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たまたま通りかかった浅草橋の新規OPのラーメン屋に入ってみたら良店だった!(らぁ麺 わら屋/浅草橋/ラーメン)

仕事の都合で日中に浅草橋駅付近をフラフラと歩いていたところ、店先に祝い花が出ているラーメン屋を発見。かつ家・松屋・いきなりステーキなどチェーン店が集中している通りの、微妙な鬼門テナントだ。

私はこの手のラーメン専門店に食傷気味で、もう何年も新規店への突撃などしていなかった。
だが、この日はなんとな~~く入ってみようかなという気になった。こういう ”なんとなぁ~く” って、飲食店開拓する際に意外と当たるから不思議なものである。

8月末にOPしたばかりだそうなのだが、ラーメン(醤油・塩)、つけ麺、まぜそばと、一通りの品揃え。
お値段は800円前後と、いわゆる ”その手のラーメン屋” である。

いやあ、どうしようかなあ。20代の頃は面白くてこういう店であれこれチャレンジしまくったけど、今となっては 「結局、街中華こそ至高」 って思想に凝り固まっちゃったし、何を頼むべきなのか嗅覚が働かん。

そんな時は気候に合わせて素直に頼むべし!
という訳で、初見でひとまずつけ麺を頼んでみた。この炎天下でラーメンを頼んで外した日には、「なんで青島食堂にしとかなかったんだあああ!」と、ショックで線路に飛び込むまである。
その点、つけ麺を頼んでおけば自分への言い訳および慰めになるという寸法だ。どうこの超絶後ろ向きなオトナの判断。

写真ではケチくさい量に見えると思うが、それは器の形状の問題。実際にはしっかり食べ応えのある質量だった。箸を突っ込んで麺を持ち上げてみると、私が大好きなフェットチーネのような平打ち麺。

あ、これつけ汁が美味しければ気に入っちゃうパターンだ!

つけ麺のつけ汁は醤油ベースで、おそらく鶏油(違ったらごめん)と思われる油膜が張られていた。この油の膜が意外と厚く、そして熱く、油断していると一口目で「ウギャ!」とやられるので注意。

お味の方はというと、これまた私の大好きな和そばなどに近い ”ざる中華系” の味わい。ざる中華というと言葉が悪すぎるかもしれないが、私はあのそばつゆのような醤油立ちまくり&旨味たっぷりのつけ汁に、キンと〆た中華麺をつけてズルズル食べるのが大好きなのだ。悪口ではなく誉めているつもりなのだ。

この手の味って、炭水化物をゴクゴク飲めるという意味で私の中では完璧なんだけど、何故か好き嫌いが分かれるんだよなあ。
多分、ざる中華系が好きなひとと嫌いなひとって、一生かかっても溝が埋まらないと思うのね。オレは3玉分くらい替え玉したくなるほど大好きなんだけどなあ……。

私は個人的にこのつけ麺ならば90点くらい付けちゃおうと思うけれど、ざる中華系が嫌いな人は45点とかシビアな採点をしてくるはず。

つけ麺は好き嫌いの差が大きいタイプだったので、日を変えて今度はオーソドックスなラーメンを食べてみる事に。醤油と塩があったが、スープの味の組み立て方がより分かるであろう塩をチョイスしてみた。

結果、この塩ラーメンはとても美味しい。全体的に丸みのある味わいで、何かひとつが立っているという感じではない。ほんのりと甘みが感じられ、旨味も強い。それほど塩気は強くないので、気付けばスープをだいぶ飲んでしまっていた。これなら万人が「うめえ」と言うはず。

麺はつけ麺と違って細いストレート麺。具はつけ麺と同様にチャーシューと太いメンマ。そして刻んだ生のタマネギ。チャーシューは低温調理されたローストビーフのような方向性だった。
これらの具の必然性はつけ麺以上に感じる事が出来たので、最初は温かいラーメンを頼むべきなのかもしれない。

ところで、私の気のせいかもしれないが、食べてる時に何故かエビのような香ばしい風味が感じられた。気にしながら味わってみたが、何が作用しているのかよく分からず。色々と芸が細かいなあ。

なかなか丁寧に作っている事は分かったので、折角だから次回はまぜそばも食べてみよう。この手のラーメン屋が作るまぜそばってどんな方向性なんだろうか。

[店名] らぁ麺 わら屋
[住所] 東京都台東区柳橋1-13-4
[TEL] 不明
[営業時間] 11:30~23:30(日祝は21:00まで)
[定休日] 無休(OPしたてで定休日を決めてないっぽい)


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