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自宅にも賃貸物件にも使える、癖を抑えたカラーリング例② クロス編(メーカー品番も大公開!)

前回の ①フローリング編 の続編です。

クロスの選び方については過去記事で何度か書いてきましたが、今回はクロスを決定するまでの過程も合わせてお伝えします。

まずクロス選びを始める前に、自分のイメージに近いコーディネート写真をインターネットで探しました。自分が描くイメージがどの程度現実的かを写真によって再確認するためです。

描いたイメージは 「部屋全体を薄いグレーのクロスで仕上げる」でした。

かなり時間をかけてGoogleの画像検索やピンタレストでチェックしましたが、これと言った写真がなかなかヒットしません。
濃い目のアクセントとしてグレークロスを使っているケースは多いのですが、部屋全体を薄いグレーで仕上げたものが見つからなかったんです。

探し続けてやっと見つけたのがこの写真。
あまりにもイメージ通りだったので目が釘付けになりました。(出典:田町不動産お仕事日記

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2016年にアップされたこの写真は賃貸用デザイナー物件の内見紹介の写真でした。

「よし、このイメージで行こう!」と決め、いよいよクロス選びがスタートです。それからはサンゲツ、リリカラ、シンコール、東リの各ショールームを回りました。

その時に気づいたのですが、一般家庭用の1000番クロスは凝ったデザインが多いので、どうしても好き嫌いが分かれそうです。
賃貸物件の内装は誰にも嫌われないことが一番なので、賃貸用によく使われている、個性を抑えた量産クロスに絞って探すことにしました。

そこで見つけたのがこれ。東リ VS9054 でした。

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温かみのあるスッキリした色合いの上品なグレーで、よく見ると全体的に細か〜いラメが載っています。
ラメ入りは癖が強いので普段なら即候補から外すのですが、VS9054に限っては壁に当ててみてもラメの存在に気づかないほど、本当に控えめな極小ラメです。ところがこの存在感を消したラメは、貼り上げると部屋を華やかに明るくするというイイ仕事をするんです!

部屋全体に貼った後の印象は、田町不動産が掲載した物件よりもワントーン明るめになりました。
この濃さ具合にはホント悩みました。濃すぎると暗くなり入居者が持ち込む家具も合わせにくくなりますし、薄すぎるとホワイト系にしか見えないからです。
撮影条件によって見え方は大きく変わりますが、上と中央の写真は日中の太陽の光と照明を合わせた状態で、実際よりも少し赤っぽく明るめに写っています。下の写真は夜間の照明下です。

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貼り方のこだわりとしては、下の寝室は落ち着いた雰囲気にするために壁と天井を全てVS9054で貼って ”こもり感” を出しました。
リビングの方は中央の天井のみホワイトのクロスを貼って、少しでも天井が高く感じるようにしました。

実際の天井高はリビングが245㎝、寝室が240㎝なのでその差は僅か5㎝しかありませんが、ホワイトを天井に貼ったことによって視覚的効果が生まれ、リビングの方が10㎝以上も天井が高く感じます。



次にこだわったのは、洗面脱衣所とトイレのクロス。
居室が織物調なので変化をつけるために水廻りは石目調をと考えました。

各社とも塗り壁調やタイル調など、量産クロスと言えども複数取り揃えているのですが、いまいち ”これは!” というのが見つかりません。

他にメーカーは無いのかと探してみると、TOKIWA という老舗のクロスメーカーがあるのを知りました。
早速デジタルカタログで気になった品番のサンプルを取り寄せ、運命の出会いとなったのかこれ! 細かなタイル調の トキワ TS545 です。

普通タイル調というと、クロスに本物っぽく影なども付けてタイルの絵を描いてあるのが多いですがこれは違います。タイルの雰囲気を全てエンボス(表面のデコボコ)だけで表現していて、”超” がつくほどリアルで安っぽさが全くないんです。

以下は TS545 を貼り上げた写真です。クロスのリアルなエンボスはダウンライトの光に当たると陰影がより強調されるので、まさに洗面脱衣所やトイレに打ってつけのクロスです。(是非アップにしてみてください。)

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これで量産クロスですよ!
この TS545 は数年に一度しか出てこない逸材だと心底思っているので、質感の良さを求めるのであればぜひサンプルを取り寄せて検討してみてくださいね。


クロスを選ぶ時はいつもこんな感じで、時間を忘れてあーでもないこーでもないとカットサンプルと格闘しながら遊んで、いや、選んでいます。
後半、オタク全開で興奮気味の回になってしまいましたが、皆さんのクロス選びの参考になれば幸いです。

では!

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