塩田平

観光デザインと歴史の話

こんにちは。

わたしはディズニーリゾートが好きです。
ディズニー作品ももちろん好きですが、ディズニーの世界を具現化したあの空間が大好きです。

数年前からとある人と「上田の街をディズニーリゾートみたいにできたらいいのに」と話をしているくらいに。

ディズニーリゾートは、全てが計算された世界である

夢の国、とよく言われるディズニーリゾートは、そのすべてが緻密な計算の上に成り立っているとわたしは思っています。
計算といっても悪い意味ではなく、「ゲストへいかに夢と希望を与えることが出来るか」というたった一つの目的のために、並々ならぬ工夫と努力がなされている、と感じるのです。

ディズニーリゾートは何回行っても、深く感心させられることが多くあります。

その中でも私が強烈に印象に残っているのは、レストランの窓の高さです。
お店に入り、席へと案内され、ソファに座る。
その位置から窓に目をやると、町並みと空しか見えない絶妙な高さに設計されていました。
表の雑踏は隠されて、お店の中は完全に西部開拓時代の高級なレストランに変化したのです。

ディズニーリゾートは目を凝らして観察すると、こういった工夫が無数に散りばめられています。

また特にTDLは時計回りに、時代の変遷をたどっているのがわかります。
エントランスから右回りに、まず開拓以前のアドベンチャーランド、西部開拓時代のウェスタンランド、開拓初頭期のクリッターカントリー、夢を追う国のファンタジーランド、子どもたちの街トゥーンタウン、そしていつか来る未来のトゥモローランド。
そしてシンボルとなるシンデレラ城がTDLの中心に位置します。

このコンセプトごとのエリア分けがあるおかげでゲストは自分が観たいものやしたいことがイメージしやすくなっていて、「ここに行けばこれが出来る」を直感的に理解しやすい作りになっていると感じます。

シンデレラ城はどのエリアからも見える位置にありますが、どこから観るかで印象がガラリと変わります。
夢のお城であったり、遠くの国の古城であったり、悪い魔法使いのいる城であったり…そして、大きすぎず、しかしきちんと迫力のある絶妙な大きさに作られています。
ことに、クリッターカントリーのツリーハウスから見たシンデレラ城の印象は、まるで歴史に取り残された廃城のようで、強烈なものでした。

また入場ゲートからすぐのワールドバザールは、アーケードから抜けたときにシンデレラ城が眼前に見えるというインパクトを引き立たせる役割があり、帰る際はお土産横丁として消費を促している。

360度どこを観ても、学びだらけの施設です。

これを上田でパクれないか?を考えた

以前から話している「上田をディズニーランドみたいにしたい」を具体的に考えてみたとき、どのあたりをパクれるでしょうか。

今回は上田のまちなかではなく、上田市全体で考えてみました。
それが以下の画像です。

各エリアのネーミングがこっ恥ずかしいのはデフォです。

上田は様々な要素を含んでいるので、このようにエリア分けをしてあげれば観光で来る人もわかりやすいのではないか、と考えました。

そもそも「上田をなんとかしなきゃいけない」のか?

わたしの知る限り、上田では5年以上前から活動的な人が「上田はバラバラだから何とかしなくちゃいけない、まとめなきゃいけない」と言っていました。
最近思うのは、そもそも「なんとかしなきゃいけない」ものなのかどうか、ということです。

おそらく上田市は観光戦略というか観光デザインがあまり上手ではないだけではないだろうかと思っています。

上田は本当にやりたがり・言い出しっぺが多く、毎週様々なイベントが行われています。
先日上田市議会のパネルディスカッションでとある議員さんが言っていましたが、おそらく人口密度に対して開催されているイベント頻度は全国でも珍しいくらい多いのではないかと感じています。(数えるすべがないので予想でしかありませんが)

その「何かをやっている人たち」が膨大すぎるので、まとめるには誰か強大なカリスマ性を持った人物が旗振りをしなくてはならない、と言われることもあります。
ですが、これを実行するとなると「強大なカリスマ性を持った誰か」が現れるのを待つしかありません。

それを待つよりは、上の項目で掲載した地図のような、様々なジャンルのイベント・団体の棲み分けをある程度提示してあげることのほうが有効なのではないか、と思ったのです。

上の地図は上田市全域ですが、これと同じようなねらいでもって上田市街地や各エリアをさらにエリア分けし、それぞれの定住地をつくっていけばいいと思うのです。

市街地でも時代ごとにエリアを分ける

これはまだ頭の中にしかイメージはありませんが、上田中心市街地も同じようにエリア分けしていけば良いと考えます。

大まかに分けるなら
・戦国時代(真田氏の時代)
・江戸〜明治まで(商人と職人、藩士の時代)
・現代

という感じです。
ざっくりと分けると、戦国時代はもちろん上田城と、城までまっすぐつながっている大手町や海野町。
商人・職人・藩士の時代は、原町や柳町。
現代は上田駅前・松尾町など、上田の玄関口となる場所。

上田は何百年という時代の流れの中で様々な歴史をたどってきたまちです。
そのさまざまな歴史が雑多な場所に点在しているので、「まとまっていない感」があるのだと思います。

わたしは正直なところあまり上田近辺の歴史について詳しい方ではないので大きな事は言えませんが、上田が辿ってきた歴史のなかで「この場所はこういうものと縁がある」という意識共有をすれば自ずとまとまっていくのではないかと考えています。

各団体がばらばらであれなんであれ、上田という地はひとつであり、歴史という切れ目のない流れの中にそのひとつひとつが確かに存在します。
まずはその歴史の流れを把握することこそが一つの答えになるとわたしは考えています。

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