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引き寄せで家は買えるのか⑤

 大手リフォーム会社からの見積もりを不動産屋の小川さんと共に
受け取った私たちは、金額を見て驚いた。
2700万だった。
増えとるがな。
いやいやいや、300万か400万あれば最低限住めるんちゃうかったんかい!と丁寧な言葉で小川さんに伝えた。
 
 大手リフォーム会社の畑山さん(仮)は、なぜこの金額になるのかを
丁寧に説明してくれた。
仕事が好きなんですね。と思わず口に出てしまうほど、見積もりの段階から
細かに調べたり、間取りのプランを提示してくれたりした。
どうあがいても1500万くらいではどうしようもなかった。
小川さんも自分の紹介した会社の方が、高い見積りを上げてきたので、私たちが頼んだ工務店の見積もりの金額も納得したようだった。

 小川さんの予定では、手数料抜きで土地込みのフルローンで3000万円くらいで収まるという読みだったらしく、融資を受ける銀行にリフォームの見積もりを持っていって、融資額を上げてもらうようにお願いに行くとのことだった。うーん。思ったより金額が大きくなってきた。
あまり貯金をしてこなかったことを嘆いても仕方ない。
アリとキリギリスの話を頭の中で思い出した。
ばかばかばか!浪費家!
でも、無いからこそ引き寄せ甲斐があるってもんじゃねぇかい。と寅さんっぽいおっちゃんを脳内召喚させ気持ちを落ち着かせた。

 そして銀行のローンを組むにあたり、大きめの問題がでてきた。
それは、今私たちが住んでいる家は独身時代に私名義で購入したものであり、現在もローンの支払いをしていることだった。残債が900万程ある。
このローンの支払いは私の母がしていた。
新しい家は夫名義でローンを組むことになったので、私のローンは関係ないと思っていた世間知らずの私たちに、小川さんは銀行から今ある900万の抵当権、要するに残債を無くして欲しいということを伝えてきた。

 今、家買って住んでる人すごない?
なんかめちゃくちゃハードルあるやん。
あんなに近くに見えた広い家への住み替えが一気に遠のいた気がした。
 
つづく

 

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