雑炊と差し入れ 名田島分教会 迫野航

はじめに

私は現在、岡山市に住みながら布教に歩かせていただいております。そのなかで出会った方を通して、みかぐらうたの不思議を感じた話をさせていただきます。

Wさんとの出会い

いつものように「陽気ぐらしの天理教の迫野です。何かお困りごとはございませんか?」と戸別訪問をしていたところ、「困っていることならあるよ」と返事があり、Wさんとの関係が始まります。それから買い物や整理整頓の手伝いなどいろんなことをさせて頂きました。
ある日、Wさんから「体調不良が続いており、しばらく何も食べていない」との連絡を受けました。しばらく食べてないから栄養のあるもので、食べやすいものを考えたとき、私の中では雑炊の一択でした。

雑炊に助けられた話

みなさんは体調不良で休んでいる方がいたら何を作りますか?
私は大学生時代、居酒屋でアルバイトをしていました。私が体調不良で休んだ時には、急な休みで迷惑をかけてしまったにも関わらず、営業おわりに雑炊を作って持って来ていただいたことがあります。その時に食べた雑炊がとてもおいしくて、嬉しくて、身も心も元気になったのをよく覚えています。なので、体調不良と聞いたら雑炊!と思ってしまいます。

まさかの返答

連絡を受けたときはにをいがけに歩いていたため、帰宅し食材の把握からです。その時には有難いことにたくさんの野菜、そしてお肉までありました。いつもの3日分ほどの食材を投入し、早く元気になってもらいたい、喜んでいただきたいなという思いで(サプライズの)雑炊を作ります。日はしっかり沈んでしまいましたが、自分の晩御飯は後回しでその方のお宅へ自転車で向かいました。
インターホンを押すと、出てきてくださり、「体調は大丈夫ですか?雑炊作ってきましたよ!あとこれ差し入れです」と渡そうとしたら、「病人食は嫌いだ」「私はわがままだから」と言って断られてしまいました。
私は喜んでいただけることしか考えていなかったので、とても衝撃を受けました。喜んでいただくどころか雑炊は受け取ってもらうことさえできなかったのです(差し入れはしっかり受け取っていただけました)。その時の気持ちというのは、受け取ってもらえない残念な思いやせっかく作って届けに来たのに受け取らないとかある!?という腹立ちなどで複雑でした。
何とも言えない気持ちのまま、せめておさづけだけでもと思い、おさづけを取り次がせていただきましたが、心のモヤモヤは晴れないまま帰路につきました。

Wさんの姿を通して学んだこと

自転車をこいでもこいでも心が晴れず、一体何をやっているんだろうか?と情けなく思っておりましたが、自転車をこぎながら「よろづよ八首」を歌ったら不思議とすこし心の靄が晴れていきました。みかぐら歌はすごいですね。
そうすると、心の整理がついてきて、私は体調不良時に雑炊は嬉しいが、そうでない人もいるんだと、当たり前なんですが、学びました。またWさんは、ただ正直な思いを言ってくれただけなんですが、その時に「正直者だから」ではなく「我儘だから」と自分を落として言っている姿は凄いなと感じました。

皆さんへのオススメ

いろんな人や出来事を通して、心が悶々とし、たくさんのことを学ばせていただいてます。
今回はみかぐらうらを通して、なんとか「たんのう」ができたというお話です。
かぐらは漢字にすると、「神」「楽(しむ)」ですね。
心が晴れないときは、みかぐら歌をうたってみるのもおすすめです。

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