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2019 夏旅行4日目

アラームが鳴りAM3:30に起きる。この日は鶴の舞橋で日の出を見たいため早起きをした。寝ぼけながらカラカラのサウナ室へ向かい、肌をヒリヒリと熱せられ目を覚ます。

退館しようとすると、駐車券をなくしたことに気づく。いつもは服のポケットに入れるはずなのにない。受付で1度出した記憶はあるけど、どこかで落とすことは考えづらい。…探してる時間に日が昇ってしまう。探すのを切り上げて駐車場へ。駐車券は紛失した場合は5,000円支払いと注意書きを見つける。手痛い出費にへこみながら鶴の舞橋へ向かう。

イラつきながら運転していると、すでに青い空が白みはじめている。夜明け前は空の色がわずかな時間で変化していく。畑と民家ばかりで空を遮るものはほとんどなくて、車も自分以外は走っていない静かな雰囲気。日の出を見に行くのは久々だけどこの空気がたまらなく好きだ。いつのまにかイラつきは収まっていた。

鶴の舞橋は有名な観光地ではあるけど、早朝のため3人しか人はいなかった。空の色の移り変わりや静かな水面、しずけさを楽しむ。

AM3時半に起きて日の出をみて、風景を楽しむ。趣味が皇潤のCMにでてくるじじぃかと悲しくなるけど、心は満たされてるので良しとする

次は白神山地の12湖へ1時間半ほどのドライブ。あえて最短経路ではなく海岸沿いを道を選ぶ。鰺ヶ沢町、千畳敷、鳥居崎灯台と素晴らしい景色が広がっていて、予定はなかったけど何度も車を停めて写真を撮った。

早朝から釣りをする漁村ののどかな空気や、潮風にさらされ長い年月をかけて風化した岩のロマンあふれる姿、遠くからでも目を引くカラフルな灯台、灯台のある島にのぼった先からみた風合瀬の海の美しさ。

見知らぬ土地を旅して、美しい風景と出会う。今回の旅でもっとも記憶に残った時間だった。

心がいっぱいになり、このまま12湖に行っても冷静に楽しめないなと思い、近場の黄金崎の不老ふ死温泉へ。

海岸につくられた露天風呂から見える景色は見事なもので、水風呂もシャワーがなくても外気浴を挟み30分ほど過ごした。これは冬にくれば自然の温冷交互浴ができるのでいいなと思う。

予定の3倍は時間をかけて12湖へ着く。観光地として特に有名な青池は車と人でごった返していた。やたら鋪装された展望台や途絶えることのないシャッター音、しまいにはドローンを飛ばす人も…池の美しさは確かなものだけど、整備されすぎて人が群がる観光地は興がさめるのも事実だ。

自分のわがままな気持ちと損な性格にげんなりしながら、帰り道の鶏頭場の池で水没した木々をひとりながめて気持ちを取り戻し、12湖散策にもどる。

イトウの養殖場は誰もいなくて居心地がよくてのんびり過ごす。きれいな水と木漏れ日、イトウがのんびり泳ぐ姿。世界にイトウと自分しかいなくなってしまったかのように静けさがあった。

12湖で1番印象に残ったのは日暮れの池。干上がりつつある寂びれた池なのだけど、遠くに見える山と夏の空が対照的で、なにかいると思わせる神聖さがあった。いい景色は気が済むまで見ていたいのだけど、ここだけは神聖さゆえの妙な怖さがあったのでわずかな時間しか滞在できなかった。

気づけば2時、腹も減ったので食堂で期待通りのたいして美味しくないカレーを食べる。美味しくないけど好きなんだ。施川ユウキさんの漫画 鬱ゴハンの「旨いも不味いも関係ないよ 好きなんだ」というセリフを思い出し青森から秋田へ向かう。

本日の宿、新玉川温泉の途中でたしろ温泉ユップラに寄る。日の出まえに起きた疲れが出てきたのでいいタイミングだ。ここも地域交流センター的な施設なので鰐comeに続きいいサウナがあるだろうと勝手に期待が高まる。

サウナマットを更衣室で1枚持ち出すルール。コンパクトなサウナ室だが、温度、湿度良いバランスで好みのセッティングでテレビ無しなのも嬉しい。理想のサウナ室が秋田の保養施設にあった。

水風呂はシルバーの1人用の浴槽に水道水がかけ流しになっている。サウナ室には常に4~5人はいたので、水風呂渋滞にならないか心配だったけど、常連さんたちはよそ者の自分も含め譲り合いながら水風呂に入っていて、その光景がとても素晴らしかった。

露天には自販機に置かれる飲料広告が載ったタイプのベンチがあり、そこに座って木々の揺れと蝉の声を聞いて過ごす。

いいサウナだなとしみじみ思いつつも、まだまだ運転するので眠くならないように2セットで切り上げる。

日が暮れて、街灯もない山道を走り新玉川温泉へ。ここは日本一酸性が強い温泉が湧く宿。昔ツイッターでチンピリ談義をしていたときにプッチさんに教えてもらった施設。

プッチさんは富山のサウナ情報を小気味いい文体で紹介してくれて、自分が富山のサウナが好きになるきっかけを作ってくれた人のひとりなので一方的に大好きなのだけど、去年の9月から更新が止まっていて寂しかった。

チンピリストの聖地に来ましたよ!と過去のツイートにコメントしようかなと考えていたら、まさかその日にプッチさんが何事もなかったかのように復活していた。嬉しい。理由を聞くのは野暮だけど、変わらず富山のサウナ情報を発信してくれそうでこれからも楽しみだ。

話はだいぶそれたけど、肝心のチンピリ。日本一の酸性はだてじゃなく、虫刺されを掻いて剥けた皮や、自分では気づかない程度の切り傷にとにかく染みた。正直チンピリどころではなくて、期待通りとはいかなかった。

サウナは蒸気浴(いわゆるミストサウナ)と顔だけだして箱に入って蒸されるタイプのサウナがあった。ぬるめではあるけど、汗はかけるし悪くはないかなと思っていたら。水風呂なし。チンピリに気をとられてて調べてなかった。水シャワーと外気浴でなんとかごまかした。

チンピリの肩透かし感と好きな人が復帰してくれた喜び、1日でいろいろな景色をみた満足感。1日の終わりに様々な感情でいっぱいになり、部屋に戻るとすぐに眠りについてしまった。

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