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お相撲さんの街にいまどき流行りの高級かき氷専門店が誕生!(こひる庵/両国/かき氷)

駅周りの飲食店の殆どがちゃんこ屋な事で有名な両国に、いまどき流行りの高級路線のかき氷屋さんが出来た。

場所は京葉道路を挟んで回向院のはす向かい。国技館通りと京葉道路の交差点のすぐ近く。確か以前はBARみたいな店が入っていたはず。
たまたま前を通りかかった際に発見し、女房から好奇心が抑えられなさそうなオーラが漂って来たので、仕方なく入店を承諾。

なぜ私がそこまで乗り気じゃなかったかというと、私は自他共に認めるコスパ厨である。そんな私にとって、かき氷1杯1000円↑という価格設定を許せるはずがない。

ついでに言うと、過去にこの手のお高いかき氷屋で、酷く嫌な想いをさせられた経験があり、そのせいで高級かき氷屋全てに対してネガティブな感情を持ってしまっているのだ。これまで色々な飲食店に入って来たけれども、あのかき氷屋の店主の態度の酷さはTOP3に入る。

と、このままではヘイトにまみれた記事になってしまうので、お店の紹介に戻る。

息子がどうしても食べたいと言い張ったキウイのかき氷(小・600円)

小でも充分すぎる量があり、ラーメン1杯分のお値段っていう。
だが、来た時にはすでに倒壊しているというユーザビリティ的にどうなのという状態。それなりのお値段が付いているのに、お盆にこぼさず食べることができないってのはどうなんだろう。まさかお盆に口付けて吸う前提なのだろうか。

しかも、この店は子供が食べるなら小サイズの注文ができるけど、大人は大サイズか、もしくは小サイズ2個以上の注文をしろという酷いシステムになっている。
ぶっちゃけ、どんな理由があろうとこれはいただけない。じゃあいっそ小サイズ自体を止めろよと思う。誰もがバカでかいサイズのかき氷を1人で食い切れる訳ではないだろうに。
こういう「客の視点になって考える」という事が出来ない店って、どうしてもダメだ。注文の時点で不愉快さを感じさせてどうすんだろう。

と、不満たらたらで一口食べてみたら、あ、あれ、美味しい……。

キウイのソースは「いまミキサーで作りました!」といった感じのフレッシュさで、氷にかかっている物の他に別添えでたっぷり付いてくる。変に甘すぎず、作り物っぽい味ではない点に好印象を持った。
氷もホワっと柔らかく、とてもお上品な口当たり。高いなりの理由をちゃんと感じさせてくれる出来栄えである。

これで味が普通ならクソミソにけなして終われるのに……。

続いて900円もする横綱ミルクさん。写真を見て分かる通り、たっぷりとクリーム?ソース?がかけられているのだが、これ市販の練乳とかそういう単純な味じゃない。何か極端な味が目立っているような、よくある安っぽい、甘ったるい味ではなく、もっと味の層を考えて作っている印象。心なしかヨーグルトのような酸味も感じられ、味が単調ではないので食べ飽きない。
氷の柔らかさとキメの細やかさ、そしてソースのミルキーさが合わさって、何だかミルクアイスを食べているかのような感覚になった。こいつは美味しいというより「凄いな」と思えた。

あ~~~悔しい!
この900円は許そうとか思っちゃっているオレがいる!!


こちらは私が気になって気になって仕方がなかった珈琲モカ様(800円)
上に乗っているクリームとシロップ部分はそれなりに甘いけど、中にほろ苦いゼリーが入っていたりと、非常にバランスが良い。
こいつも倒壊させずに食べるには難易度が高いけれども、これは悪い印象が持てないくらい美味しいなあ。コスパ厨的に困ったなあ。


という訳で、この店は普通の喫茶店や飲食店の相場から考えたら強気過ぎる値付けだけれども、実はこの手の高級かき氷屋的には安くて良心的である。
ちゃんと考えて作っているなと分かる味なので、これで1000円くらいだったら「まあ許そうかな」という気になってしまう。
貨幣価値のおかしい板橋区生まれで、他の何よりコスパ!コスパ!なオレ様がこう言ってしまうのだから、値段相応の魅力があるという事なのだろう。

毎日行くような店ではないけれども、観光地両国の名物になる可能性を充分に秘めているので、大切にして行くべき店だなと感じた。


[店名] こひる庵
[住所] 東京都墨田区両国2-17-19
[TEL] 不明
[営業時間] 11:00~20:00
[定休日] 火曜


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皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。