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ゲームマーケットの市場分析

2019年5月25日(土)&26日(日)に、東京ビッグサイト青海展示棟にて、国内最大級のアナログゲームの祭典「ゲームマーケット」が開催されました!

私が所属するボードゲーム製作サークル「東京ゲームメイカーズ」も、もちろん出展しました。

公式発表では、25日(土)14,000人、26日(日)11,000人と、合計25,000人の来場者数だったそうです。
一方でメーカーや同人サークル等の出展側は、公式サイトのブース一覧で数えてみたところ、両日出展が290団体、土曜日のみが360団体、日曜日のみが255団体と、合計で905団体でした。

さて、同人ゲームの作り手側としては、自分達が作ったボードゲームがいくつ売れるのかが気になるところかと思います。
東京ゲームメイカーズでも、いつも議論になります。そして、結果的には沢山の方に購入いただき、同人サークルとしては決して悪くない数字だとは思いますが、大きな読み違いに終わってしまいました・・・><

そこで、改めて冷静になって市場分析をしてみたので、興味がある方には共有させていただきます!


≪ゲムマでボードゲームがいくつ売れるかを予測する≫

2日間の会期があり、両日出展するケースや、来場者も両日来場されるケースなどもあり、それらを考慮していくと複雑になってきてしまうので、今回は分かり易く初日における分析をご紹介します!(もちろん、この考え方で2日目だけだったり、両日の予測にも使えます)

1⃣【商品セグメントを設定】
まず対象となるボードゲームを、以下のようにセグメントしてみます。
・軽ゲー : 初心者でも楽しめる   30分程度 2,500円以下
・中量級 : 少しゲーム慣れしている 30~90分程度 3~4,000円程度
・重ゲー : ゲーム上級者向け    90分以上 5,000円以上

ちょっと乱暴ですが、いったんこのように定義してみました。

2⃣【来場者セグメントを設定】
次に上記セグメントのボードゲームをどの層が買うか、来場者を分けてみます。ここで2つのアプローチから購買可能層を予測して、ある程度の幅を算出してみます。

アプローチA)パレートの法則
よく2-8の法則とか、そこから派生して2-6-2の法則と呼ばれるものです。これをボードゲーム購買可能層に当てはめてみます。
上位2割が重ゲーまで購入する層、真ん中6割が中量級・・・としたいところですが、昨今のボードゲーム市場の急激な広がりによるライトユーザー層の高まりや、中級以上ゲーマーが作り手に移行している環境を考慮して、2-6-2を更に2-6-2で分けてみます。下記の図をご覧ください。

それぞれの層に来場者数14,000人を掛け合わせると下記のようになります。
ゲー :  560人
・中量級 : 3,920人
ゲー : 7,280人

アプローチB)イノベーター理論
マーケティングでよく聞くイノベーターやアーリーアダプターといった考え方です。下記の図をご覧ください。

こちらでも来場者数14,000人を掛け合わせると下記のようになります。
ゲー :  350人
・中量級 : 1,890人
ゲー : 9,520人

アプローチAとBとを合わせることで、何となく幅が掴めます。
ゲー :  350 ~ 560人
・中量級 : 1,890 ~ 3,920人
ゲー : 7,280 ~ 9,520

3⃣【購買可能数を設定】
一人あたりの購買可能数を想像してみます。Twitter等で戦利品をアップする層はボードゲームファンでしょうから、少なくとも中級以上の方かと思います。そういった方たちで10個位が平均値でしょうか。ちょっと幅が出てしまいますが2~4万円位で多くの方が収まるかと思います。もちろんトップクラスの方は10万円以上という方もいらっしゃいますが、平均値を見ています。
一方で軽ゲーを購買するライト層は1個から、多くても5個位まででしょうか。予算も5,000円程度だと思いますので、平均すると2個ほどになるのではないかと思います。

その限られた予算のなかで、1⃣に挙げた商品セグメント別に予算を当てこんでみました。下記の図をご覧ください。※エイヤーで出してますw

これを先ほどの3⃣の来場者数で掛け合わせてみると、ゲムマで購買される総数を算出することが出来ます。
ゲー :    350 ~  1,120個
・中量級 :   4,830 ~ 14,560個
ゲー : 16,240 ~ 63,840個


≪1団体当たりの平均販売個数を算出≫

多くの同人サークル(個人含む)の場合、新作が1個だと思いますので、その商品が上記1⃣商品セグメントのどれにあたるのかという視点で、出展側を分けてみます。この際もパレートの法則とイノベーター理論を活用してみます。
ゲー : 16 ~   26団体  ➔   10団体と設定
・中量級 : 87 ~ 104団体  ➔ 100団体と設定
ゲー : 残り        ➔ 540団体と設定

そうすると・・・各団体が平均でどれくらい販売出来るのかが出てきます。
・重ゲー : 1団体当たり平均 : 35~112個の販売
・中量級 : 1団体当たり平均 : 48~146個の販売
・軽ゲー : 1団体当たり平均 : 30~118個の販売

初出展の団体が30個売れたらいいほうと聞いたりしますが、なんとなく数字が合ってました^^;
また実際は商品セグメントの違いによって平均値は大きく変わらなかったのが意外でした。

ただ、これはあくまでも平均値になります。限られた市場を出展者同士で奪い合っていて、ヒット商品を出せばこの3~5倍ということもありますし、もっと上!ということもあります。

でも、最低これくらいの数字という心持ちで販売数を見立てると、少しは売れるか売れないかのドキドキな不安感を下げてくれるかもしれないですね!
(あくまでも私個人の勝手な算出による見立てですが。。。)

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