私たちの刀使ノ巫女楽曲学会 番外編

突然ですけど刀使ノ巫女の舞台、見ました?
よく視て、よく聴いて、よく感じ取りました?

いきなり何の話じゃいってお思いかもしれませんね。
実はこの記事は元々筆者が参加予定の「長文おじさん合同」に寄稿しようかと書き上げたのですが、諸事情によりお蔵入りしそうだったんですよね。
それで折角なのでどこかで公開しようかと思っていたところ、
刀使ノ巫女 Advent Calendar 2018にて主催の方が舞台刀使のお話をちょっとアレなくらいされていたので(語弊あり)、
乗るしかねえこのビッグウェーブにとなった次第でございます。
なので合同参加者は「なんか見たことあんなこれ」と思うかもしれませんが、「うるせえ今別のやつも書いてんだ黙って待ってろ」という強い意志でねじ伏せて行こうと思います。
よろしくね。

ただ皆さんは自身のブログできっちり段落分けしたりして記事として見やすくされてるんですけど、僕にはそんなことできないんですよね。
やっぱりnoteくんが一番落ち着くわけです。
そんなもんでいつも通りぐだぐだとべらべらと深夜のファミレスのようなテンションでヤマなしオチなしで進めていくことをお許しください。
意味は自分で見つけ出せ。


さて、まずは舞台の詳細を…と言いたいところなんですけど、はっきり言って面倒なのでパス。
というかこの記事は10日目だし今まで散々他の方が説明してくれているのでそっちを見てくれよな。

では本題に入ります。
具体的な感想は省きますけど、舞台はとにかく良かった。
舞台化が決定したときはお通夜のような有様だったオタクたちもこれにはにっこり。
「見ないで批判だけはしたくないからな」と諦めが大半の状態で向かったのにも関わらず丁重に殺され、まさか2回も見に行くことになるとは思いませんでしたね。
2回目以降のほうが面白いところも含めて、まさに「刀使ノ巫女」と呼ぶに相応しい出来でした。
キャストやスタッフの方々に多大な感謝。刀使ノ巫女最高!

ただね、刀使ノ巫女を名乗るからには避けて通れぬ道がある。
タイトルを見ればすぐにわかってしまいますね。
そう、終身名誉トップオタク本渡さんですら認める「楽曲の強さ」
これがなくては片手落ちなわけです。
そして僕は楽曲学会の端くれ(構成員1人)として、この話題に触れなくてはならないのです。

とはいえ音源もなく2度聞いたくらいで覚えられるわけもなし。
なんとなくこういう感じだったなとかワンフレーズくらいは覚えていてもきっちり思い出せるものはほぼないわけです。
しかし大変ありがたいことに主題歌(タイトル不明)に関してはサビの部分だけ公開していただけているんですよね。
そこで今回はその歌詞を見ながら刀使ノ巫女楽曲との関連性や差異について考えて行こうと思います。

ではまず歌詞を見てみましょう。

「さあゆけ貴女の 私たちの 疾走止められない 繋いだ想いよ
 うつむく時じゃ 決してないから 切っ先 未来へ向け 構えよ今
 物語は綴られる 私たちの(あなたの) 物語が」

敬虔なる刀使のオタクたちは間違いなくこれは刀使の楽曲だと思うはずです。
それが何故かというと、歌詞が物語やキャラクター性に沿っているのもさることながら、他楽曲との関連付けに成功しているからですね。
歌詞を見るだけで
「まだまだまだまだ止まんないよ」
「あの日の想いから繋がってるんだ」
「切っ先が指す遥か彼方先が」
等々、沢山の歌詞が浮かんでくるはずです。
一方で、刀使楽曲との差異にもお気づきでしょうか。
「心のメモリア」、「二重のキズナ」、「Heart of Gold」等々
他にもいくつかありますが
「君」、「キミ」、「同志」
と基本的に二人称は「きみ」なんですよ。
例外は進化系Colorsの「あなた」のみ。
(厳密にいうと「青空パレード」と「ハイテンション・エクスプロージョン」もそうなのだが、こちらは特定の何かを指しているわけではなさそうなので除外。僕には古波蔵が分からねえ。)
これがどうしてかというと目の前にいる相手が対等な関係だからだと思われます。
二人称が誰を指しているのかという部分でもひと悶着あるかと思いますが
基本的には6人のうちの誰か、つまり対等な仲間を指しているものだと考えられるんですよね。
一方で進化系Colorsも解釈は分かれると思いますが、「それでもあなたに未だ届かない」という言葉から自分よりも上の人に対する言葉のように感じます。

さてそれを踏まえた上で舞台主題歌の歌詞をもう一度みてください。
「さあゆけ【貴女】の私たちの」「物語は綴られる 私たちの【あなた】の物語が」あります。

ここで注目したいのは2点。
あなたという呼称。
そしてそれが貴女とあなたに分かれていること。

前者の歌詞を見ていきましょう。
「貴女」という呼称は、前述の「きみ」に比べて随分丁寧です。
それに対象を女性に限定している。
女性限定といえばもうお分かりですね。これは刀使を指します。
そして「きみ」よりも丁寧な表現を使っていることから年上であることが想定されます。
年上の刀使、誰より?
「私たち」よりもです。
「私たち」、誰?
歌っている本人たち、つまり可奈美たち6人のことです。
可奈美たちよりも年上の刀使、誰?
藤原美奈都、柊篝、羽島絵麻、高津雪那、そして折神紫でしょう。
疾走しているのは可奈美たちだけじゃないんですよね。
母親世代もずっと走り続けてきたんです。あの日から繋いだ想いなんですよ。
どうしてこれが刀使ノ巫女でないことがあろうか。(反語)

そしてサビのラストを見てみましょう。
始まりと同じく「私たち」そして今度はひらがな表記の「あなた」が出てきます。
「私たち」って、誰?
歌っている本人たち、つまり可奈美たち6人のこと…と言いたいところですが
先ほども確認したようにあの日の想いから繋がってるんですよね。
さらに言えば舞台を見た方はご存知だと思うのですが、
この曲はOPだけでなくEDでも使用されているんですよね。
OPの際にはメイン6人で歌って踊るのですが、EDはなんと全員登場するんですよ。
「私たち」は6人だけではなくなるんです。
その上で「私たち」の「あなた」の物語が綴られるんですよ。
「あなた」って、誰なんでしょう。
どうして「貴女」ではないのでしょう。
貴女の理由は先ほど説明しました。ではそれを逆から見てみましょう。
そう、対象を女性に限定する必要がなくなったのですね。
それはなぜかというと、相手は刀使ではないから。
ここまで言えばもういいでしょう。
これは舞台上の「私たち」から、客席の「あなた」に向けたメッセージなのです。
「私たち」の物語はこうして綴られました。
「あなた」の物語も同じように綴られていくのです。
そういうことなんでしょう。

これがね、2.5次元たる舞台の強みですよ。
アニメ「刀使ノ巫女」は最高で、登場人物たちはあの世界で間違いなく生きている。
でも僕たちが生きているこの世界ではないんだよな。
それはそれでいい。むしろそれがいい。
でもこうして現実に現れた彼女たちに叩きつけられる
「お前の物語はどう?」というメッセージ。
「私たちの物語は御覧の通りだけど、お前自身の物語もあるんだぞ」というメッセージ。
「お前はお前、私は私」なんですよ。
この主張は間違いなく刀使ノ巫女。
しかもアニメでは表現できない方法で叩きつけてくる。
バケモンかお前ら。
楽曲学会的にはもう刀使点満点なのでさっさと他の曲も歌詞公開してください。
よろしくおねがいします。


なんか突然終わった感が拭いきれないので以下蛇足
どうでもいいけどEDでまず現役刀使が出てくるところにしれっと混ざる美奈都に人知れず涙を流した。
キモ=オタクであるところの僕もさすがに清=オタクになった。(言いたいだけ)
闘ってるのは子供たちだけじゃねえんだよなぁ。
ハァ…。

今度こそおわり。

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