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SNSでの地域イベント広報を考える②Twitterの特徴と向いているもの

きのうにひきつづき、SNS広報のお話です。

これまで書いた記事:
広報大事だよって話 Facebookの特徴と向いている広報

※注意
どのSNSが優れているとか、このSNSはダメだとか言いたいわけではないです。特徴を理解して、効果的に使いましょう、というのが趣旨です。
出刃包丁とペティナイフが用途が違うのと同じです。

Twitterの特徴

ツイッターが長けているのは、とにかくシンプルで気軽にコミュニケーションができること、匿名性、コミュニティの垣根がないので情報拡散が速いこと、日本人ユーザーの多さであると考えます。

Facebookの国内アクティブ数(更新が行われているアカウント)は約2800万人に対し、Twitterの国内アクティブ数はおよそ4500万人なので、日本国内に限定すればTwitterのほうが圧倒的に使っている人が多いです。
欧米各国ではFacebookのユーザーが最も多いですが、日本だけがTwitterユーザーがダントツに多い国です。

日本は古くから女性になったつもりで随筆を書いたり(紀貫之の土佐日記)5・7・5の少ない文字数の中で恋心を推し量らせたりなどしてきた文化があります。この匿名性と140文字以内という限られた文字数というスタイルが日本人にピッタリ合ったからここまで普及したのではないかとわたしは思っています。

Twitterは自分のつぶやきを「公開にする」(誰でも見れる)「非公開にする」(自分が読者として承認した人だけに見せる)という2つしか公開設定がなく、企業と個人の違いないので、理屈上は世界中のどのユーザーでも公平です。


2016年NHK大河ドラマ「真田丸」は今でもかなりのファンがいます。
そのファンづくりの最も重要なツールとなったのがTwitterです。

「真田丸」という番組を同じ時間に見ながらTwitterで感想を言い合ったり、展開を予測したり考察を発信したりするユーザーがたくさんおり、その共通の話題を持つユーザー同士がコミュニケーションをすることで強固なファンのコミュニティを形成したのです。
ファン同士は全国各地のどこに住んでいても何をしていても関係なく、「真田丸」という共通の話題を持つ人同士がTwitterを介して情報のやり取りをすることができた。その結果が「真田丸」の大ヒットの一端を担ったとわたしは確信しています。
(補足ですが「真田丸」はSNSで話題となるような演出がかなり多かった作品であるというのが大前提です)

「真田丸」に限らず、共通の話題があれば住む場所も年齢も職業も関係なく、あらゆる人がつながることが可能なのがTwitterです。

運よく拡散すれば日本中の誰もが知る共通の話題ともなりえますし、朝のワイドショーなどで取り上げられる「話題の動画」などはほとんどかがTwitterからの引用です。

これを考えても情報拡散力はFacebookよりツイッターのほうが長けていると言えます。

反対に、これを「怖い」と感じる人も多くいるのがツイッターの弱みです。

ツイッターは本名で使用している人はあまり多くありません。
ほとんどの人がニックネームを使用しているため、「この情報を発信している人は信頼できる人なのかどうか」がわかりません。
そして匿名が故に、他人の発信したものをコピー&ペーストして自分が発信したように見せる行為(パクツイ)や、多くの反応(いいね!やシェアの数)を稼ぎたいがために話題になりそうな作り話をする人がいたりするので、情報の真偽や発信元を確かめることは困難を極めます

匿名性があるがゆえに、またユーザーが多いために、数は多くありませんが心無いことを発信したりコメントしたりする人もいます。
世界中の誰もが公平に閲覧できることができる代わりに、わざわざ検索してまで文句を言ってくるような人もいます。
そして140文字という少ない文字数の中で情報を正しく伝えるのも至難の業であり、また短くまとめたがゆえに別の解釈されてしまう、というのも頻繁に起こります。
日本語は「察する言語」なので、発信側が「察してくれるだろう」と端折った部分が別の解釈をされてしまうというのはままある話です。

そしてその「ちょっとした不幸」が積み重なって「炎上」する。炎上したものは個人の努力で火を消すことはほぼ不可能です。
「Twitterは怖い」と思っている人が感じている恐怖は、こういうことなのではないかと考えています。

Facebookなど他のSNSはそこまで文字数制限がきびしくないため、説明も十分にできますし、誤解を招くこともあまり多くないと感じます。

Twitterに向いている広報

Twitterの特徴はコミュニティの垣根がないことです。

全国的にファンが既にいるコンテンツを扱うイベントはTwitterに向いています。例えば人気俳優のトークショーがあるとか、有名アニメのコラボイベント、真田幸村など有名武将を扱う歴史関係、ゲーム関係などです。
また「近隣にはファンがいないニッチな需要があるもの」もTwitter向けです。

ただし、単に発信するだけでなく「文字情報として興味のある人が検索しやすい」という形で発信することが大切で、さらに一般ユーザーとコミュニケーションをするというのも鍵となります。
Twitterは企業アカウントも個人アカウントも扱いは同じなので、公平にやり取りができ、フィードバックを得るのが容易な媒体です。

しかしTwitterはその文化やネットリテラシーを厳しく問われる傾向が強いため、ある程度の慣れが必須です。他のSNSで慣れた方がTwitterに抵抗感が強いのは、無意識に文化の違いを感じており「慣れ」がないと戦えないことを理解しているからではないかと思っています。

余談ですが、某巨大掲示板でよく新参者に「半年ROMってろ」と返信がつくことがあります。
ROMとはRead Only Memberの略で閲覧するだけの人のことを言いますが、これは先輩方からの親切心であるとわたしは思っています。
まずは文化の観察とローカルルールを勉強をしてから発信せよというアドバイスです。

企業などのTwitter広報で「思うように情報拡散できない」という人が陥っているのはたいていこの部分ではないか考えます。
これは「Twitterで発信すれば"拡散"するものだ」という短絡的な思考に陥っているせいで、「Twitterの文化や発信するコツ」を知らないからです。

Twitterでいちばん大切なのは「Twitterの文化に慣れること」と「他のユーザーとコミュニケーションできる余白」です。

(見てもらえる投稿のコツは、後日また記事にしたいと思っています)

おいでよ上田がTwitterを主に使っている理由

そもそも「おいでよ◯◯(地名)」というアカウントはわたしが「おいでよ上田」を始める前からTwitterに無数に存在していました。

「おいでよ◯◯」を名乗るのなら、もともと「おいでよ◯◯」という既存ジャンルに乗っかったほうが効率が良く、またTwitterでないと受け入れられないというのが前提としてあります。

他のSNSもFacebook、LINE、Instagramなどを使っていますが、やはり力を入れているのはTwitterです。

Twitterはすべてのアカウントが個人・企業の違いなどなく公平であり、誰とでも簡単にコミュニケーションができます。また上田市内外にかかわらず様々な人とつながることができる。
「おいでよ上田」が一番大切にしているのは他ユーザーとのコミュニケーションであり、それを通して「おいでよ上田」の、ひいては上田のファンになってくれる人を増やしていきたいのです。

ファンづくりはコミュニケーションがないと成立しません。
Facebookでもコミュニケーションは可能ですが、匿名であることの信頼性の薄さと、匿名として管理するFacebookページの構造上の回りくどさがコミュニケーションを難しくしています。

地域の人に知ってもらうこともとても大切だと考えていますが、「おいでよ上田」はより多くの人とのコミュニケーションを優先しているので、現状ではTwitterという選択肢になっています。
「地域の人の知名度を上げる」という段階に入ったら、わたしの正体も明かした上でFacebookにより力を入れていくことになります。


次回は、わたしがあまり得意としないInstagramの話をしようかなと思っています。


(´‐`).o0(参考にしたサイト一覧)

謎を解明SNS/なんで日本人はTwitterが好きなの?

【無料で簡単DL】2018年9月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ

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