渋谷ハロウィン問題ってこういう事だろ?

目次
『そもそもハロウィン広めようとしたの誰よ?』
『ハロウィンを捻じ曲げるマスコミ&企業』
『なんで "ええじゃないか" に寄っちまうんだ』
『日本式ハロウィンが暴走するまでの超簡易版フロー』


先月末のハロウィンの際に、渋谷で暴動めいた騒ぎが起こったと問題になっている。
やれ車がひっくり返されただの、ゴミを散らかすヤツばかりでどうのこうのと、さもハロウィンに乗っかった若者(※報道を見る限り暴走する若者問題として片付けられている気がする)がバカだと言わんばかりの報じられ方をされていた。

しかし、このハロウィン問題って "そういう事" で納得してしまっていいのだろうか。

『そもそもハロウィン広めようとしたの誰よ?』
ハロウィンとは、そもそもはスコットランドやアイルランドの辺りで行われていたケルト人の宗教儀式で、それがキリスト教に吸収され、今ではアメリカのお祭りというイメージが強い。
それが日本に定着したのはごく最近で、昭和50年生まれの私など、ハロウィンと聞いても全くピンと来ず「女神転生に出て来るジャックランタンが何か関係しているらしい」程度の知識しか無かった。
ところが、アメリカにホームステイ経験のある女房はハロウィンを当たり前のように知っていたので、アメリカ文化にどれだけ触れたかで、ハロウィンに対する知識量や身近さが変わるのだろう。

ところが、ふと気が付いたら日本でもハロウィンが毎年のように行われるようになっていた。それも 「オトナのコスプレ大会」 として。
いったい、いつから日本ではオトナがコスプレして練り歩く事をハロウィンと称するようになったのだろう。

色々と過去に遡ってみると、東京ディズニーランドやUSJが、2000年前後にハロウィンイベントを開催したという記録が出て来た。
それ以前の7~80年代にも【ハロウィン・カボチャ・パレード】といったキーワードが揃ったイベントの記録はあるのだが、その時代には在日アメリカ人や、そもそもハロウィンを知っているアメリカ文化に親しみのある日本人といった、限られた属性の人間向けだったようだ。
したがって、広く日本人を対象としたハロウィンイベントとしては、おそらくディズニーランドやUSJが(実質的に)初出と見ていいだろう。


『ハロウィンを捻じ曲げるマスコミ&企業』
このように、日本では宗教儀式としての側面が全くなく、単なるイベントとして始まった(というか名前が売れた)ため、現在に至る「単にコスプレして騒げばいいんでしょう」的な、インチキなハロウィンが広まってしまったと推測できる。
言ってみれば今回の渋谷の騒動は、外国人が「あれいいじゃん」と神輿だけ自分の国に持ち込んで、見よう見まねで暴れて「怪我人・死人が出た!」と騒いでいるようなものだ。

また、恵方巻などと非常に似ているのだが、この手の「新しいムーブメント」を無理やり定着させて商売の道具を増やしたい大企業と、そういった広告主に逆らえないマスコミとのチームプレイにより、「新たなシノギとしてのハロウィン」が伝え広められたという面も無視できない。
そういう輩は、ハロウィンとはなんぞやという部分よりも「どれだけ効率よく金にするか」しか重視しないため、どんどん根っこの部分が忘れ去られて行く。

例えば、アメリカ等ではハロウィンの主役はオバケの格好をした小さな子供達で、この子達が「トリックorトリート(お菓子くれないとイタズラすんぞ)」と言って回るというのがメインイベントのはず。
ところが、日本では渋谷の件もそうだが「ハロウィンだから」でオトナがコスプレして乱痴気騒ぎをする日という事になってしまっている。
子供向けのイベントもあるにはあるが、悪目立ちするのはどうしたって恥知らずなオトナ達なので、そちらがメインと勘違いされてしまうのだ。
しかも宗教儀式としての意味合いなどハナから無いため、コスプレに魔除けの意味合いなどなく、全くテーマのないコスプレ大会と化している。

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