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ドビュッシーのピアノ曲、弾くならこの4曲!中級者向け① 

ドビュッシーのピアノ曲には名曲がたくさんありますが、今回はピアノ中級者さんに向けて、弾きやすいピアノ曲を4曲ご紹介します。私なりの難易度の★もつけてみます。
ゆったりテンポの曲も多いので気軽に弾けるはずです。

夢 ★★

BGMとしてもおなじみ、ドビュッシーの初期の作品です。同じメロディが繰り返され、テンポもゆっくりで弾きやすい曲です。
まどろむような左手の伴奏にのせて、シンプルで美しいメロディが始まります。左手の音量が大きくなって右手のメロディを邪魔しないように私は弾いています。中盤で大きく盛り上がりますが、全体的に滑らかに弾けると曲の雰囲気が出せます。
不思議な雰囲気を感じさせる、非常に幻想的な曲です。夢の中を漂うような優しい音楽で、癒し効果も抜群です。


亜麻色の髪の乙女 ★★★

12曲からなる前奏曲集第1巻の中の1曲です。短く非常に簡潔な曲で、純粋さ、初々しさを感じさせます。
フラット記号が6つもあるため、黒鍵を多く弾きます。冒頭の右手だけが奏でる、2小節にも満たないシンプルなメロディは全て黒鍵のみです。面白い!
メロディが左右に細かく揺れ動くような、美しい名曲です。テンポもゆっくりで、技術的に難しい部分はありません。
音源を繰り返し聴いておけば、譜読みも楽にできるはずです。少女の髪が流れるような、滑らかな動きを音楽で表現することがコツです。
中間部で盛り上がりを見せたあとは、最初のメロディが再び現れ、徐々にひそやかになります。そして和音が空に昇っていき、消えるように曲は終わります。


月の光 ★★★

ベルガマスク組曲の第3曲目であり、ドビュッシーのピアノ曲の中でも最も親しまれている名曲中の名曲です。非常にしっとりとして流れるような曲ですが、テンポに緩急つけつつ、8分の9拍子を弾くように気をつけて弾いています。
冒頭の和音の重なりは、月の光を表すように澄んだ響きを意識して弾くのがおすすめです。優しさをもちながらも、芯のある美しい和音が鳴るように集中します。
中盤では、押し寄せる波のような、何かが吹き上げてくるような左手の細かい動きが続きます。
普段私たちが街中で見かける月ではなく、静寂に包まれた空間に月の光が降り注ぐ神秘的なイメージで、静かな夜にぴったりの曲です。


グラドゥス・アド・パルナッスム博士 ★★★

最後はマニアックな1曲です。「子どもの領分」の第1曲目のこの曲、ドビュッシーが溺愛した娘シュシュへの愛情が込められた曲です。指の訓練のための練習曲を弾く子どもが、途中で眠気に襲われ、最後はスピードアップしてかんしゃくを起こしたかのように乱暴に終わります。
右手が忙しく動き、左手は何度も右手をとび越します。ユーモアに満ちた個性的な作品です。
プロの演奏は速いのですが、ちょっとゆっくりテンポで小学生のお子さんがピアノ発表会でも弾く曲です。

ドビュッシーのピアノ曲を4つ紹介しました。ドビュッシーの名曲は他にもあるので、機会があればまた紹介します。


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