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殺戮のセーラー服

卒業しても生きている。

「卒業式まで死にません」という本がある(著:南条あや)
南条あやという人は、メンヘラをポップカルチャーにした人だと私は思っている。

彼女は私と同じく中学生でリストカットを覚え、精神科に通いODを繰り返す自傷ジャンキーだ。
彼女の背景にあるのは、メンヘラなら誰もが抱えがちな家庭環境や学校関係での不和だった。
結局、彼女は高校卒業直後に推定自殺という形で亡くなった。

何故、彼女の手首がメタメタに傷ついても、たくさんの薬をわざと飲んでても、誰も止めないのだろうか。
いや、本人も止めて欲しいわけではないだろうけど。
私は思う、皆余裕がないし、何より他人の不幸が蜜の味なのだと。
実際、私も自傷痕を同級生にからかわれたことなど何度もあった。
「大丈夫?」という心配りではなく、無神経に響き渡る嘲笑がほとんど。

南条さんは、メンヘラ界で名を馳せたかもしれない。でも、私は思う「現在も生きている彼女を見てみたかった」と。
自殺ってものは、全然美しくない。周りを悲しみに突き落とすだけ。

だから、もし周囲に自傷行為をしている人がいたら、そっと気にかけて欲しい。
そのささやかな気配りだけで、救われる人がいるはず。

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