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お遍路スイッチ 36

バックナンバー vol.36 (2014/11/20)

「迷い道 言い訳ばかり 赤い杖」

これは、71番札所弥谷寺の参道にある俳句茶屋に飾ってある私の句です。季語が無いので、雑句になります。

何故この句の事を思い出したかというと、先日弥谷寺を訪れた時、俳句茶屋のおっちゃん(土井さん)が「野村さんの短冊が無くなってしもうたんやー、新しく書いてー」と....。
どうやらNHKの取材が来た時に掃除し過ぎて何処にいったか分からなくなったらしい。新しい短冊に汚い字でサラサラと筆を走らせて、改めて飾ってもらいました。
ちなみに、この句は先達になって初めて歩いた時のものです。65番札所三角寺にむかう前日、川之江のお遍路宿に一泊しました。そこで出会った20代の青年とまだ夜が明けきらぬうちに出立します。彼は私が先達ということで信頼して付いて来る。私は先達として自信を持って彼を引っ張る。と、なるはずだったんですが....。道に迷う的な....。恥ずかしいやら、カッコ悪いやら....。口から出るのは言い訳ばかり....。その時の状況を詠んだ一句です。
私的には、ただ単にその状況を詠んだだけなんですが、おっちゃんは「この句には、人生を感じる」と過大な評価を頂き、目立つ所に飾ってくれています(何故紛失?)。

俳句茶屋は100年を超える歴史をもつ茶店。天井から下がる短冊はお遍路さんが詠んだもの。その数は1万句以上ともいわれます。お姉さん(大野さん)とおっちゃんの2人で切り盛りされています。ところてん、飴湯、甘酒、うどんやお餅などがあり、お茶のお接待もいただけます 。作句は無料。 タイミングが合えば(おっちゃん次第)、向日葵の種を手の平に乗せてヤマガラ(小鳥)と遊ぶ事も出来ます。「ガラちゃーん」と呼ぶとやってきます。
「歩きでも車でもバスでも、俳句を書いていったらえーよ」とおっちゃんは言います。弥谷寺にお参りの際には是非立ち寄って一句挑戦して見て下さいネ。

500段を超える階段がある弥谷寺。今年からお寺がマイクロバスを出しています。注意すべきは往復でマイクロバスに乗ると、俳句茶屋は通りません。復路は歩くと山門を過ぎて直ぐです。頑張って歩きましょー!

合掌(´人`)


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