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四国歩き遍路の記憶#008 6日目 2006.2.28 18~19番 初の宿坊

こんにちは。
四国遍路の整理に挑戦中 とっつーです。

記事にするために思い出していると、当時の体調に引っ張られるような……
いや!気のせいだ!!


2006/2/28(火)の概要

 天気:晴      9.7℃/2.7℃
 札所:18.恩山寺 19.立江寺
 移動:徒歩 22km
 宿泊:立江寺(宿坊)
 起床:6時頃  就寝:21時頃
 支出:8725円
徳島の市街地を通過します。
まだまだ全身 筋肉痛です。
7:00~16:30 歩き遍路
この日は初めての宿坊を体験します。

図1. 移動の記録 2006/2/28(へんろ道全体)*1
図2. 移動の記録 2006/2/28(部分拡大)*1

街中に慣れない

徳島市街を通り過ぎたのは8時〜9時頃。
山中や郊外を菅笠と金剛杖で歩くことにはだいぶ慣れましたが、街中を歩くことにまだ慣れません。ファンタジー世界の住人なのに現実世界に迷い込んだ気分です(そんな経験ないが)。

阿波踊り会館くらいは見たいなぁ…と思いつつも、開館時間前なので通り過ぎます。この頃は真面目でした。今なら目の前の遍路小屋(トップ画にした編笠デザインの東屋)で開館まで待ったことでしょう。
東洲斎写楽のお墓の案内看板を見つけ、そこは立ち寄ってみました。

写楽のお墓

荷物を送る

野宿や善根宿を経験して、今後も不要だと判断したタオル・化粧水・シャンプー・コッヘルを宅配便で家に送り返しました。
#2 持ち物で荷物にいれたか首を捻っていた化粧水やシャンプーは、荷物に入れていました。この時に、美容より軽さを優先すると腹を括ったようです。入れ子式のコッヘルは1つに絞り、タオルも予備をなくしました。

空腹なのに食べられない…

ここまでの食生活はこんな感じです↓
 23日 クラッカー
 24日 宿ごはん/カレーパン、クラッカー
 25日 コーンスープ/焼き鳥/菓子パン
 26日 菓子パン/チョコ/家庭料理
 27日 家庭料理/五目寿司/菓子パン
25日頃から空腹なのに食べられないという事態に陥りました。お接待の菓子パン5個と五目寿司を消費したいのですが、口にすると吐気に襲われます(※腐ってはいません)。体が全く受けつけない (;´Д`)
家庭料理は食べられたので、疲労のせいではなく塩分不足と砂糖過剰のためだったのでしょう。
 お腹が空いた……でも食べられない……
 お接待は捨てられない…
 食べるべきものがあるのに他のものは買えない…
 でもお腹が空いた…でも…でも…
葛藤し続けましたが、五目寿司は傷みも気になります。観念して、謝りながらゴミ箱に入れました。(消費期限に余裕があるパンはまだガンバル)

この日のお昼はラーメンにし、最後まで食べきれたことに安堵したのでした。ラーメンとチャーシュー飯のセットで480円。今だと驚きの安さです。

札所を打つ

全身が筋肉痛のため
アップダウンの少ない市街地ルートを選択
図3. 2006/2/28 に歩いた「へんろみち」 *2

< 18番 母養山 恩山寺 >
車道の横に寂れた建物が現れ、道を逸れて回り込んでみるとそれが山門でした。山門からのルートは歩き限定の登山道です。
このお寺には摺り袈裟という珍しいお守りがあります。一般的なお守りは1年 or 願い事が叶ったら役目を終えるものですが、摺り袈裟は御利益が一生続くそうです。このときはその存在を知らず入手しそびれました。

恩山寺の山門

< 19番 橋池山 立江寺 >
「弘法大師の審判受け、邪悪なものは先に進めない」とされる関所寺です。
テングスで鳩避けをしていました。
ウエストポーチが壊れたため、売店で遍路用の山野袋に買い替えました。

テングスでの鳩避け 張るの大変そう…
テングスだと装飾が見やすい♪

宿:立江寺(宿坊)

筋肉痛と戦いながら のろのろ と靴を脱いでいる間に、案内の方が金剛杖を洗い、荷物を部屋まで運んでくださいました。そして笑顔で一言。重いですね! デスヨネー
宿坊と旅館の違いは…スタッフがお坊さんなこと、洗濯機があること、夕食がほぼ精進料理(お情けで刺身付)なことくらいでしょうか。本来はお勤めもあるのですが、ご住職がご不在で行わないということでした。残念。
お遍路さんばかり8組10名の宿泊者と、おしゃべりをしながら夕食をいただきます。日記によると、白和えが絶品だったようです。

金剛杖を洗うわけ

お遍路の世界では、金剛杖(こんごうつえ)は弘法大師の分身とされます。登山のストック(ポール)であり、野犬や蛇を払う護身具であり、旅の伴であり、行き倒れた際の塔婆(墓標)でもあります。
そんなお杖にはさまざまな風習がありますが、主なものは次の2つです。

1、橋の上ではつかない
修行中の弘法大師が橋の下で一夜を過ごしたという言い伝えがあり、今も四国を歩く(とされる)弘法大師が休んでいるかも…という配慮です。昼はその辺を歩いてると思うけどな (‘−з−`)
橋を意識することが面倒になった私は、このあたりから杖をつくことをやめました。ただ持っているだけ。結果、周り終わっても杖は長いままでした。
(普通は擦れて10cmくらい短くなります)

2、宿に着いたら下先を洗い上座に奉る
お大師様の足を清め、上座でお休みいただく。自分が休むのはその後で…ということです。立江寺で洗ってくださったのはこのためです。
同様の理由で、休憩の際には杖を先に休ませるという習わしもあります。

明日はまた遍路ころがし。予報は雨。
全身が筋肉痛で寝返りを打つのも一苦労。
 もう、歩きたくないなぁ………
などと思いつつ眠りにつきました。

★各図の出典★
図1〜図3はネットから図を借用し作成しています。
※1: 「四国遍路」 基本情報|日本遺産ポータルサイト詳細(PDF)を加工して作成
※2: 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ | 聖地巡礼 四国遍路 | 回遊型巡礼路と独自の巡礼文化一括ダウンロード(PDF)を加工して作成

日記の原文

note記事を利用して手書き日記のデータ化もしているのですが、私的なものをフルオープンもどうかと思い、原文は有料化という鍵をかけています。

原文は自分にわかることは省いて書いているため、買った方にも意味が分かるように補足をつけています。今回の日記は、補足で書いたことに嘘がないか調べていたら学びが多くて楽しかったです♪

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