見出し画像

コピーライティング講座①ベネフィット

突然ですが、今日から何日間かに分けてコピーライティングに関する講座を行なうことにしました。

これまで自分が学んできたことを棚卸ししたかったのと、他者に伝えることを通してさらに理解が深まるかなと思ったのがきっかけです。

内容としては、コピーライティングを学ぶならまずはココを押さえとけ的なものにする予定です。

ターゲットとしては、

・コピーライティングのことをよく知らない人
・聞いたことはあるけど具体的にどんなものなのかまでは知らない人

を対象としています。

そんな方々に、なんとなくコピーライティングってこんなものだよっていうのを体感してもらうきっかけになればと思います。

コピーライティングの基本の基「ベネフィット」

それでは早速本題。
初日の今日はコピーライティングの基本中の基本となる概念「ベネフィット」を取り上げます。

基本であるが故に超大事で、これを使いこなせているか否かでコピーライティングの成否が分かれると言っても過言ではありません。

これを使いこなせるようになれば、日常生活でも人を説得するのがうまくなったり、人の感情を揺さぶって自分の望む行動を取らせたりしやすくなりますので、そのような力を身につけたい人は、ぜひ続きをお読みになってみてください。

それでは、内容に入ります。

まず、そもそもベネフィットとは何か?という話なんですが、マーケティング的な定義としては、「顧客が商品やサービスから得られる効果や利益」って言うみたいです。

これでもまだ「なんのこっちゃ?」って感じだと思いますので、もう少し詳しく説明しますね。

ベネフィットという概念を正しく理解するためには、特徴・メリットとの違いを押さえると理解しやすくなります。

具体例も交えながらそれぞれの違いを解説していきます。
今回は、「高画質のカメラ」を例にします。

■特徴

これはそのままの意味で、製品やサービスの特徴です。
高画質のカメラであれば、「高画質であること」が特徴に該当します。

■メリット

特徴によってどんな良いことが起きるかを表現したのがメリットです。
「高画質」が特徴であれば、「被写体が鮮明に映ること」がメリットと言えますね。

■ベネフィット

最後にベネフィット。
これはメリットを「個人的な得」にまで昇華したものです。

「高画質のカメラ」→「被写体が鮮明に映る」の場合、
たとえば小さな子供をもつ親御さんに提案するのであれば、

「お子さんの一生に一度しかない笑顔を綺麗な画質で撮ることができ、一生 の宝物として保存することができます」

といった表現ができます。

あるいは、物販ビジネスをしている方に売るのであれば、

「被写体を鮮明に映すことができるので、あなたが販売する商品がより高級に映って商品価値が上がり、より高値で売れるようになるんです」

と提案することができますね。

以上が特徴→メリット→ベネフィットの違いになります。
この3段階で表現を変換させていき、「個人的な得」であるベネフィットにまで昇華させていくことが、コピーライティングにおける基本中の基本です。

「ベネフィット」を表現できていないと、どうなるか?

世の中の広告文章を見ると、「ベネフィット」の前段階である「メリット」どまりになっているケースが多く見受けられます。

最悪の場合、「特徴」に終止しているものすらあります。

ベネフィットを表現できていない失敗例としてよく取り上げられる有名な逸話がありますので、紹介しますね。

「やり手セールスマンのこんな逸話がある。新型の住宅暖房システムを小柄な老婦人に売り込もうとしたときのこと。熱出力・構造・保証・サービスなど、言うべきことをすべて説明し終わると、老婦人が尋ねた。

『ひとつだけおうかがいしますけど、それは私みたいなおばあちゃんでも暖がとれるものなの?』」

熱出力や構造が他社製品と比較してどれだけ優れているかは、特長(特徴)にすぎない。特長があることで、他のものではなく、この商品を買った人にどんないいことがあるのか、どんな悩みや苦しみから解放してくれるのか?どんな願いをかなえてくれるのか?これらがベネフィットとなる。

この場合、「部屋が暖かくなるまで、今までの10分の1の時間しかかからず、すぐに暖まる。だから寒い屋外から帰ってきたとき、寒いのを我慢しなくてよくなる」というのがベネフィットだ。

神田 昌典,衣田 順一. コピーライティング技術大全百年売れ続ける言葉の原則 (Japanese Edition) (pp.50-51). Kindle 版.

ベネフィットを表現できていないと、商品の良さが伝わらないことを表す典型的な事例です(暖房器具のそもそもの目的が「暖をとる」ことのはずなのに、それすら伝わっていないというのは致命的ですよね)。

ベネフィットを表現するうえでの注意点

もう一つ、勘のいい方は気づいたかもしれませんが、何がベネフィットになるかは、「誰」に言うかで変わります。

先ほどの高画質のカメラの例でも、「小さい子供を持つ親御さん」と「物販ビジネスをしている人」という2つのパターンを紹介しましたが、ベネフィットの表現が全く違っていることが分かるかと思います。

このように、コピーライティングでは常に「誰」に言うかが重要になります(「ターゲット」や「ペルソナ」とも言います)。

経験上、ベネフィットが思いつかない場合はだいたい「誰」に言うかが曖昧になっているケースがほとんどです。

なので、そのメッセージは「誰」に向けたものなのか?を常に意識するようにしましょう。

今日のまとめ

それでは、今日のまとめです。

・コピーライティングの成否はベネフィットを表現できているか否かで決まる
・ベネフィットを考えるときは、特徴→メリット→ベネフィットの順番で考える
・ターゲットを誰にするかによって、特徴やメリットが同じでも、ベネフィットの表現は変わる

また、意欲の高い方はこれから紹介するワークをやってみてください。

よく言われることですが、知識はインプットするだけでは身につきません。
アウトプットすることによって初めて記憶に定着します(これは脳科学的にも証明されています)。

「ベネフィット」を身につけるためのワーク

1.あなたが誰かにオススメしたい商品を一つ決める(何でもよいです。映画でも本でも、食べ物でも家電でも、対象は問いません)

2.1で決めた商品を、「誰」にオススメするかを決める

3.2で決めた相手にオススメすることを念頭に置きながら、その商品の特徴・メリット・ベネフィットを書き出す

書き出したものを、対象に想定した相手に実際に話してみて、フィードバックをもらうとより一層学びは深まりますので、こちらもぜひやってみてください。

それでは、今回は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?