本当にあったひどい話11

これは本当にあったことなんですが聞いてください。

私の祖母は長年勤めていたパートのそば屋もやめ、体も悪くし何年も経ち、貯金もそこを尽きてきたために生活保護の申請をしに行くことになりました。私は生活保護をブロックするような市役所の方がいると聞いたことがあったので、心配で付き添うことにしました。

市役所の受付で生活保護の申請について聞くと3階の生活相談窓口に行けと言われました。福祉課などが近くにあるフロアで3階の一体どこだろうと見回すと私は驚きました。生活相談窓口の前にいる市役所職員らしき男性が金棒を持って立っているんです。

私は金棒の実物を見たことがありません。ですが太くて黒い大きなバットのようなものにトゲトゲの鋲がついているものは金棒と言わずになんと言うのでしょうか。

「あのう……」祖母はおそるおそる声をかけました。すると市役所の職員はその大きな金棒をぐるぐると振り回し始めたではないですか。私はその姿を見て、テキサス・チェーンソー・マサカー、そうです、邦題『悪魔のいけにえ』というホラー映画に出てくるチェーンソーを振り回すレザーフェイスを思い出しました。祖母は金棒が怖くてべそをかいて帰ってきました。

市役所の職員が生活保護を追い返すことがあるとは聞いていましたが、こんなにひどい帰し方があるんでしょうか。私も……これはひどいとは思ったものの、金棒を前にしては足がすくみました。

金棒にはかなわない。そう考えると私は悔し涙が出てきました。

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