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四国歩き遍路の記憶#004 2日目 2006.2.24 4〜9番 野宿に挑む

こんにちは。
四国遍路の整理に挑戦中 とっつーです。

歩きはじめて2日目。人生初の野宿に挑戦します。


2006/2/24(金)の概要

 天気:晴    12.4℃/3.4℃
 札所:4.大日寺 5.地蔵寺 6.安楽寺
    7.十楽寺 8.熊谷寺 9.法輪寺
 移動:徒歩17km + 車
 宿泊:9番札所 法輪寺(休憩所)
 起床:6:20   就寝:19時?
 支出:2000円  収入:1000円
途中まで宿の方に車で送ってもらえることになり
朝はのんびりと過ごします。
8時~17時 歩き遍路
お接待で1000円いただきました。
9番札所 法輪寺の休憩所で野宿に挑戦です。

図1. 移動の記録 2006/2/24(へんろ道全体)*1
図2. 移動の記録 2006/2/24(部分拡大)*1


へんろみちが庭を通る家

歩き遍路では、舗装道路に田んぼのあぜ道、果樹園の中や山の中…実にいろいろなところを歩きます。かつては川や海の渡し舟もあったそうです。が、まさか個人宅の庭を通るとは思いませんでした。
 人の家に迷い込んだ と思ったときの焦りったら…

途中、他人様の庭先を通る。こんなところを通るのかと驚いた。ロウ梅と早咲きの梅がキレイだった。家人がいて、先々代が植えたものだと教えてくれた。ここの犬にやたらと吠えられる。

2006/2/24 日記より

あれ?文面だと淡々としていますね。
残念ながら写真は撮っていません。家の方がいるから遠慮したのかな。

藍屋敷と飾り瓦 藍染と愛染

徳島県(の特に北部)は凝った飾り瓦の家が多く、それを眺めるのが1つの楽しみとなりました。この日も何枚か写真を撮っています。

鯛を持った 恵比寿さま
こちらは大黒さま
古い写真で画質がイマイチ…

徳島は藍染料の生産量 日本一ですが、この日 歩いていた地域(旧板野郡周辺)がその中心地だったようです。 日本遺産ポータルサイト によると、藍を買付けにくる商人をもてなし信用を得るために建てた立派な屋敷が多く、藍屋敷と呼ばれるとか。飾り瓦に凝るのはその影響でしょうか。

この地域では愛染と藍染の表記ブレも見かけました。愛染(あいぜん)がアイゾメとも読めることから藍職人は愛染明王を信仰した…という話は聞きますが、もろに藍染と書くとは知りませんでした。

お花ぬけ ってなんだ?

途中、熊野神社に立ち寄ります。

熊野神社の屋根付き参道
天井に吊られた竹の輪が気になる

草むしり中の男性に聞いてみたところ、夏越の祓(なごしのはらえ)の際に、この竹の輪に花を飾ってお花ぬけをするのだそうです。
この記事を書いていて、お花ぬけの雰囲気が気になり画像検索をしてみたのですが見つけられませんでした。どなたかご存知ありませんか?

もしかして、ハナ ではなく チガヤ か カヤ と言っていたのかな。茅ぬけだとすると、茅の輪くぐりの言い方が違うだけですね。
うーん(゜-゜)…こっちのほうが正解っぽい。
けど、お花抜けのほうがカワイイなぁ…

札所を打つ

図3. 2006/2/24 に歩いた「へんろみち」 *2

< 4番 黒巌山 大日寺 >
ここでは、駐車場の広さに驚いています。
< 5番 無尽山 地蔵寺 >
奥の院の五百羅漢のお堂に、同級生にそっくりな羅漢さんがいました。あまりに似ていて気持ち悪かったです。
< 6番 温泉山 安楽寺 >
山号の通り温泉のあるお寺です。宿坊もあります。
< 7番 光明山 十楽寺 >
よく遭遇する歩き遍路さんと納札を交換します。抜きつ抜かれつするのは遍路あるあるです。
< 8番 普明山 熊谷寺 >
階段が長くて しんどかったです。
< 9番 正覚山 法輪寺 >
16:50に到着し、納経所が閉まる前に滑り込みます。

周辺で泊まれるところを聞くと、境内の休ケイ所なら良いとのこと。アサイさんがいて、お接待でもらったというカレーパンを1つくださる。

2006/2/24 日記より

今宵の寝床は、法輪寺の休憩所(吹きさらしの東屋)にあるベンチに決まりました。アサイさんは、7番で納札を交換したお遍路さんです。

宿:野宿してみる

もらったカレーパンを食べ、服を着込み、ベンチに寝袋を広げて寝る体制に入ります。
と、お爺さんに話しかけられました。宿を世話しようと言われ、理由(寒い山間部に入る前に、装備が足りるか確認したい)をお話しして辞退したら、頑張りなさいと1000円いただきました。本当にお金のお接待ってあるんだ…

少しウトウトできたものの、20:00には寒くなりアルミシートやホッカイロを追加します(#002持ち物にカイロ書き忘れたな…)。その後、24:00には再び寒くて目が冷めます。

はじめは、体がブルブルと震え、歯がカチカチと鳴っていました。
体が発熱しようとしているなぁ… と思いました。

そのうち、体が震えなくなりました。
気温は下がり続けているはずなのに震えなくなったことに疑問を感じて体を観察すると、実は体中が小刻みに震えていることに気が付きました。
体の震えが細かくなると、脳は震えと認識できなくなるのか。面白いなぁ… と体の観察を続けました。

そして、肌がゾワゾワと波打つような…肌を何かが這っているような…そんな感覚が芽生えました。
さらに震えが細かくなり、そう感じているようです。このあたりで限界を感じはじめます。

この後のことは次回、3日目の記事で。

★各図の出典★
図1〜図3はネットから図を借用し作成しています。
※1: 「四国遍路」 基本情報|日本遺産ポータルサイト詳細(PDF)を加工して作成
※2: 歩き遍路のための「四国遍路」巡礼マップ | 聖地巡礼 四国遍路 | 回遊型巡礼路と独自の巡礼文化一括ダウンロード(PDF)を加工して作成

日記の原文

私的なものをフルオープンもどうかと思い、原文は有料化という鍵をかけています。

お遍路記事なので、納経料と同じ300円にしました。
2024年4月から納経料か500円になるという話もありますが…そうなったらどうしようかな。

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