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査定と1on1と目標設定はセットである

30人の壁に当たると、マネジメントの質を変えなければならないというのは何度も書いてきた通りですが、その最たるもののひとつに「査定」があります。今までなんとなくどんぶりで許されてきた査定もメンバーが増えるに従って説明する事を求められるようになるからです。

その査定について結論から書いてしまうと、以下のようになります。

査定は、納得感が全て。そして納得感は査定単体では成り立たず、目標設定と1on1がセットである。

これらの前提条件として、査定の基準作りがあります。査定の基準は正直に書いてしまうとなんでも良いです。重要なのは一貫性、そして、ハックを許さないと明言する事です。

ルールを作ると、必ず趣旨に反してハックしようとする人が現れます。そして、「ルールに照らして昇給せよ」とのたまう訳ですが、基本的にそういう行為を許す必要はありません。ですが、期末になって調整しようとすると必ず揉めるので、ルール発表時に明言する事が必要です。

「原則、ルールに照らして査定していきますが、ハックは許しません。主観も多分に入りますが、ご理解お願いします」という感じで。この明言によって揉めた事は一度もありません。

さて、査定に話を戻します。目標設定、1on1、査定をセットで考えると以下のようになります。

目標設定。その人のグレード、年俸に照らし合わせて今回の目標が「期待通り」なのか「物足りない」のか「チャレンジング」なのか必ず確認する。そして、「期待通り」「物足りない」目標の場合は期末の査定ではあまり昇給しない可能性が高いが良いか?を確認する。

目標設定がしっかりしていれば、査定は半分終わったも同然です。ちなみに、「物足りない」目標設定も私は時に許容しますがそれについては別のところで書きます。

1on1。査定の観点でいうと、1on1はミニ査定。今の調子で仕事をした場合に悪い査定になりそうであれば必ず伝える。もちろん、改善の為に何か助けられる事がないか?というのも確認したほうが良い。1on1の主な役割は期待値調整。ここでしっかり両者の認識をあわせる事で期末のズレを無くす。

つまり、目標設定時点、1on1の時点で、期末の査定でこうなる可能性が高い、という事をコンセンサスとして取るのです。評価のコンセンサスを取るには自己評価を聞くと良いと思います。メンバーの自己評価とあなたの評価にズレがあるのであれば、その補正をします。

ここまで読んでいただくと分かる通り、査定で気をつけるべきは、
「ネガティブサプライズを起こさない」という事です。

ネガティブサプライズとは、メンバーの自己評価が実際の評価よりも高い、
という事で、これを避ける為に期待値調整をしましょう、となります。

自分がうまく期待値調整ができているかを簡単にチェックする方法があります。それは査定の前にメンバーそれぞれについて「あなたの評価」と「その人がだしてくるであろう自己評価」を一覧化するのです。

そうして、「その人がだしてくるであろう自己評価」が全く検討はずれの場合、あなたは目標設定か1on1のどちらかに失敗しています。

ここまでで明らかな通り、もちろん査定面談でも厳しい査定が予想される場合もはっきりとメンバーに伝えるべきです。

ちなみに、反面教師に引用するのは気が引ける部分がありますが、例えば期待値調整に失敗しているケースをネットで見つけました

メンバーが昇給を期待していたが、MGRはステイを告げています。私がこのケースに直面したとしたら、期中の1on1でステイの可能性を告げ、それでも昇給を望むのであれば昇給につながるような新たな目標を設定したと思います。外から見てるだけですが。

というわけで、査定と1on1と目標設定はセットであるというお話でした。

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