なんとなく5年間で調べましたがさらに遡ればまた違った傾向が見えてくるかもしれません。続きは君の目で確かめてくれ!

結論
即戦力、すなわち1年目から活躍できる選手は12球団に1人と考えた方がよい。
とはいえ、今年は大卒投手に有力選手が多いと言われています。2021年に、匹敵する当たり年となるかもしれません。

以上野球ファンの皆様の贔屓チームの戦力分析とドラフト指名予想の一助になれば幸いです。


この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?