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お祭りで考える理念と手段

こんにちは。

実は、この記事を書く前に同じようなテーマで思いつくまま書いていたんですが、どうにもまとまらないのであらためて記事を書くことにしました。

今日書いていくのは「理念と手段」の話。

その祭には理念があるか

普段なんとなく参加したり手伝いをしているお祭りですが、その祭はどういう理念のもとに行われているかを意識したことってあるでしょうか。

祭はかつて神事であり、神様に捧げるものでした。例えば道祖神祭や岳の幟(別所温泉の雨乞いの祭)などはそういったものとして伝統として続いていますが、そのスタート地点である「神様に捧げるもの」という意識は残ったまま続いているものが多いと思われます。

一方、市民まつりなどは神様にささげるというよりは別の目的が設定されており、イベントとして運営されているものも多くあります。

この”祭”と”イベント”の違いで、印象的だった言葉があります。上田在住で郷土研究家の益子輝之さんの言葉です。

「まつり」は本来神事であり、神様に捧げるものだから、雨が降ろうが台風が来ようが中止にはならない。
「イベント」は神事ではないので、状況によって中止になってしまう。
今の「まつり」は「イベント」になってしまっている。

これは昨年、上田わっしょいが中止になったまさに直後に聞いたお話だったので、かなり強く印象に残っています。

そのなかで、「まつり」をする意味は、続ける意味は何なのだろう、という考えを持つようになりました。

まつりの目的の分類

まつりの目的は、大きく3つくらいに分けられるとわたしは考えています。

1つ目は、文化の継承
道祖神祭りや岳の幟など、過去の伝承や教訓を伝えるために行っているものがこれにあたります。
ただしこの領域になるにはかなり長い歴史やいわれなどがあることが前提なので、例えば上田わっしょいなどはまだここまで到達していません。
上田真田まつりはまだ歴史が浅いですが、「真田氏」という文化を継承していくための祭という部分ではここに含まれます。

2つ目は、コミュニティ(=人と人のつながり)の醸成
上田わっしょいは特にここが色濃く出ていると感じます。まつりのスタート時も「市民が広く参加できるまつりが欲しい」という市民の声を反映して始まったと聞いています。
上田わっしょいでは地域や集まりごとの連(グループ)をつくり、まつりのために作られた歌「上田わっしょい」を参加者全員が踊ります。そこで、グループ内のコミュニケーションをはかり、また上田市民としての一体感や帰属意識を感じさせる作りになっていると考えます。

3つ目は、経済の循環
上田城千本桜まつりなどはこれが強いと感じます。
桜自体は消費を促しませんが、桜を見る目的で公園内に集まった人向けに屋台を出したり、コラボ企画でお土産やグッズの購買意欲を高めたりすることで経済の循環を促しています。
民間などで実施しているまちあるき系のイベントも、最終的にはここを目指しているのだろうと感じるものが多くあります。

以上の3つの目的に分けてみて感じるのは、目的自体は分けられるが、どのまつり・イベントも、この3つの目的を持っているということです。
例えば上田城千本桜まつりもステージイベントなどは地元の民間団体が発表を行っているのでコミュニティの醸成をしていると言えるし、古くから続くまつりも屋台やフードワゴンが出ているのは少なくありません。

催しごとに重点を置く目的は違うとしても、最終的にはこの3つの目的になる、ということがわかります。

そしてその目的が実現された暁に何を目指しているのか…というのが理念です。

まつりを続けることがいいことなのか

昨年、徳島県の阿波おどりの目玉である「総踊り」が中止になってゴタゴタ…というようなニュースを覚えているでしょうか。

阿波おどりの主催団体(行政メンバーを含む「まつり実行委員会」のような民間団体)が4億を超える赤字があり、運営予算上プログラムを変えざるを得なかった。それが「総踊り」をなくすことであり、それを参加団体に通知をしたが、多くの有名団体が所属する振興協会がそれを拒否した……。
簡単に言うとこういった話です。
参加団体側からは「40年続いている総踊りを、相談もなしに変えるなんてとんでもない!」という主張をしていたという報道がありました。
しかしないものは出せず、主催団体は破産……という、まつりに携わる人には心が痛むニュースだったかもしれません。

わたしが考えるにこのトラブルは、参加したり携わっている人にまつりの理念の共有ができていなかったことが問題なのではないかなと感じました。

そのまつりの目的はどこにあったのか。4億もの赤字を出して破産をするまで、改善はできなかったのか。
そもそも億単位の赤字が出ているのに、昨年と同じ規模のものを続けていればそのうちどうにも首が回らなくなるのは誰が見ても明らかだったはずなのに、なぜそのまま継続してしまったのか。

おそらくは「(昨年と同じものを)続けること自体が目的になってしまったがゆえに、こういった結果になってしまったのではないかとわたしは考えます。

おそらく阿波おどり自体の大きな目的は文化の継承であり、それが運営に関わっている人たちに意識共有されていれば、必要以上に華美にする必要もなかったはずだと感じます。

ある意味でこの話は地方創生やまちづくり、まちおこしを行っている人たちへの教訓であり、同じ轍を踏まないようにしないといけません。
自分が携わっているまつりはどういった経緯で始まったのか。何を目的にしていて、最終的に何を実現したいと考えているのか。
そういった部分を持っていないと、わずかずつですが”まつりを殺す”ことになってしまいます。

理念の大切さ

理念がなぜ大切なのかというと、何かトラブルが起こったときにどうするかの指針ができるからです。
例えば予算が確保できなくなったとき、会場が押さえられなかったとき、担当者が変わったとき、新しいことをやろうと思ったときなどです。
最終的な目的がぶれていなければ、何を削るのかや譲れないポイントはどこなのかという判断できます

わたしは「おいでよ上田」のイベント企画をする際、必ず企画書を作っています。イベントの名前、概要、その次に必ず「ねらい」を書きます。
ねらいというのは、このイベントを行ってどういう結果が見込まれるのか、ということです。

以前から何度か書いていますが、「おいでよ上田」の理念は「100年先も上田が元気であるために」。そしてその手法として「コミュニティをつくること」「経済を回すこと」を掲げています。
大抵はどのイベントのねらいもその2つに終始します。

逆を言うと「コミュニティをつくる」「経済を回す」のどちらにも当てはまらないものは行わない、と徹底していますし、他のイベントなどからコラボを打診された際も、目的がぶれていると判断した場合はお断りしています。

わたしが主催するイベントは少ないときで7名くらい、多いときで25名くらいですが、どんなに参加人数が少ないイベントでも目的がぼんやりしているものはうまくいきません。
そういうイベントは大抵「楽しかったね」で終わってしまい、次に繋がることが残せたのかどうか、という判断ができません。

少人数のイベントでさえ目的がないとうまくいかないのに、もっと大きな集団になった人たちが目的なく動いてうまくいくわけがありません。

確かに個人個人を見たら目的はあるのかもしれません。「自治会で誘われたから」とか「いい出会いがありそうだから」とか「ストレス発散になるから」とかです。
でもそれでいいのかどうか。

経済産業省の外郭団体である日本イベント産業振興協会の定義では、イベントとは「何らかの目的を達成するための手段として行う催事」のことをさします。
つまり、イベントそれ自体が目的を持っているものであり、もっと言えばそれが達成されたかどうかが実施後に判断できなければいけない。

まつりはただ楽しいだけではなく、さまざまな人が多数参加した巨大なプロジェクトであるとも言えます。

理念と目的を共有することの大切さ

たいていの会社や団体には理念があり、WEBページなどに明記されていたり印刷されたものが掲示されていたりします。
改めて気になる企業やよく行くお店などの理念を確認してみると、いわゆる「世界観が統一されているな」というお店は理念が行き渡っている印象を受けます。

ホワイト企業と有名なかんてんぱぱの伊那食品工業は「企業は本来、会社を構成する人々の幸せの増大のためにあるべきです。」と社員の幸せを第一にという理念を掲げています。
実際に伊那食品工業にうかがった際は、経営陣もその理念を事あるごとに確認し、会社が運営されているというのを感じました。

理念とは、その催しや団体が最終的に目指すものです。
そこに手段がついてきます。どういう手法を使って理念を実現するか、という部分です。

おいでよ上田が掲げる「100年先も上田が元気であるために」は、今日も明日も、1年後も、100年後も目指していけるものです。
100年後にはさらに100年先が存在します。つねに地元の未来を意識した行動を心がけることができます。
おいでよ上田が存在する限り、この理念は継続します。

手段である「コミュニティを作る」「経済を回す」は、例えば100年後に地域や国の状態が変わってきたら状況に応じて変更しても良いと思っています。あくまで手法であり、100年先により上田が元気である可能性がある手段があれば、そちらを採用します。

例えばいま現在参加していたり続けている催しも、そこに理念があるのかどうかを再度確認してみるといいかもしれません。
なんとなく参加していた催しも主体性を持って参加できるようになるかもしれないし、逆にそこに参加する理由がないと気づくかもしれない。
自分で主催しているなら、その催しを続けるべきかどうかがわかり、また続けやすく、運営しやすくなると思います。

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おいでよ上田

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