大西連

貧困や格差、社会保障にSDGsなどのテーマで活動中。 認定NPO法人自立生活サポートセ…

大西連

貧困や格差、社会保障にSDGsなどのテーマで活動中。 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表ほか非営利活動をいくつか。 1987年東京生まれ。著書『すぐそばにある「貧困」』(2015年ポプラ社)など。ここに書くのはあくまで個人の見解です。

最近の記事

2021年の振り返りとご挨拶

早いもので、もう大晦日ですね。いかがお過ごしでしょうか。 もやいは、年末年始の活動が始まっています。 昨日はチャット相談&駆け付け支援で、駆け付け支援では必要な方に直接会いに行き、宿泊費や生活費などの支援をおこないました。 また、新年最初の活動は都庁下での相談会で元日(明日)から始まります。 コロナ禍に限らず、年末年始は仕事がなくなりやすく、また、公的機関も休業に入るため困窮する方が増え、支援現場は忙しくなります。 毎年、この時期の相談は聞いていてしんどいものが多いので

    • 政策参与になって1か月が経ちました

      政策参与になって1か月が経ちました 大西連 蒸し暑い日々が続いていますが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 私事ですが、6月1日に、政府の内閣官房孤独孤立対策室の政策参与に就任しました。就任して約1か月。今やっていることや、今後のことも含めて、少し書いてみたいと思います。 なお、ここに記載する内容はすべて僕個人の見解です。また、公開されている情報のみをもとに書きます。その点、ご了承ください。 ■孤独・孤立対策室とは内閣官房に孤独・孤立対策室が設置されたのは2月。

      • 国会で「参考人」として話してきたこと

        本日(1月27日)の参議院予算委員会において、参考人として招致をされ、答弁をおこなってきました。 僕が話した内容は、コロナ禍での生活困窮者支援の現状と、政策的な課題について、です。 今後、議事録が公開されたり、NHK総合で中継もおこなわれていましたので、アーカイブ等で視ることができると思うのですが、どのようなことを話してきたかについて、ここで簡単に書いておきたいと思います。 ちなみに、参考人はあくまで、国会の委員会のなかで、委員(議員)からの質問に答える、というもので、

        • コロナ禍で生活困窮者への家賃補助と現金貸付が急増:独自入手した厚生労働省データを用いた検証

          安藤道人(立教大学経済学部准教授) 大西連 (認定NPO法人もやい理事長) ■はじめに新型コロナウイルスの影響で、世界的に経済・社会や日常生活に多大な影響が生じている。 日本でも、2月26日と27日に、総理大臣が大規模イベントの自粛や小中校の一斉休校を要請し、3月9日には「専門家会議」がいわゆる「3密」環境を避けるように提言し、経済・社会活動の縮小が始まった。 そして、4月7日には東京を含む7都府県に「緊急事態宣言」がだされ、16日にはそれが全国に拡大され、経済・社会活

        2021年の振り返りとご挨拶

        • 政策参与になって1か月が経ちました

        • 国会で「参考人」として話してきたこと

        • コロナ禍で生活困窮者への家賃補助と現金貸付が急増:独自入手した厚生労働省データを用いた検証

          ケン・ローチ監督の最新映画『家族を想うとき Sorry We Missed You』を観て考えたこと

          ケン・ローチ監督の最新作である映画『家族を想うとき』の試写会に招待してもらったので観てきました。 12月13日(金)に劇場公開されましたので、少し、観たうえで考えたことを書こうと思います。 できるだけネタバレはしないつもりですが、実際には難しいので映画未鑑賞の方はご注意ください。 望月優大さんが現代ビジネスに書いていた下記の記事で、「自由な働き方」や「ギグエコノミー」などという一見新しくて格好いい言葉の裏側で進む「バックアップの不在」の問題を指摘していました。 「不自

          ケン・ローチ監督の最新映画『家族を想うとき Sorry We Missed You』を観て考えたこと

          11/15の夜、久しぶりのイベント開催です

          noteの更新も久しぶりになります。大西連です。イベントのご案内をさせてください。 僕が事務局長をつとめる反貧困たすけあいネットワークという団体のイベントが11/15の夜におこなわれます。 反貧困たすけあいネットワークは、病気になったときなど一時的に働けなくなったときの「休業たすけあい金」や、生活困窮時の「生活たすけあい金」などの互助的な支え合いを運営したり、居場所づくり、労働・生活相談などをおこなっている団体です。2007年の設立から12年間、主に非正規で働く人やワーキ

          11/15の夜、久しぶりのイベント開催です

          2冊目の本『絶望しないための貧困学』が発売されました!

          本日(7月9日)、僕自身にとって2冊目の単著となる『絶望しないための貧困学』が発売されました。 この本は、2015年に初単著として刊行した『すぐそばにある「貧困」』を、新書化したものです。 新書化にあたり、一部、加筆しているほか、データ等をアップデートし、巻末で表紙のイラストを描いてくれている漫画家の柏木ハルコさん(小学館ビッグコミックスピリッツで『健康で文化的な最低限度の生活』連載中)と対談もしています。 実は、初の単著となる『すぐそばにある「貧困」』を出版したあと、正

          2冊目の本『絶望しないための貧困学』が発売されました!

          「年越し派遣村」から10年 年末年始の支援について そして、「ふとんで年越しプロジェクト」を今年もやるのか、について

          さて、12月も下旬にさしかかってきました。寒さが身に沁みますね。久しぶりにnoteを更新したいと思います。 (はじめましての方に軽く自己紹介をすると、大西連と申します。ふだんはNPOや市民活動といったフィールドで日本の貧困問題、生活困窮者支援と呼ばれる分野に携わっています。認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいで理事長をしているほか、いくつかの非営利組織等に関わっています。政府のSDGs推進円卓会議の委員などもしています。よろしくお願いします) 秋口から平成も最後

          「年越し派遣村」から10年 年末年始の支援について そして、「ふとんで年越しプロジェクト」を今年もやるのか、について

          NPOで不動産仲介免許をとった理由、想い、目指すもの そして、そもそものNPOの役割や運営についてを〈もやい〉から考える

          noteをはじめてみようと思った。ふだん、紙やweb媒体ではなかなか書きにくいことなども、何らかの形で残しておきたいなと。日々は流れていくから。 ちなみに、ふだんは、yahoo!ニュース個人や現代ビジネスで書いています。(そちらも合わせて読んでもらえたらうれしいです) まず、最初に何を書こうかなと思ったんだけれども、、、実は5月1日に僕が理事長をつとめる〈もやい〉でリリースを出した。この件について、あまり想いを書いたりできていなかったので、ここで書いてみようと思う。 〈

          NPOで不動産仲介免許をとった理由、想い、目指すもの そして、そもそものNPOの役割や運営についてを〈もやい〉から考える