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行き過ぎた円安/逢坂誠二 #7572

【23年9月25日 その5875『逢坂誠二の徒然日記』 #7572
今朝、函館から札幌入りする予定だったのですが、搭乗予定の便が機体の故障で飛ばない可能性があり、予定を変更し昨夜のうちに札幌入りしました。今日朝、札幌で会合に出席し、新千歳から上京します。

夜明け前の札幌の空、雲が少なく晴れ。気温は12度です。日中も晴れ、予想最高気温は24度とのことです。

1)行き過ぎた円安
昨日の毎日新聞コラム「時代の風」は、藻谷浩介(日本総合研究所主席研究員)さんが、
『行き過ぎた円安 政治家主導のツケ』と題して、今の日本の実相を切り取っています。

多くの人にお読み頂きたい内容です。

https://mainichi.jp/articles/20230924/ddm/002/070/078000c

藻谷浩介さんは、11月5日の私のセミナーに講師として来函されます。

==コラム抜粋引用==

極端な円安が続く。世界銀行算定の物価が同じになるように計算したレートでは、1米ドルはおよそ100円なので、円安は5割近くも行き過ぎだ。

福島第1原発事故が起きた前年の2010年と22年の比較で、日本の化石燃料輸入量は4億4500万トンから3億9800万トンと約1割減った。再生可能エネルギーの増加に加え、低燃費車の普及などの省エネが、原発停止分をカバーしたばかりか、燃料使用の総量まで減らした。

だが、1割減という程度では、化石燃料の単価高騰はもちろん、円安のマイナスインパクトを到底吸収できない。21年に15兆円だった化石燃料輸入額は22年には31兆円に跳ね上がった。

この16兆円もの国富流出のごく一部の額でも補助金とし、省エネ促進・再エネ利用を加速していればと悔やまれる。原発再稼働という、実現しても国内のエネルギー所要量のごく一部しか賄えない策への拘泥が日本経済の体力を削っていく。

円安は輸出を増やす。1ドルが平均110円だった21年と、平均131円と円安になった22年を比較すれば、輸出は82兆円から99兆円へと17兆円増加して、史上最高を更新した。

しかし輸入も81兆円が115兆円へと34兆円も増え、貿易収支は大幅な赤字に転落している。

過度の円安はかえって国際収支を悪化させるというのが、令和の現実だ。

本来は、欧米に倣い金融緩和を手じまいすることで、円高に誘導すべきタイミングだ。

だが緩和を見直すと金利が上昇し、国債や株式の市場価格が下がる。これは国の財政難や株式不況を引き起こしかねないのみならず、日銀の財務内容も大幅に悪化させる。

日銀は、国債や株式を大量に買い込むという先進国はどこもやっていない禁じ手を、第2次安倍政権に強いられてしまったからだ。

==以上、抜粋引用終了==

この記事を読んだ方から、藻谷さんの考え方は一学者の考えであり、別の考え方をする人もいるとの指摘を頂きました。確かに別の考えもあるのでしょうが、日本が簡単に金融引き締めを行ったり、利上げができないのは事実です。だから植田日銀総裁は苦労しているのです。

私は以前から、アベノミクスは、日本に取り返しのつかないことをしたと指摘してきました。

今は本来、金融緩和を継続すべき時期とは思われません。藻谷さんが指摘するように金融緩和は手じまいする方向に向かうのが通常の対応です。食料や燃料など、輸入に頼っている日本の円安は物価高に直結します。物価高対策として円高誘導も当然のことです。しかし今の日本は、その道を選択することができません。金融緩和を手仕舞いし、円高になれば金利が上がります。そうなれば日銀も、政府の財政も、とんでもないことになりかねないのです。だから場当たり的、対症療法的な物価高対策しかできません。本来行うべき対策が取り得ないという現実に直面しています。

私には安倍政権の罪は底なしに感じられます。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.9.25===

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