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芸名のマーケティング戦略

 前回、三角コーンをみると漫画家のやしろあずき先生を思い出すという話をしましたが、意識的にこの連想させるネーミングをした芸人さんのことを思い出しました。

 はい、トップ画像からおわかりの通り、厚切りジェイソンさんです。

「厚切り」という言葉、一般的な形容詞のようですが、ほとんど肉をのみ対象とした言葉です。もっともメジャーなのは厚切りベーコンでしょう。出てきたのは、いつぐらいからですかね。昭和の時代までは、スーパーで売られているベーコンはどれも薄切りだったような記憶があります。ハムといえば、おしゃれな生ハムじゃなく、ロースハムの時代です。厚切り=ゴージャスみたいなイメージで登場したんでしょう。

 で、厚切りジェイソンさんの芸名の由来ですが、①当時、厚木に住んでいたこと、②厚い胸板が自慢だったことに加えて、厚切りという単語を見る度に自分のことを思い出してもらおうとしたことも理由だそうです。おそらく、「厚切り」って単語に、「ホワイ!!??」とひっかかったんでしょうね。

 食品メーカーとしては推しワードの厚切り、しかし肉以外ではまだ広まっていない。連想させるには、メジャーすぎてもマイナーすぎてもダメという話は前回しましたが、厚切りの塩梅は、街中にあまねく存在していながら誰も気に留めていない三角コーンに近いかもしれません。

 なんにせよ、賢い人の芸名には戦略性があります。オリエンタルラジオは、自動車保険販売業を営む中田敦彦さんの父親が「良い車の名前にはラ行の文字が入っている(カローラ、クラウン、センチュリー、シルビア、プリウスも!)」という言葉、さらにはインターネットで検索したときに1件もなかったから決めたとか。オリエンタルもラジオも一般的な単語なので覚えやすく、組み合わせることでオリジナル感が出るというわけで、当時かなり感心しました。

 今や、「厚切り」でググると最初に出てきます。

 最後にどうでもいい話ですが、個人的には厚切りベーコンよりも薄切りベーコンをカリカリに焼いたやつが好きです。



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