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錦糸町とスカイツリーの中間地点に隠れている肉の名店(まるい/業平/もつ焼き・肉料理)

過去に何度も何度も「墨田区は肉食文化だ」と言い続けているが、今回ご紹介するお店も「これがその証拠だ!」と胸を張って言える名店中の名店。

場所は錦糸町とスカイツリーの中間地点で、住所的には墨田区業平。錦糸町駅から行く方が遠いのだが、目印が分かりやすい。錦糸町駅北口のバスロータリーの目の前の路地を入ってひたすらスカイツリー目指して直進するだけ。
逆にスカイツリー側から来る場合は目印に困る。仁成堂という漢方屋を背にして、浅草通りを渡った目の前の路地を直進した左手。

基本的に道は定規で引いたようにビシっとした1本道なので、スマホの地図を片手に頑張って辿り着いて欲しい。

で、店に入る前にもうひとつ注意点が。
この店は昔からの人気店で常にすし詰め状態なのだが、家族経営で手が足りておらず、例え電話をかけても出てくれないとか、電話予約に成功しても並ばないと入れないなど、客の方が店に気を遣わないといけない。

よって、もし行くならば、そういう部分を含めて楽しめるように心構えをしておくこと。それが嫌ならば近寄らないこと。

で、席に着いたらまずは適当なお酒と煮込みでも頼んでおこう。注文した料理が中々出て来ないのが当たり前の店なので、こうしたスピードメニューがとても大事。
ちなみに、この店の煮込みは他の料理との味のバランスを考えているのか、超薄味である。こってり系の煮込みじゃないと嫌だというひとは頼まない方がいいと思う。(名物の軟骨のホイル焼きも同様)

で、なんでこの店は料理が出て来るまでに時間がかかるのかというと、一言で説明するならば 「焼き場が超狭い」 のである。
普通ならば問題なく注文を回せるくらいのスペースはあるのだけれど、なんせこの店は度を越した超繁盛店で、焼き物の注文量が常にキャパオーバーしているのである。
押したら倒れそうなボロボロかつ手狭なお店なのでどうにもならず、客は頑張っている焼き場のお父さんを心の中で応援しながら気長に待つしかない。

そういう事情があるので、煮込みなどのスピードメニューの他に、刺身系をいくつか頼んでおくといいよ。
ガツ刺し、馬刺しなど、どれも良心的な量が盛られてくるので、これでだいぶ間が持つはず。(ちなみに当然ですが味は抜群です)

焼き物は焼き場に制限があるため、早め早めの注文をしておくべし。何を頼んでもハズレはないのだけれど、個人的に大好きなのはテッポウのタレ焼きかなあ。
1席に1つずつメニューが用意されているような店ではないので、手元にメニューがない場合は壁に貼られた手書きメニューをガン見する事になると思うのだが、残念ながら壁メニューは長年の煙ですすけて読めず!
とことんユーザビリティからかけ離れた店なのだが、何故か憎めない。

そんな状況に陥って困ったと感じたら、即座に店のお父ちゃんに相談しよう。恥ずかしがらずに「初めてなのでオススメ聞いていいですか?」なんて一言でも発しようものなら、実はお喋り好きのお父ちゃんの相手を延々とさせられるぞ。(ただしこれが一番間違いなくウマイもんが食える)

この店の面白いところは、単なるもつ焼きの店ではなく、牛・豚・鶏・馬と肉全般を扱っており、そのどれもが抜群に旨いという点である。
また料理も和洋色々と揃っており、写真のように大量のアボカドの乗ったステーキ(1人前850円で最高にうめえ)など意外な物も隠れている。

絶対にせっかちなひとには向かない店だが、店の状況を見ながらのんびり楽しめるひとならば、ぜひ試してみて欲しい。
こんだけああだこうだ欠点をあげつらっておきながら、私の最終的なジャッジは「文句ナシの名店」なのだから、まあそういう事である。

ちなみに、この店のすぐ近くに私が「都内一かも!」と愛してやまない大黒湯という銭湯がある。こちらは大露天や高濃度炭酸泉など取り揃えてありながら通常の銭湯料金で、なおかつオールナイトで午前10時まで営業しているという神様仏様のような場所なので、ぜひセットでどうぞ。
もうひとつ余計な事を言うと、大黒湯のこれまたすぐ近くにはmiyataというブリュワリーがあり、自家醸造のビールを立ち飲みできる。
この一帯は本当にやべえ街だ。

[店名] まるい
[住所] 東京都墨田区業平3-1-1
[TEL] 03-3624-0205
[営業時間] 17:00~22:00(土のみ16:00~)
[定休日] 日曜

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