見出し画像

全くノーマークだった店が庶民の味方の洋定食屋だった件(キッチンセブン/浅草橋/洋定食)

皆さんは飲食店をパっと見で 「どうせ〇〇だろ」 と判断してしまった事はないだろうか。私はしょっちゅうある。

食い意地が張り過ぎているのか、一回一回の食事で常に当たりを引きたいと考えてしまうため、パっと見てマイナスイメージを持った店は優先順位が急降下してしまうのである。

今回ご紹介する浅草橋駅からすぐのこのお店も、まさにそういう理由で長いことスルーし続けていたお店だった。

この店は、池袋・大塚・本郷など、私がそもそも得意としていた街に狙いすましたかのように展開しており、あまりに見慣れ過ぎていたというのもある。
また、この店と外観のよく似た洋定食屋がとんでもない地雷店で、そのイメージを引きずってしまっていたという理由もある。

そんな事情から、両国に引っ越してから5年近く経つのに、今に至るまで一度も入店せずにいたのだ。

だが、ある時ひとりランチ場所を求めて浅草橋を彷徨っていた際に酔狂スイッチが入り、「どうせひとりなんだし入ってみるか」となったのである。

店に入るなり、券売機のあまりのメニュー数に心を折られそうになる。
写真はテーブルのメニュー表だが、券売機のメニュー数(ボタン数)はこれよりも多かった。

基本は 【ハンバーグ+α】という組み合わせなのだが、コロッケだカツだチキンだ生姜焼きだステーキだカレーだ、ハンバーグもデミなのか和風なのかと選択肢が妙に多く、おまけに日替わりのサービスランチなども色々と。

券売機にボタンが3~40個もあるのってとても困るんだけど。後ろに人が並んでると、焦ってオ〇ンチンがヒュってなるんだけど……。

それにしても、一番安い定食(デミたまハンバーグ+ライス+スープ)が490円で、日替わりのお得セットみたいなのも500円程度でほぼワンコイン。3品くらいのミックスグリル的なメニューでも600円台という破格のお値段。

これで味がそこそこだったら評価うなぎのぼりだなあ。
ただメニューが多過ぎて券売機がひたすら使いにくいなあ。

注文した料理が届くまで、心を落ち着かせるためにテーブルの上をチェック。調味料は塩・胡椒・醤油・ソース・ドレッシング・マヨと、一通り揃えてくれている。
こういう「勝手に味付けて食えよ」って方針はいいよねえ。

それと、追加トッピング類は100円前後で、ライスおかわり50円と2桁刻みなのも気に入った。
また、お酒メニューも安酒場のような価格設定で、この店のお勉強価格なら、洋食メニューの居酒屋として登板機会を作るのもアリか?

「折角だから、一番高そうなの選んじゃお」と、深く考えずに「ハンバーグ&タルタルチキンカツ定食」を頼んでみた。650円とこの店の中ではお大尽だが、一目で分かるガッツリ系の量である。
ライスも中々の盛りで、この時点で貧乏性のオレ様の中では「合格!合格!」とファンファーレが鳴り響いていた。

が、量を見ただけで喜んでいたらイナカモンだと思われてしまうので、「さて、お味の方はいかがかな?」と、努めて冷静を装ってひとくち。

充分にうめえ……。
これ600円だったら何の文句もないって……。

看板メニューのハンバーグはホワっと柔らかいタイプで、そこまでお肉がギュ~~っという感じではない。
が、この店の特徴かもしれないがソースが中々に悪い味で、お米の消費速度を加速させる。

また、タルタルチキンの方もひとひねりしてあり、チキンカツの上に甘酢がかけられ、その上にタルタルソースが乗っている。
これにより味の層にしっかりとした厚みを持たせているのだ。

お値段がこれなので、どうしたって制限はあるだろうが、その中で「なるべく旨い物を」という心意気が伝わって来た。

聞くところによると持ち帰りの弁当も作ってくれるそうなので、空いてそうな時間を見計らって再突撃してみようと思う。

[店名] キッチンセブン 街のハンバーグ屋さん 浅草橋店
[住所] 東京都台東区浅草橋1-18-1
[TEL] 03-3861-6567
[営業時間] 10:00~23:30
[定休日] 無休


◇ 著書の宣伝です
『魚屋がない商店街は危ない 東京23区の商店街と地域格差』
MM新書・マイクロマガジン社
定価994円(本体価格+税)
https://amzn.to/2S2gqbB
「商店街の衰退は街の格差を生む。繁盛している商店街は住民の教養が高い。では、商店街が廃れた地域の住民は…?」
板橋区の旧宿場町の商店街出身の私が、東京23区の主だった殆どすべての商店街と、商店街を中心とした生活動線を歩いて回り、その結果を1冊の本にまとめました。
滅びゆく存在となってしまっている商店街こそ、「誰もが豊かに」という日本の文化レベルの高さを底支えしている存在だったのです。

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。