見出し画像

港区議会 海外修学旅行調査特別委員会 報告

さて、昨日は海外修学旅行調査特別委員会がありました。いつものように簡単な報告と委員のみなさんからのQなどを添えて。就学援助とかその他の検討状況についてとか。



就学援助

就学援助制度とは:
お子さまが安心して学習できるよう、経済的な理由で就学が困難な児童・生徒の保護者の方に、ご家庭の事情に応じて学用品費や給食費等の援助をする制度です。

就学援助のお知らせより


もちろん修学旅行費、修学旅行支度金も就学援助に含まれておるわけですから、行き先がこれまでの国内から海外になったとしたってそこは同様。ただ、海外になるということはまずはパスポート取得から始めることになり、「そうだ京都行こう」と国内移動とは訳が違う。


あれはいつのことだったでしょうか、9月の上旬の総務常任委員会だったかな。我々自民党さんが今までの慣例を破ってまで前代未聞の「資料要求をいたす!」と鼻息荒くフンガーフンガーしたのは。慣例破ったの自分だけれども。ほら、慣例は破るためにあるんじゃん?(注:良い意味で改善を目指しております)


資料要求で公立中学生の約2割が就学援助を受けている実態

今は特別委員会を立ち上げてそこで一元化して色々話しましょうとなってますが、ついこないだまでやんややってた総務常任委員会でも区民文教常任委員会でも、「パスポート費用とかどうすんだ」とか「負担が大きくなるからさらに辞退する子が増えてしまうのでは」とか、区のそういう無配慮と見えうることを指摘し続けてきましてね。


あれからどのくらい経ったでしょう。一番最初にそういうのがバーっと出たのが9月上旬。そして今12月下旬ですよ。3ヶ月もかかったわけです、修正に。就学援助額を上げることは自然の流れ、そして支給時期の前倒しも自然の流れ。だってパスポート取らなきゃいけないし、国内修学旅行なら不要だった費用が上積みになるわけだから。


それがつまりどういうことかというと、こんなひとつふたつの修正に3ヶ月も判断かかるわけだから、そもそも国内→海外修学旅行シフトすらやっぱり検討も何もされてなかったんでは??という疑念しかないわけです。やり方ね、やり方。


で、支給時期の結論としましては

これまで:中3の修学旅行実施学期末(要は実施後支給)
海外修学旅行:中2の2月末(要は事前支給)

パスポート取らされるわけだもの、前倒しは当然だと思います


で、支給額の変更の結論としましては

今の段階でこう変更になりました


例えばこういう質問が飛び交いました

Q: そもそも今の5,000円8,500円の支給額ってそもそも何に基づいて算定してんですかね、えっ30年近くそのまま的な考えが踏襲されてたりするんですか、今回22,000円にするけどこれは固定化するのかしら、今回シンガポールでパスポートというのがあるからこうなってるけども、行き先が変わらなくても為替は動くことは忘れずにね、保護者負担全体だってこれまでと同じでいくわけじゃないからね、そもそも保護者負担5万円だってものすごく検討されてこう落ち着いたってわけじゃないでしょ、外貨交換費用の1,000円は手数料なのかどうかわからんけどいくらくらい両替させる想定してるの、とにかくこれまでと同じで当たり前のようにいくわけじゃないことをご理解されてる?


などなど、委員会の中では常に厳しめの指摘といいますか、意見が飛び交います。そのための特別委員会なのでね、海外修学旅行に限っては。議員によっては「まだシンガポールに修学旅行に行かせてあげると完全決定したわけではない」という考えの人もいるくらいですから。行かせてあげたいけれども、改善も一向にされないこんなずさんな進め方はどうなの、と不安しか残らないと感じる人もひとりふたりではなく。


まぁそれはさておいて。そんな不安を払拭するための特別委員会です。色々確認して、より良い&適性な修正を目指していく所存です。


何にどれだけかかるんだろう


支度金とは

おや?と感じることがあるわけですよ。↑の積算内訳の「その他の支度金」という5,000円分なんですよね。もちろん「外貨交換用」というのも思うところがありますが、自分よくわからないので聞いてみた次第です。何に使われる類のものなのかと。


お水買ったり、班行動の交通費とか拝観料とか

ちょっと驚愕した事実

ここで2つ驚くことがありました。1つは飲食的なことに使われるいわゆるプライベート出費の費用を補填するためのものも支度金定義?、もう1つは修学旅行班行動の交通費は経費じゃないの?ということ。


正直なところ、今の自分は今の時代の修学旅行システムがよくわかりません。近年はこういうのがトレンドだとか、国内修学旅行自体が自分が行った頃とはおそらく全然違うだろうなというのは理解してるつもり。班行動も当時からあったけども、交通費と拝観料とかそういうの自腹システムだったっけ?と思い出せないのであります。


これまで修学旅行は国内であったし、公金が投入されていなかったわけだから費用は全部家庭負担。そういうことであれば、各家庭から徴収された上で生徒に逆支給して「そういうのに使う用ですよ」はわからないでもない。お財布は一つですから、徴収される大元の中での運用ですから。でもそれとこれとは別な感じがしないでもない。


いや、決してどうのこうのあるわけじゃありません。プライベートとそれ以外がごっちゃになってて適正じゃないから額を減らすべきだというとかそうのじゃないわけでして。むしろ支度金という定義が本来自分の想像していた「支度」するための支給が含まれるのであれば、就学援助受けているご家庭じゃなくても「支度」するための支給はあってもよいのでは?と思います。というか、それなら最初から費用負担額から考え直すべきでは?とも思うわけでありますが。就学援助をギリギリ受けられない家庭の費用負担をどうしても考えてしまうわけ。


みんながみんな「えー!5万円だけで連れてってくれるの!?」ってご家庭じゃないということを我々議員は念頭に置かないとと思うわけです。どんな家庭の子も連れてってあげたいというのが区のキモチと聞いてますので。間違ってますかね?



グループ班行動の交通費は経費ではなかろうか

これまで、当然のように国内修学旅行ではグループ学習班行動が推奨され、グループでどこ行くか何するかどうやって行くかなどを考えるのも事前学習。でもそういう交通費などの経費もある意味自腹と考えると、「拝観料が無料のところだけ行こう」「よその班よりお金かかるコースになりそうだけどちょっとヤダって言いにくいな…」「うちの学校はタクシー使って回るから他の学校より負担は高めなのかな」とか、そういう事を考えたことある人もいるんだろなって思うんです。


思うんだけれども、「普通に自分で負担するんだー」がスタンダードなやり方なら疑問には思わないのかもしれない。しれないけれども、これまでと同じ感覚・やり方で海外修学旅行が通用するのかとおばちゃん疑問に思ったわけですよ。


そう、色々考えて色々体験するのも教育・学習なのはわかるんだけれども、今のところの計画案で「4人程度のグループ、タブレットとWi-Fiルーター」だけを持たせ、大人同行せずに勉強のために好きなところに行ってらっしゃいになる予感しかないわけです。内容、何も決まってませんから(注:事業者企画も知らされてない中、シンガポールで何させるつもりなのか誰も知らない)。


これまでの国内修学旅行は全部家庭負担。今度のシンガポール海外修学旅行は公費が投入された上での家庭負担あり。グループ班活動で半分自由行動的な学習が今の時代のトレンドだというのであれば、そのそれぞれの交通費はせめて経費として考えるべきではないか、という考えを申し上げました。でもあまりにも自由がありすぎて学習や経験に繋がらない内容で、行く子たちに差が付くのはどうなのかなとも。


というような事を考えていると、前々から思ってることですが

「家庭負担ゼロにした国内修学旅行」の実現性

どれほど需要があるのかわかんないけど

行き先が海外より、自治体としては画期的な事業になったんじゃないかと思う次第です。わたくし、公立の義務教育は「可能な限り自己負担はかけないでいけないだろうか」と思っておりますので。私立のように学校のポリシーに賛同した上で合否判定があるわけでもないですからね。ただ、どの教育機関に通うことになっても、教育をご家庭でとても大事にされてるのはよくわかります。



海外修学旅行検討委員会

こういう委員会もあります。これは議会は直接の関連はなく、港区教育委員会と各学校の先生方で構成されている委員会で、実際に引率する先生方が何をどうしたらよいのか、不安・懸念事項とかをひとつひとつ解消していくために設けている会です。委員会開催後に毎回内容を報告してもらうことになってます。今回は2回目の報告、もちろん報告先は議会側の海外修学旅行特別委員会の方に。


年明け1月から保護者会を始めて説明をしていかなければいけないので誰が何をどう説明していくかとか、タブレットって生徒ひとりひとり全員が持ってくの?とか、事前学習って何したらいいのかとか、パスポート現地でどうすればいいのとか、特別支援級の生徒のことどうしようとか、学校側が対応しなければならないことがたくさんあるわけですよね。そういう不安をひとつずつ解決していくための会。


…早いところは半年後の6月からシンガポール修学旅行シーズンが始まるわけで、それが今(12月)の段階でまだこんなあれどうするこれどうするな状況なんだぜ…。そりゃあ「ずっと行き先海外で検討してました!」が通用するわけないでしょうと、改めて申し上げる。今後の政策立案ためにも。


そのご報告の中で、我々議会側からはこういう質問が飛びました。
Q: シンガポール大使館からはどういう協力がいただけそうなの?、TOKYO GLOBAL GATEWAYには行ってる?、保護者会のやり方をもっと詳しく、など。


↑ってのがありましてね、東京都の施設なのかなこれ。何年か前にナリモノ入り的な感じで「都会のオシャレな英語キャンプ村」のような謳い文句で颯爽とデビューした施設があります。


あれは何年前だろ。外部機関と連携した英語教育の向上をというトピックで質問をした際に、この施設の活用を積極的に〜なんて答弁をもらってたので、オープン後も普通に当たり前のように行ってると思ってたんですよ。


そしたら委員会内質疑で判明したのが、公立中10校のうち1校しか行ったことないみたいで。ちょっとびっくりしましてね。毎年でも全部の学年でも使い倒せばいいのにと。我々自民党委員からも、「もっと行くべきじゃね?」「学校任せではなく教育委員会として推奨するべきでは?」ともちろん意見を述べてあります。


事業者選定の状況

正直なところ、我々議会側としましては、その中でも特に自民党議員団としましては、事業実施事業者選定が状況が一番気になるところであります。


ほら、これまでの経緯があるわけですもの。そもそもの見積もりの取り方とか、どこで取ったとか、なんでそんなどんぶり勘定の内訳で教育委員会も財政も補正予算でOK出してんのかイミフとか、可能な限り多くの事業者さんに応募してもらってその中で子供達のためにも一番良い企画でやってもらいたいとか、願いがあるわけですもの。修学旅行が全部「事業者次第」ってのがまずもっていかがなもんか、というハテナはあれど。


結論といたしまして、事業者の選定が終了し、現在契約締結に向けて作業中とのこと。ただ、全部終了するまで公表は控えたい(注:なんかあったら困る)ということですので、それはそれで理解。改めて報告の場を受けることになります。


ただ、報告できる内容だけは委員会内で公式に教えてくださいというお願いをしてました。正副委員長からの要請ということでお願いをしてましてね、応募の状況だけ報告いただきました。

約90社に声がけ(9月10月くらいの委員会で答弁あった通り)
7社から問い合わせがあり、そのまま7社が応募

だそうです

よ、よかった…。我々一番心配していたのが、「最初に見積もり取った1社だけの応募」とかだったもんですから。最低でも2社…!頼むそれ以上…!と願っていたもんですから。この点だけは素直によかったです。


あとはどこが選ばれたかの報告を受けるのみ。もちろん選考の報告書から色々諸々、おそらく1月の特別委員会で知ることになると思います。

以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?