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日航123便墜落事故(事件)④〜墜落に至るまで、機は実際、埼玉県の上空のどのあたりを飛んだのか? 続編

先だって書いた「日航123便は埼玉県上空を飛んだのか?」の稿。事故疑惑派の面々も(なぜか)事故調査委員会説に与するらしい現状ーー「123便は埼玉県の最西部しか飛んでいない」ーーへの素朴な疑問から発した記事で、詳細は目を通していただくとして、その終盤で自分はこんなことを書いた。

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「皆野町や寄居町、東秩父村あたりでの目撃情報があれば話はまた違ってくる」と……。

いや、それがあったのだ。見つかったのだ。それがこれ。

NHKが2015年に放送した123便に関するドキュメンタリー(『NHKスペシャル』)より。

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NHKが入手した当時の長野県警臼田署のメモ。県警に寄せられた目撃情報が時系列で書かれたもので、「18時50分ごろ」の項にこうあるではないか。

「秋山の上空で 群馬方面へ」

ここで気になるのは、秋山という地名。自分は知らない。調べてみたところ、

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関東近辺ではこんな感じ。墜落6分前の18時50分という時間を考えると、該当するのは埼玉県しかない。

本庄市 or 寄居町

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地図で見るとわかるが、本庄市と寄居町は隣同士。ゆえに、どちらの秋山でもかまわない。この付近の目撃情報なら「機は群馬県のほうへ飛んでいった」ということに合致する。

むろん、反対意見としては「目撃情報が錯綜する中での一つの誤情報」という見方もあるはずだが、それはそれで同様に確証がないものといえる。

できれば、この長野県警に残された時系列の目撃情報メモを全部見たい。出てくる地名を追っていくと、誤情報の誤差は込みとして、おおよその飛行経路が見えてくるはず。

事故調査委員会発表支持派は一様に、なぜか、「123便は横田基地付近にも行ってないし、その後、(埼玉県南部)入間基地付近も飛んでない」などと主張するわけだが(基地付近に機が行ってたら、よほど都合が悪いことでもあるのだろうか?)、その可能性はやはり十分あると見ていい。

ちなみに先の映像。自分は過去何度となく見てきたものだが、今回まで「秋山」にはまったく気づかなかった。あまたある事故検証動画でも目にした記憶はないし、「123便  秋山」で検索しても出てこない(被害者の名前で出てくる)。その一因は番組の字幕にある。

前出のように、「群馬方面」しか字幕が出なければ、人間の心理として、それのみを受けいれて納得してしまうという。メモには「秋山の上空」ともあるのだから、そこも含めて字幕にしないと(もしくはナレーションでやらないと)フェアじゃない。番組制作の編集スタッフの無知ーー「飛行経路への疑惑というものが一切なかった」「そういう正否の実情をまったく知らなかった」ーーによるものか、埼玉県飛行説を隠蔽するような、なんらかの思惑が働いた結果かは定かじゃないが。

高濱機長らが、文字どおり必死の思いで操縦し飛行した123便のほんとうの経路。引き続き調べていきたい。

*追記。秋山は長野県川上村にある地名らしい。なるほど、臼田署員ならすぐにわかる場所だろう。123便は川上村の畑の上を経て直後、隣接する群馬県の御巣鷹山の尾根に墜落したわけで経路、方角的には合っている。ただ、18時50分頃だとあまりに時間が早すぎる。

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