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天才が天才で居続ける努力って、ものすごいことなんだろうな。

もう3年くらいイタリア語の勉強をしているのだけれど、全く捗った感じかしない。覚えては忘れ、覚えては忘れの繰り返しのような気がする。
趣味の独学だから話す機会もないし、イタリア語の映画を見て、ところどころ聞き取れたら嬉しいくらいの感じ。
うちのもう1人のデザイナーは趣味でラテン語を勉強している。初めて聞いてから10年以上は経ってる気がする。
言葉として面白いらしい。話せなくても。

学生の頃イタリア語とれば良かったなあ。あの頃だったらもっと吸収できたかも。とそのデザイナーに話したら「語彙力が増えるから語学は年齢を重ねてからの方が上達するんですよ」と嬉しいことをおっしゃる。
それも60歳くらいからがいいらしい。
世間のその世代の皆さん、まだまだ伸び代があるみたいです。

なぜイタリア語なのかというと、響きが好きだから。と、もちろんイタリアが好きだから。リタイアしたらイタリアに移住するんだとかずっと言ってた。
病気になって、ちょっとどうしようかとも思う所もあるけれど、まあ、多分短期ならこれからも行くと思うし、勉強して損はない。

海外旅行に行くときは、行く場所の言語を付け焼き刃でも覚えていく。
日本ではコミニュケーション嫌いなのに、お外では現地の人とお話したくなる。
だからとりあえずきっかけになりそうな言葉とか、もちろん最低限の挨拶とか仕込んでいく。
経験からしてその方がなんとなく向こうも優しく相手してくれる気がして。
変な日本人が、下手くそな言葉を一生懸命話してるからめんどくさいけど相手してやるかみたいな。

イタリアにはいい思い出しかない。
この間「本物を探す旅」と銘打って、美術館だけじゃなく教会やその他の施設にあるベルニーニの作品(街中にあるレプリカじゃなくて)を探すためにイタリアをうろうろした。

ベルニーニの本物の作品が置いてある教会のティーチャーに話しかけて作品の説明をしてもらってたら「ここは普通は入れないんだけど」みたいな事を言いながら、彫刻の裏の説明とかしてくれて(途中から英語)仲良くなった。
その人は修復もお仕事としてるらしく、その教会の2階のアトリエでなんとカラバッジョの作品を手がけている最中だと言った。そして、それを見せてあげるよと。
恐るべし、イタリア。カラバッジョが手の届く場所にあるなんて。

そしていろいろ話してると(ここからが日本ではあり得ない所)満面の笑みを浮かべつつ私の可憐な瞳を覗き込みながら「You are very beautiful.」と2回言ったね。2回。
あー今、嘘だと思ったでしょ?でもこの時は他の人も一緒に聞いてたから、その人に聞いてもいいよ。

恥ずかしげもなく面と向かって、なかなか言わないよね。
会ってそこそこ2時間くらいの人にさ。
でも、やっぱりいい気分にはなる。だって、女の子なんだもん。
たったそれだけで、その日もなんならイタリア滞在中ずっと機嫌が良くなる。
人間関係を円滑にと思ったら、相手のいいところを探して見つけて、大袈裟でも嘘っぱちでもなく心から褒めてみるといいのではないかと。

いいところを探すっていう姿勢がいいのかも。

そうそう、さっき香水の人から「先ほどお荷物の手配をしましたので」みたいなメールが来てて、その中に「製品につきまして品質管理部門に確認いたしました。今後のご使用に関してご参考にしていただけますでしょうか」と。
なんかシュッってやった時、その周囲に香水の液体ががついたままになってる状態で蓋をして密着させてると、稀に塗装が剥げちゃう事もあると考えられるらしい。なるほど。
だから、液体がついてるようなら拭いてから蓋をした方がいいんだって。

気に入った香水を使ってる方、シュッってやった後は、ちょこっとその部分を拭いた方が長持ちするらしいです。

もしかして丁寧な人は知ってるし、やってる事なんだろうか・・・。

丁寧に生きる。お正月の目標が頭をよぎる。

まあいいや、これからそうすればいいんだもんね。
幾つになっても教えられることがたくさんだ。
イタリア語頑張ろう。なんか目標があった方がいいかな。
イタリア語検定を受けるとか。
案外難しいらしい。

そうそう、その旅行で小さな教会に入ったらミケランジェロが19歳の時に作ったイエスの像が飾ってあって、言葉は単純だけど圧倒された。
是みよがしにデカデカと飾ってあるわけでもなく、ひっそりと静かにそこにいて、ちゃんと見てないと通り過ぎてしまうような佇まい。
俯いたイエスの生気を失った華奢な体躯と、重力に抗えない弛緩した肉体が細部まで美しく、すぐには目を離すことが出来なかった。

19歳。本当に天才っているんだと思った。
ピカソが同じ年頃に描いた「アンジェル・フェルナンデス・デ・ソートの肖像」を初めて見た時と同じくらいの衝撃を受けた。

でも天才って、天才で居続ける努力が半端ないんだろうな。

普通の人だから、焦らず粛々とイタリア語の勉強続けよう。

画集しかなくて申し訳ないけれど、
本物はもっと引き込まれます。





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