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実は肉料理文化に優れている墨田区一帯で、圧倒的なCPを誇る名とんかつ店(いちかつ/両国/とんかつ)

あまり知られていない事なのかもしれないが、両国をはじめ墨田区一帯は、何故か肉料理に恵まれている。地理的には海が近いのだから魚文化の街なのかと思いきや、圧倒的に肉・肉・肉。

『いきなりステーキ』『ペッパーランチ』のペッパーフードサービスの発祥地が墨田区だという事実が全てを物語っているようだが、焼肉やもつ焼きだけではなく、ジンギスカンからステーキから、とにかく肉料理メインの店が目立っているのだ。

特にステーキに関しては、普通の街ならば『いきなりステーキ』や『ビリーザキッド』のような大衆ステーキのチェーン店が1~2軒あるだけというのがごく平均的と思われる。
ところが、両国一帯にはそこ1軒しかない個人経営のステーキ屋や、ごく小規模にチェーン展開しているステーキ店などが集中しており、駅周辺に限っても数店舗が今日も元気に営業中。
これだけ近くにステーキ屋ばかりあったら、客の奪い合いになってもおかしくないのに、今生き残っているお店はどこも客入り上々で頑張って営業を続けている。

今回ご紹介するのは、そんな肉文化の街・両国で、最も人気を集めているお肉料理のお店である。
写真を見て分かる通り、何の変哲もないトンカツ屋だ。


この店の最大のウリはこれ。見てくださいこの冗談みたいな価格設定。そしてこの料金でいったいどんなトンカツが出て来るのかというと……


とても立派なロースかつ定食(690円)であり、単品価格ではないという驚き。ご飯に漬物にシジミ汁、それに山盛りキャベツと、値段から想像すると驚くであろうサイズのロースかつ。

写真を見るだけで伝わると思うが、カツにはしっかりとした厚みがあり、カリっとクリスピーに揚がっている。
お肉は柔らかく、ちゃんとジューシーな仕上がりで、値段を考えずとも「おいしい!」と思えるクオリティだ。
これを690円で出しちゃうのはやり過ぎなんじゃないかと不安になる。

この店のすぐ近くには、しょっちゅうメディアに取り上げられている、ちょっとお高い(といってもトンカツとしては当たり前の価格)超有名トンカツ屋があるのだが、人気という面ではこちらのお店も全然負けていない。
そちらはハレの日用、こちらは日常使いと、用途とご予算に応じて使い分けられるのである。
例えるなら、いちかつは最近店を閉めて大勢の人間に大ショックを与えたいもや(神保町)と、方向性もCPの良さもほぼ同じ。

また、両国駅の総武線の高架下にあるため、改札を出て徒歩3秒という好立地。ただし、その立地の良さが災いしてか、大人気店なのでピークタイムにはそれなりに待つ事になる。それだけは予め覚悟しておこう。(その代わり回転も速い)

[店名] いちかつ
[住所] 東京都墨田区横網1-3-4
[TEL] 03-5625-4615
[営業時間] 11:00~15:00 17:00~21:30
[定休日] 年末年始以外は無休


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