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ドゲンジャーズ誕生秘話⑤

連日深夜に及ぶ撮影の中、撮影班の皆さんは4月の放送開始に間に合わせるべく頑張ってくれていました。
初めての特撮ドラマであり、慣れないスタッフも多いし、撮影班としては圧倒的に人手不足。
みんな限界を超えて頑張っていたと思います。

そんな中で、深夜に一本の電話が鳴ります。
1時半くらいで、私は寝る直前で、ベッドに入ったところでした。
画面を見ると、「悪の秘密結社 笹井浩生」の文字。
こんな深夜に電話が鳴るということは、よほど緊急事態か、もしかして事故か?大丈夫かな…と緊張しながら電話を取ります。 

私「もしもし、どうした?何かあった?大丈夫?」
笹井「社長、すみません...。深夜に。大変なことが。」

私「(あぁ…やっぱり事故か。怪我人とか諸々大丈夫かな。)で、怪我人は?」
笹井「え…はい?怪我人?」
私「事故じゃないと?」
笹井「あー、はい、事故ではないです。」
私「ん、何事?まだ撮影中よね?後が騒がしいし。」
笹井「はい、まだ今日はナイターで撮影中です。で、非常に言いづらいのですが、...お金がないです...。」
私「どゆこと?」
笹井「ドラマ初めてで、機材のレンタルの支払い日とか把握できてなくて、月末、結社の残高が不足する事がわかりました...。」
私「マジ!?いつまでに、いくら必要なん!?」
笹井「3日後に400万必要です。結社の残高もう80万しかありません。どうにもならなくて...すみません...(泣きながら)」
私「そーか。わかった。どちらにしても明日しか動けんけん、明日の朝また連絡する。今日は、現場終わったら早く帰り。」
笹井「はい…」

私(マジかー…悪の秘密結社を潰れさせるわけにいかないし。なんとかせな。明日朝イチで動こう。)

と思いながらも、この時ドゲンジャーズプロジェクトに反対していた人間も多くいた事もあり、助ける事に対してどういう反応があるだろう…動いてくれるかな、という心配がありました。

もうちょい早く言ってよ。という気持ちもありましたが、ギリギリまで自分でなんとかしようと思ってこのタイミングになってしまった事に対しては気持ちも理解出来ました。

流石にこの日は眠れなかったですね。
そして翌朝になりました。

ドゲンジャーズ誕生秘話⑥に続く


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