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年中無休24時間営業300円均一……情報量の多すぎる中華屋(300宴商人 錦糸町店/錦糸町/中華)

近頃、色々あって完全に昼夜が逆転してしまい、夜中にひとりで銭湯に行く機会が増えた。
女房子供が寝静まってから書き物仕事をするのだが、作業が一段落する4~5時辺りに無性に広いお風呂に浸かりたくなってしまうのである。
多分ストレスとかそういうのが要因。

で、いきなり話が飛ぶが、ここは朝5時前後の錦糸町駅付近。北口のバーガーキングの脇の道なのだが、この道路は目の前にスカイツリーが見えるちょっとした名所になっている。
普段はそれなりに人通りも車の通りもあるのだが、流石に朝5時ともなるとほぼ無人。

で、先ほどの道をすっ飛ばして約数分、春日通りまで出て、右に曲がって、四ツ目通りの1本手前を左に曲がって住宅街の中へ。
すると、朝の10時まで夜通し営業している墨田区が誇るスーパー癒しスポット『大黒湯』に到着。

この大黒湯でスカイツリー間近の銭湯とは思えぬ大露天風呂や、ぬる湯で最高に気持ちいい高濃度炭酸泉(※2つは男女で日替わり)などぐったりと楽しむ。

銭湯で充分に汗を流した後は水分補給をせねばならないのだが、まだまだ新聞配達員以外が目に入らない時間であるため、アテクシのような立派なオトナのための給水所など空いている訳もなく……

と思ったら、錦糸町駅のすぐ近く(楽天地の裏)に妙な店を見付けた!
なんでも、24時間営業で、年中無休で、料理も酒も300円均一なんだとか。
この手の情報量の多い店はだいたいが地雷と相場は決まっているのだが、銭湯帰りの朝6時台という状況を考えると他に選択肢はなさそう。

うわー、デザートから酒から〆メニューまで、本当に300円って書いてある~。ちょっと引くわぁ~。尻ごみするわぁ~。

いきなり手の込んだ料理を頼むのはあまりに怖かったので、まずは豆腐に辛いタレがかけられた ”よだれ豆腐” から攻めてみた。
そしたら豆腐一丁丸々の予想以上に巨大な物が出て来てしまい、さだお名人ファーストオーダーでいきなり追い込まれる。

おそるおそる一口食べてみると、チープはチープなんだけれども、味自体は思っていたよりも悪くない。「本格派!」といったレベルからは程遠いけれど、適当なツマミで安酒を煽りたいだけならば充分に我慢できる。

ちなみに最初の一杯は生ビールを選んだのだが、ちゃんと普通サイズのジョッキだったので一安心。これならば戦えるかも。

だが2番目に届いた油淋鶏でさっそく話がおかしくなる。
これは鶏肉に衣をつけて揚げたものを細切りにして、適当な刻み野菜の上に乗せ、サラダドレッシング的な何かをかけただけであり、これを油淋鶏と呼んでしまうのはいかがなものか。

と言おうとしたんだけど「市販のサラダドレッシング?」的な無難な甘酸っぱい系の味だからこそ、余計な事をしていなくてストレスなく食べ進められる。ちゃんと「お酒のアテになる」という仕事はこなせてるんだよなあ。

そもそも、肉が臭いとか、野菜がヘタレてるとか、そういう「悪い中華屋あるある」の要素があれば堂々と否定できるんだけど、この店は今のところそうした減点材料が特にない。

300円均一だから明瞭会計で、味はそこそこだけど決して食べられないほどマズイ訳じゃなく、何だかんだ気分よく安酒を流し込めている。

やばい、評価難し過ぎだ!

餃子もちゃんと餡が詰まっていて、パリっと焼いてくれている。
悪くない、悪くないんだよなあ。
食べ応えもあるし、値段と状況を考えたら文句ナシなんだよなあ。

この日、最後に頼んだのは安定の〆物件・五目焼きそば様。
焼きそばは日本スタイルのソース・あんかけ・五目とあるのだが、どうも初見の選択としては大正解だったっぽい。
ちょっと油っぽいかなとも思ったが、この日頼んだ中では最も口に合った。

炒飯やラーメン系を頼んで外すとダメージが大きいので、安全策で焼きそばにしたのが功を奏した。

という訳で、今回は私ひとりしかいなかったので、これくらいの注文が限界だったのだが、早朝で、銭湯後で、とにかく ”水分補給” したいという難易度の高い条件設定を見事にクリアしてくれた事を評価したい。

値段が値段なので料理の味はそこそこだが、食えないほどの地雷は無さそうなので、もう一回くらい行ってみようかなという気になった。

大黒湯がある限り、私の中でこの店の需要が無くなる事はないと思う。

[店名] 300宴商人 錦糸町店
[住所] 東京都墨田区江東橋4-28-3
[TEL] 03-5600-3080
[営業時間] 24時間営業
[定休日] 無休
公式サイト https://300ensyounin.owst.jp/


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