本当にあったひどい話6

これは本当にあったことなんですけど聞いてください。

私は主人の車を利用したときに長い髪の毛を発見し、不審に思っていたところ、主人の携帯電話のロック画面に浮気相手からと思われるメッセージを発見しました。名前は高島愛子、私の親友とも言えるような高島さんと主人は浮気していたのです。

ある日主人の車に仕込んだGPSを確認すると仕事に行ったはずなのに高島家の駐車場を示していました。これは絶対クロに違いない。私は高島家に乗り込みインターホンを鳴らしました。

「えっ、なんで……!?」
信じられないことにドアから出てきたのは主人でした。
主人は諦めたように顔を下げました。驚いたことに主人はトランクス1枚だけ履いた姿だったんです。
「うそでしょ!?」
私は目を疑いました。

「開けてよ、ちょっと! なにしてんの!」
ドアが一旦閉まりチェーンロックを外す音とともにドアが再び開きました。
すると次の瞬間、私の肩に手がかかったかと思うとすねの左側あたりから体が刈り取られるように回転したんです。私は冷たいマンションの廊下に私はもんどり打って倒れました。

腰骨の左側がマヒしたかのような感覚があって、冷たい痛みが次第に大きく広がっていきました。どうやら信じられないことに主人は私に足払いをしたんです。なんで!? なんでこんなことに……なんで私が暴力を振るわれないといけないの!?

と思った瞬間、主人は私の肩をつかんでスックと起き上がらせ「大丈夫か」と言いました。私はどういうことなのかさっぱりわからず主人の目を見ました。彼は動物のようなまっすぐな目をしていました。

そして次の瞬間、また私の体はすねを回転軸に傾き、私の体は再び冷たいコンクリートに投げ出されました。私は再びやってきた鈍い痛みよりも、今一体なにが行われているのかわからない不安の方が大きくなりました。なぜ再び足払いをされるんでしょうか。人間は足払いという行為をどういう状況で行うのでしょうか。今はどう考えても主人が100%悪いんです。なぜそんな状況で私が足払いされないといけないのでしょうか。

主人は私の肩をつかんで「やめてよ!」と私が反応しても再び起き上がらせ「大丈夫か」とだけ言い、私は再び「やめて!」と言ったのも無視して再び足払いをかけてこようとしたんです。

私はとっさに主人の左足に自分の右足を鎌状にかけ、ぐっと組み付いて倒されないようにしました。それでもぐいぐいと払おうとしてくる主人。話されまいとする私は主人の背中で自分の両手を組み死んでも離さまいとしました。

それでも払おうとする主人の足、離さまいとする私の手。力と力の応酬が繰り広げられ、私は悲しくて悲しくて涙が出てきました。


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