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最強の居酒屋『サイゼリア』のお作法

よく「デートでサイゼなんて!」的な話題がネットを駆け巡り、親サイゼ派と反サイゼ派による血みどろの抗争に発展しているが、オレ様の所見を述べさせていただくと、サイゼこそ 「コスパ最強のチェーン居酒屋」だと思う。

これほどコスパに優れた居酒屋がそこら中にあるという悦びを、もっと神様に感謝すべきである。

しかし、サイゼを ”コスパ最強” にするためには、絶対に外せない大事な大事なお作法がある。

それが何かというならば、飲むお酒に注意するということ。コスパを重視してサイゼを楽しむならば、頼むべき酒はデカンタワイン一択である。白と赤があるが、個人的にはここは赤を選んでおきたい。

だがそれだけではダメ。この作戦を完遂するためには、ドリンクバーを頼まねばならない。そしてドリンクバーのソフトドリンクと赤ワインを組み合わせて、自分好みの酒を作り出すのである。
とはいえ難しい事は何もない。写真のようにグラスに炭酸水を入れて来て、ワイングラスの中でブレンドするだけでいい。

なぜ赤ワインを選ぶのかというと、白だと味がそっけなくなり過ぎるため、割って飲む前提ならば赤の方が合っていると思うのだ。

デカンタ赤ワイン(500ml) 500円
ドリンクバー 199円

と、たかが700円で実質飲み放題になるという夢のようなコスパ。割って飲むとなると赤ワインの500mlって意外と多い。お腹がたぷたぷになる。

で、酒の確保が出来たらば、後はサイゼ名物の悪い味の定番メニューを喰らうだけである。パンチェッタのピザとか辛味チキンとかオツマミとしていいよね!(謎のテンション)
驚愕の安さで有名な熱々のミラノ風ドリアで一杯なんてのもオツである。

そして、赤ワインソーダに合わせるべき料理として私が全力で推したいのはこのアラビアータ様。これが399円で食べられるなんて!
これに無料のオリーブオイルと粗びきの唐辛子をガン振りしたら、完全無欠のオツマミの誕生である。人によってはチーズも足すと思うが、私はこのアラビアータにチーズをかけると無粋な気がするのでナシの方向で。

自分ひとりで飲みに来ているのだったら、アラビアータのダブル(2人前 770円)と、実質飲み放題の赤ワインソーダだけで十二分に満足できる。

また、素直に酒のアテとして楽しむならば、サイゼのチョリソー(399円)は忘れちゃならない存在。辛味はそれなりにあるが、何より噛んだ時にプチュっと汁が出て来るジューシーさがステキ。
付け合わせのポテトも悪くない。

折角なので、今回は新メニューにも挑戦してみた。

上 フリウリ風フリコ 299円
フリコと言うにはカリカリ具合が足りない気もするが、マッシュポテトのジャンクなヤツって感じでお酒には合う。他の料理と合わせるパーツとしても活躍しそう。(ガーリックトーストに乗せて食べたりしたら最高に悪い味になりそう)

下 エビとズッキーニのトロフィエ 399円
思っていたのと違い、意外と強烈な魚介味かつあっさり味。トロフィエ自体はちゃんとモチっとしていて、独特の食感があって美味しかった。


先ほどから赤ワインソーダを「実質飲み放題」と言っていたが、家族3人で行ったとはいえ、これだけの量の料理を食べながらガンガン飲んだつもりだったのに飲み切らない……。
最後はシナモンフォッカチオを齧りながら無理やり飲み干した。

正直、オレはそれなりに酒には強い方だと思うのだが、この飲み方をすると酒の追加注文などする気になれず、心の底から「酒はもういいや」という気持ちになれるので、とてもお財布に優しい。

この日も家族3人で喰い散らかして4,200円で済んだし、人類が行き着く先は「サイゼ呑み」 なんだなと改めて痛感した次第である。


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