見出し画像

ネプリ「月九」第三回 三首選+全首評

僕、近江瞬を含めて9人の歌人で月1回発行する短歌ネプリ「月九」の第3回が4月6日まで配信されている。以下、ネプリの番号など。

セブン06186459
その他EKU75YL3RR

今回は僕を除く8人×3首=24首からの三首選(同一作者から三首もあり)と全首評(簡単に)をしてみようと思う。

まずは三首選から(良い順に並べます)

恋文のくすぐったいね ふんだんに花粉を含んでる春風の/御殿山みなみさん「hey,fever」

恋文の愛らしさが全体から伝わる一首。「恋文は」とせず、「恋文の」とすることで「恋文のくすぐったいね」が変な名詞のように錯覚されるのも面白い。三句目以下の「〝ふん〟だん」に「か〝ふん〟」を「〝ふくん〟でる」の重なりもリズミカルで軽やかだ。

句点まで丁寧に書く丸文字の少女から何も奪いたくない/池田明日香さん

古典教諭の視点からの一連。上の歌は丁寧に書くのが丸文字なのがいとおしい。また、句点にまで女子生徒であることのアイデンティティを宿らせるかのような詠い方も細かくていい。

早々か? 草々にする。行くことのない草原のほうの「そう」なら/西村曜さん

言葉遊びの歌で、あいさつ分のそうそうで、リズミカルに最後まで詠い切っているのが気持ちいい。そして実際に行ったことのある草原なのではなく、「行くことのない草原」である点も手紙の持つ物理的距離とその先の世界の広がりを表しているように思う。

ここからは紙面に沿って自分の歌を除いて簡単に全首評を。
歌は掲載せず、紙面内の一首目を①…のような記載で行う。

として、全部書きましたが、解釈や好きな点のほかに、指摘も含めて書いたので削除しました。
見たい作者の方はご連絡いただければ幸いです。

(塔短歌会・短歌部カプカプ 近江瞬)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?