本当にあったひどい話5

これは本当にあったことなんですけど聞いてください。

主人がトイレにも風呂場の脱衣場にもスマートフォンを持ち込んでいることはずっと気になっていました。私は保育園のママ友であり今や親友といってもいいほど仲の良い高島さんに相談していました。

「それは絶対気をつけたほうがいいよ。録音でも写真でもなにか怪しいなと思ったらなんでもいいからすぐ証拠をおさえて。大丈夫、私はずっとあんたの味方だから」

そう高島さんが勢いよくまくしたてて、私はまだ疑いだからそこまで深刻じゃないんだよととりなしましたがそれでもちゃんと私のことを考えてくれてるんだなと思って少し元気が出ました。

それから主人の様子をちょっと気にしていて、脱衣場に置いてあったスマホを見るとちょうど着信音が鳴ってLINEのメッセージが入っていました。ロック画面には差出人「高島愛子」とメッセージの冒頭である「愛してる」が見えました。

私は目の前が真っ暗になりました。まさか高島さんが主人と浮気を!? あのはげましはなんだったの!? 私は高島さんの家にすぐに行きました。インターホンを押して出てきたのはなんと主人でした。主人は私の目を見ると涙を浮かべて「すまなかった」とだけ言いました。

私は自分が自分でいられないような気がして、その場から離れ、職場の提携しているカウンセラーさんに連絡をとりすぐに向かいました。

「それは辛かったでしょうね」とやさしく声をかけてくれたカウンセラーさんはそのとき私にとって天使のようにさえ思えました。そのとき、カウンセラーさんのスマートフォンに短いバイブ音がして「トークバックオン、着信、LINEメッセージあり……」とスマートフォンの読み上げ機能が働いていました。「失礼しました」とカウンセラーさんがスマートフォンを操作したとき、音声の続きが流れました。「……高島愛子 愛してる」と。

結論から言うと、天使のように思えたカウンセラーさんは高島さんと浮気をしていたのでした。私は立ちくらみのようなものを感じてもうろうとして思わずうずくまりました。一体なぜ……なぜ高島さんを知っているの。

その後、私が高島さんの務める生協のスーパーのお客様の声欄にハガキを書きました。後日、生協のお客様の声掲示板には返事がついていました。「高島愛子を愛してる」と。

こんなひどいことがあっていいのでしょうか。私の目からは思わず涙がこぼれました。

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