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川崎駅前を徘徊中に見付けた明らかに地元民に愛されてそうな街中華(天龍 銀座街店/川崎/中華)

近頃お仕事の都合で月に何度か川崎へ行っている。
だが、川崎はこれまであまり馴染みが無かった土地で、隣駅の鶴見に荒井家の墓があるものの、川崎で遊ぶとか飲み食いする機会など全く無かった。たまに金山神社に ”かなまら祭り” を見に来るくらいしか、川崎を訪れる事などなかったのである。

そんな訳で「新しい土地では街中華を探すべし」というジャイアント馬場さんの言葉通り(本当にそれらしい事を言っていた)、まずは川崎駅周辺の街中華を開拓してやろうと思い立った次第である。

本音を言うと「せっかく川崎なんだからニュータンタンメン食べたいな」と思って店を調べたのだが、どこも川崎駅からはえらい遠いでやんの。まるで結界みたいに遠巻きに川崎駅を囲っているのだ。なんでだよ、川崎発祥のご当地ソウルフードみたいなもんなんでしょ?

ちくしょう、そんなだったら蒲田で食うわ!

と、ふてくされながら駅前のアーケード街をほっつき歩いていると、アーケードとアーケードの切れ目の地点に超気になるお店を発見。
ランチタイムをちょっと過ぎた辺りなのに、店内は 「川崎歴長そうなオッチャン達」でごった返していた。みんな当たり前のように酒を呑んでいたのもポイント高い。

が、ここでちょっと迷う。
角にある天龍というお店のすぐ隣に、これまた ”天龍” と名の付く中華屋が色々あったのだ。

……なんぞこれ?
どこに入ればいいんだ?
いったいどこの天龍で天龍っぷりを味わうのが天龍的に正解なんだ!?

「迷った時には一番人が多い店に入る」という飲食店発掘のお約束に従って、やはり最も賑わっていた角の天龍に入店。
私は初見の店では半ちゃんラーメンを頼むと決めているのだが、メニューとにらめっこしてみたところそういったセットメニューはない。
念のため店員さんに「半ちゃんラーメンみたいなのある?」と聞いてみたところ「ありません」とつれないお返事。

そうかいそうかい、お前がそういう手段に出るんだったらこっちにも考えがあんぞコラ。

両方一人前ずつ頼んでやるわボケ!(普通に上客)

お味の方はと言いますと、まあぶっちゃけアレだよね、変な時間にオッチャンで満席な店が外れる訳がないよね。
まずチャーハンは普通の街中華味よりも、さらに「悪い獣の臭いのする油」で炒められており、塩気はそこまでじゃないのに悪い味がしてレンゲが止まらない。ごくごく飲んじゃう。なんじゃこの普通のラードよりもさらに一味よろしくない風味は。

チャーハンも充分に合格点なのだが、特筆すべきはラーメンの方である。

スープはよくあるタイプの醤油スープで、具もチャーシュー・メンマなどごく普通。しかし味の決まり方がバッチリで、細めのちぢれ麺は固めに茹でられていてポッキリ食感。
あまりに食べていて気持ちがよく、ズルズルズルっと一気食いしてしまった。これで450円というのは素晴らしい。

「大衆食ラーメンたるものこうあるべし」という、見事な1杯でございました。

[店名] 天龍 銀座街店
[住所] 神奈川県川崎市川崎区砂子1-1-1
[TEL] 044-200-9061
[営業時間] 11:00~26:00
[定休日] 無休


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