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自分らしいスタイルを選ぶコツ(働き方編)

今回の3000文字チャレンジのテーマは【〇〇の選び方】

人生は選択の連続です。
一生を左右するものから、今日の夕食は何にしようか、コンビニに寄ろうかスーパーへ寄ろうか、という些細なものまで私たちは日々選んでいます。実は無意識のレベルでやっているから、気がつかないだけなんですよね。

他の方々の3000文字チャレンジを読めば読むほど、悩む。
仕事ネタだと、どうしてもテーマが暗くなるしなぁ。
食べ物とか本のネタだと、偏りすぎてしまうし。
サッカーネタは、以前やってしまったし。

はてさて、どんな選び方について書いていこうか……と、ダイニングテーブルの上に置いたノートパソコンの前で、小一時間悩んでいると。

那月(以下那)「ご主人、ご主人。何で悩んでいるのですか?」

ん?おかしい。
この部屋には私しかいないはず。
旦那さんは仕事に出かけているし、周囲には何もない……と見回してみると、リュックに吊る下げているピンクのポーチから声がした。

私「え。なっちゃんがしゃべってる?」
那「あなたの心に直接語りかけています……って言えばいいですか、わかりません」
私「いや、それ今ここで言うことか?」
那「違いますけど、言ってみたかっただけです。で、何を悩んでいるのですか?大事なことなので、2回聞いてみました」
私「今回の3000文字チャレンジのテーマ。難易度が高くて浮かばない……!」
那「そうですか?ご主人は、毎日色々と選んでいるじゃないですか」
私「まぁ、そうだけど」
那「それを書けばいいじゃないですか。なにを難しく考えているのですか?」
私「……まぁ、ねぇ……(もごもご)」

私はとりあえず那月をポーチから取り出し、ノートパソコンの横に座らせた。
すると那月は、どこかに向かって喋り始めた。

那「あ、申し遅れました。僕は那月。なっちゃんと呼んでください。ご主人がいつも連れて歩いている、くまのぬいぐるみです。よくラーメンやスイーツの写真に一緒に写っているのが僕です。本日は進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いします。」
私(誰に似たのだろうか……モデルのキャラとも私とも違うけど……)

那月はちょこんと座っている。
それ自体はいいのだが、くりっとした瞳が左右に動いている。
ズレた眼鏡を直し、こほんとひとつ咳払いをした。

那「じゃあ、正社員をやめて派遣を選んだのは何故ですか?」
私「いきなり直球きたね」
那「僕がご主人の元に来て、もうすぐ1年が経ちます。その間、ご主人が悩んでいるのをずっと見てきました。1番の悩みはそこでしたから」
私「降参。ひとつは責任の重さの割に、報われなかったから。もうひとつは好きな事に使う時間を増やしたかったから」

那月は首を傾げた。
あまり納得していないようだ。

那「ひとつめから説明してもらえますか?」
私「はいはい。高齢者の命を預かる仕事ですからね。そりゃ神経使うよ。毎日クタクタになるまで気を張って、家に帰ったら何もできない。電池切れて寝落ちはしょっちゅう。休みの希望もどんどん狭められ、委員会だ研修だとやることばかりが増えていく。最後の方は、完全に思考停止状態だったよ」
那「ご主人は小説家を目指して、勉強してましたよね」
私「うん。師匠に付いて毎月短編を書いてた。投稿もしてた。でもだんだん頭が働かなくなって、アイディアも出ないし、書けないしでギリギリで課題を出してる状態だった。他の生徒と比べたらいい生徒じゃなかったと思うよ。ある時、もう全然書けなくなっちゃって、お休みさせてもらう事にしたんだ。師匠も了承してる」
那「好きで食べ歩きしてるのか、ストレス発散のためなのか……という状態でしたものね」
私「だね。疲れすぎてインプットもままならなかったし。この先、仕事に追われるだけでいいのかって思ったよ。そんな状態でもブログは毎日更新してた。どんなにネタが浮かばない時も捻り出してた。これだけは絶対止めたくなかったの。何か書いていたかった」

ちょっと喉が渇いたので、電気ポットからお湯をカップに注いだ。
那月はぬいぐるみなので飲む必要はないが、私は喉が渇いた。
そのまま少し冷ましておく。最近の作業中はもっぱら白湯だ。
私の一連の動作が終わった頃合いをみて、再び那月は話し出す。

那「ふたつめの理由もリンクしていますよね」
私「好きな事に費やす時間が欲しかった。ぶっちゃけ言ってお金になる保証はない。でも読んで面白かったよって言ってもらえて、すごく嬉しくてさ。やっぱり書きたいって思った」
那「旦那さんはなんと?」
私「イベント行くやら何やらでお金がかかるだろうから、仕事はしろよって」
那「正論ですね」
私「扶養の範囲はすぐ越えちゃうから、私の場合」
那「最初から入れない方が間違い無いですね……資格持ちは強い」
私「向いてないっていまだに思ってる(笑)」
那「失業保険を貰うという選び方もあったと思いますが」
私「最初はそれも考えた。派遣先がすぐに決まらなかったしね。離職票来ないから、前の職場に催促するかーって思った矢先に派遣先決まったの。それならま、いっかって(笑)」
那「即断即決なのか、優柔不断なのか、よくわかりませんね。ご主人の思考パターンって?」
私「両方なんだよね、私。ぐるぐる悩んだと思えば、ある日突然バッサリ切り捨てたりして」
那「人はなぜ、悩むのでしょうか?」
私「不安だからだと思うよ。私の場合はお金への不安だね」
那「不安?」
私「そう。例えばお金だったり、人に嫌われたらどうしようだったり、失敗したらどうしようだったり……色々あるよ」
那「なるほど。お金は大事ですね。ご主人の趣味は読書と食べ歩きですし」
私「それに加えて全国各地にいる友達に会いたいし、色々な場所やイベントにも行きたいし。正社員だと収入は安定するけれど休みが決まっているから、どこかで諦めなきゃいけない。それが嫌なんだよね。でも、すぐにフリーランスになれない。だから比較的融通のきく派遣を選んだわけ」
那「正社員に魅力はないのですか?」
私「安定した収入が最大の魅力。そして福利厚生がしっかりしていること。ここは大きいと思うよ。でも、派遣会社でも規定時間を越えれば社会保険の適用になるし、有給休暇も取れる」
那「ふむふむ」
私「私は国家資格持ちだから派遣でもそれなりに稼げるけれど、一般の人はどうなのかは分からないなぁ。でも一度きりの人生だし、もう40越えたからそろそろ自由に生きてもいいと思うんだ」
那「人には向き不向きというのもありますし。正社員の生き方が合っている方もいらっしゃるでしょうしね」
私「それは同感。天皇陛下も代替わりされることだし、これからはもっと働き方も自由に選べるようになってほしい。まだまだ複業禁止の会社は多いよ。前の職場もそうだった……こそっとライター仕事してたけどね(笑)いずれはもっと自由な働き方にシフトしたい。私の父方は祖父も父も自営だったし、兄も友達と会社を運営している。組織に巻かれる血筋じゃないんだよね、そもそもが」

そう言ってから、私は程よい状態になった白湯をすする。
あー、白湯美味いな。時々粗塩を入れたり、生姜パウダーを入れたりするけれど、やはり白湯が一番落ち着く。

那「ご主人は今、楽しいですか?」
私「楽しいよ。3000文字チャレンジのおかげで、書く楽しさを再確認できたし。そろそろ創作も再開しようと思ってる。ライター仕事以外の働き口もチャレンジできたら面白いかなぁって」
那「それならよかったです。これからも見守っていますね」
私「ありがとう。これからもよろしくね」

対話形式で自分の心中を探ってみましたが、いかがだったでしょうか?

1億2000万の人口がいる日本。人それぞれに合ったスタイルがあると思います。
いい大学、いい企業への就職というモデルケースはすでに過去のもの。
小学生のなりたい職業ランキングにYouTuberが入る時代です。
ちょっと止まってみるのも、面白いかもしれませんよ。

読んでくださり、ありがとうございました。

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