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平野紗季子の良さ

フードエッセイストの平野紗季子が好きである。
「味な副音声」というポッドキャストを薦められてから彼女のことを知り、書籍を買ったりSNSを見たりしている。番組出演もしているのだが、それは観ていない。テレビがないからだ。

私が思う平野紗季子の良さは、とにかく食べることに対して、どこまでも貪欲であり誠実である。それは、彼女の文章や話からひしひしと伝わってくる。

彼女が好きな食べ物の話をしているとき、「どこからそんな表現が飛び出してくるんだ」と驚く。その感覚が心地よく、ポッドキャストを聴き続けている。そして、彼女は嫌いな食べ物に対しては、はっきりとNOを突きつける。それこそ愛だよなあ、と思う。嫌いな食べ物に対しても、語彙の限りを尽くして表現しているのだ。プルーンに対する憎悪表現がものすごいので、そのあたりはポッドキャストを聴いて頂いたら、と思う。

昨今は、自分が取り込んだもの、取り込んできたものを、無条件に「良い」とするような風潮がある。自分の経験を否定したくない、「良い」ものだけで構成されている自分を肯定したいと思うのは当然だと思う。
しかし、嫌いなものや無駄なものにも向き合うことで、それはそれで嫌いなものへの造詣を深めるというか、愛情の裏返しというか、なんというか、
そういう気持ちにさせてくれたのが、平野紗季子なのである。いつもありがとうございます。

【平野紗季子あれこれ】
①味な副音声
モスバーガー回が好き。海鮮かきあげバーガーをあげるのは、モスガチ勢で信用に値する。

②生まれた時からアルデンテ
小学生の頃の食日記も掲載されている。やばい。

③味な店
ほしい。

3億円ほしい