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真白

家のドアを開けて外に出たら、霧がとても濃かった。

視界が真っ白で先がほとんど見えない中、信号や街灯の光がぼんやりと浮かび上がっていて、どこか違う世界に迷い込んでしまったのかと錯覚しそうになる。

そんな夢見心地な感覚は、小学校とかコンビニの看板が目に入る度に少しずつ薄められていって、でもやっぱり霧の中にぼんやり浮かぶ明かりがどこか幻想的で。

夢と現実の境がわからないときのような、そんな不思議な気持ちで駅へと歩いた。

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