余生 7月25日

 ホームベーカリーがパンを焼けたことを知らせる電子音で目が覚めた。目覚め方の中でも割と良い方だと思う。

 毎日茹だるような暑さで、エアコンで乾燥するからか鼻血もでて踏んだり蹴ったりだった。そういえば昨日は鼻血で目を覚ました。不思議なもので幼い頃から寝ている時に鼻血を出すと必ず目が覚める。鼻血自体は痛くも痒くもないが、せっかくの睡眠に水を刺されるのは正直うんざりする。

 今日は色々あって電車に乗った。窓から見える景色は夏が一番綺麗だと思う。入道雲が好きだし、景色が鮮やかで、何より日が沈むのが遅い。夏の午後6時から7時の時間帯が永遠に続いて欲しいと思う。

 永遠というものはなくて、私はあと一年と半年くらいで大学を卒業する。大学に入学して一年目はまだコロナの流行る前で、普通にサークルに明け暮れてキャンパスで授業に出たり図書館で適当にサボったりしていた。普通に好きな人もいて、こんな感じで楽しく大学生活が進んでいくかと思っていたら、そうも行かなかった。

 病院で採血をされる。内臓がグッと持ち上がるような気持ち悪さがあったけど、絆創膏を貼ってもらって止血のために自分でそこを押さえると、治った。一時の痛みとは裏腹にあっさりと傷口は塞がる。自分は意外と強いんだなと思った。

余生みたいに暮らしている。どうせなら楽しい余生にしたいとは思うけど、こんなことを強いる政治のことは一生許してあげたくない。

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