吉本社長の世紀の大自滅に見る、たけしの女衒・人買い発言の正しさ

吉本内外の大物から浴びせかけられる批判の声

先日の記事をアップした後に、松本人志をはじめとする複数の芸人から、吉本の改革を求める声が挙がった。
問題とされている吉本の社長は、そもそもダウンタウンのマネージャーから出世した人間であり、昔はよくダウンタウンの番組に白ブリーフ一枚で登場するなどして弄られていた、半芸人的なマネージャーだった。

そういう関係からか、松本人志は社長にお前も会見しろ、また吉本内に(ヤラかした芸人の面倒をみるための)自分の部署を作れと要求したという。また「芸人ファーストでないといけない」「時代を読み違った会社だ」といった発言もあった。

これを受けて、今日吉本の岡本社長が記者会見を行ったのだが、この内容がまさかまさかの大自滅としか言いようのない酷いものだった。

まず、芸人達にぶつけた「テープ回してないだろうな」「全員クビだ」といった暴言の数々について「冗談だった」だの「なごませるためだった」だの、子供の言い訳以下の発言が飛び出した。
それ以外でも、事実を明らかにしようとか、二度と同じ失敗をすまいといった姿勢ではなく「いかに自身のダメージを少なく言い逃れるか」に気を取られているような、不誠実さしか感じられない。
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正直、松本人志の「社長に会見させる」といった一連の発言は、自分が間に入る事で落としどころを作り、結果的に吉本に助け舟を出すという意味が大きかったと思われるが、岡本社長ら(会見の準備にあたったスタッフ)の対応が予想以上にマズ過ぎ、社長・会長が吉本を去る以外にゴールがない状態に「詰んでしまった」ように思う。

深く突き刺さるビートたけしの「人買い」発言

ここで今一度、ビートたけしの発言を思い出してみたい。たけしはいの一番にこう言った。「女衒、人買い事務所なんだよ」と。そして「食わせられないなら雇うな」とも。
ビートたけしといえば、弟子や友人との間のお金にまつわる美談に事欠かない人物だ。そんなたけしだからこそ、吉本の無責任さが許せないのだろう。カメラの前で本気で憤る、怒りを隠さないたけしを久々に見た気がした。

この痛烈過ぎる批判と、吉本社長の酷すぎる言動を合わせて考えてみると、吉本という事務所の何がどうおかしいのか、どうして今回のようなあまりに稚拙かつグダグダな展開になってしまったのかが浮かび上がると思う。
しかし、こうした悪しき体質は何も吉本に限った、そしてお笑い芸人に限った話ではない。中にはそうではない事務所がある事は百も承知だが、あえてこう言わせて欲しい。

「これは日本の芸能事務所という仕組みに組み込まれた欠陥である」と。

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