先生を辞めた日

「今までありがとうございました。」を伝えるだけなのに、
出てきたのは言葉じゃなかった。

これまでの感情が涙となって一気に溢れでた。

楽しい・嬉しい・やさしい。
せつない・虚しい・つらくて悲しい。

なんてシンプルなものではなかった。

あいさつをしても絶対に返してくれない子はいたし、
やんちゃな子による妨害も受けた。
トゲのある言葉のマシンガンもくらったな~。

授業のたびにキリキリと胃は痛み、
「白髪増えたね」なんて言われる。
ぶちギレてクラスが一瞬で凍りついたこともあった。

もちろん、思い出はマイナス面だけではない。

「おはよう!」がとっても元気な子のあいさつは待ち遠しかったし、
就職と進学、どちらを選択すべきか真剣に語ったこともあった。
一緒に恋バナもたくさんしたな。

懐かしむほど過去のことではないけれど、
1日1日が愛おしい毎日だった。


最初は警戒&様子見で、おとなしかったけど。
ぼくって人間は、いったいどんなやつか分かってきたら
怒られないギリギリのラインでちょっかいかける。

本当にたち悪い。大人を舐めるな!

なんて言えるほど、ぼくは大人じゃないし
子ども扱いできるほど、君たちも子どもじゃない。

ぼくも君たちも、子どもではないし大人でもない
それが分かったころには、お互い打ち解けて
心の壁がなくなっていた。

「信頼ってのはね、自分をさらけ出して得るもんだよ。」
ぼくの恩師のセリフが今になって甦った。

今となっては笑顔を見るのに苦労しなくなったけど
たどり着くまで、随分と時間がかかったよ。

でも、ごめんな突然のさよならで。
本当は卒業まで見届けたかった。

ここで普段の授業のように、

盛り上がってきたところで去るのが、また会いたいと思わせる秘訣なんだぜ!

とか言ったら、「うわ~」とか「キモ~」とか言われちゃうんだろうな。

こんなくだらない話からはじめる授業は

2割はガチで楽しんでて、
6割はくだらねぇと思いつつ笑いながら聞いてて、
残り2割はマジでどーでもいいって顔してた。

くだらない話に付きあってくれてありがとう。

な~んて、思い出話に浸っててもエンドレスになるから、
これくらいにしとく。

しばらくは教壇の前に立つことはないが
君たちの先生であることは変わりない。

これからは生き様を見せることで
学校じゃ教えられないことを伝えていくからさ。

では、また会える日まで。


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